◆□キノの旅でハァハァしよう3□◆
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上記スレ、555さん作。



〜つるぺたの国〜


「入国希望ですか?それではこちらの書類に従って手続きを行ってください」
差し出された数枚の紙に書かれた項目に従ってキノは記入し出した。
そしてある項目を書いたとき、
「あ、…ああぁぁ、おわああああぁぁ!!!??」
「っ!?」
いきなり大声を上げた審査官に対し、キノの身体がびくっと強張った。
「どうしたんだろうね、キノ」
「………さあ」
審査官室の奥へと姿を消した彼は、どうやら電話をかけているようだ。
しばらくするとドタドタと音を立てて戻ってきた。
「た、旅人さん!あなた、こ、こっちの書類を書いてください!」
ばんっ、と叩きつけるようにキノの前に一枚の紙切れが置かれた。
怪訝に思いながらもとりあえずその指示に従い書類を埋める。
名前、キノ
年齢、17くらいかな
入国希望日数、3日
趣味、旅
特技、パースエイダーを使ったこと全般
一番自信のある体の部分、……キュートな丸顔
バスト、…
ウェスト、……
ヒップ、………
「…あの」
「はい、何でしょう!」
「この項目は全部埋めないと――」
「書いてください!」
「……こんな項目――」
「書いてください!」
「………さばを読んで――」
「書いてください!」
「…………巻尺を」
「はい、どうぞーー!!」

全ての項目を、寸分の狂いもなく正確に記入し終えた。
「それで、どうして僕はこんなものを書かされたんです?」
少し、というかかなり不機嫌な声でキノは審査官に問いただした。
「はい、お答えします。実は今この国では国全体を挙げた大会が開かれているんです」
「へー。グッドモーニングだね、キノ」
「……それで?」
「しかし今年は参加規程を満たした人物が一人足りなかったのです。
しかしそこにキノさんが現れたのですよ!国の長に頼んであなたの出場を許可してもらったのです!
いやぁ、なんたる幸運!今年も開催できて喜ばしい限りです!!」
「…一つ、いいですか」
「はい、何でしょう?」
「その大会には女性しか参加できないんですか?」
「はい」
「………そうですか」
「どうしたの、キノ?」
「何でもない」
(そう、何でもないさ。性別欄に女性と記入して、そこで初めて審査官が僕が女性だってきづいたことなんて――)
「――――切ない…」

「これはこれは旅人さん。なんとも都合のよい時にお越しいただき、感謝も尽きません。…しかし、いやこれは見事……」
国の長はキノを嘗め回すようにじっくりと、上から下まで観察した。
「それは、どうも」
彼のところまで、キノは秘密裏に案内された。国の長に相応しい大きな客間である。
「あの、どうして僕はこそこそとあなたのところに案内されたのですか?」
「それは国民の無用な混乱を避けるためです。皆大会のことで盛り上がっております。
そこであなたが出て行くのは危険極まりなかったのです」
「…そうですか」
「ねえおじいさん。キノはどんな大会に出場するの?」
「おや、まだ説明しておりませんでしたか。それは失礼しました」
「いえ。それで説明のほうを」
「そうでしたな。この大会の目的は、この国でもっとも素晴らしい女性を決定することです」
「っ!素晴らしい女性…」
思わずキノは息を呑んだ。
「ねえそれ何かの間違いじゃない?キノが女性らしいだなんて」
「少し黙って」
どかっ、とエルメスのサイドを蹴飛ばし転倒させる。
「ああーっ、キノ酷すぎるよそれは!」
「いえ、キノさんほど素晴らしいつるぺたな女性はそうはいません」
一瞬、いや数瞬ほど、場の空気の流れが止まった。
「……………はい?」
「この国ではつるぺたな女性が素晴らしいの?」
「はい。エルメス君の言うとおり、この国ではつるぺたな女性が崇め、讃えられるのです」
「…………………」
「なーんだ、そうだったのか。それならキノほど相応しい女性はいないね」
「いやいや全くそのとおりです。エルメス君は話がわかりますな」
はっはっはっ、と二人の上機嫌な笑い声が室内に轟いた。
その中で、顔を引きつらせてぷるぷると身体を戦慄かせているキノには誰も気付かなかった。


その後キノとエルメスは一軒の宿屋に通された。他のところでは混乱が必至なためここしかなかったということだ。
「へー、隠居するからもっと殺伐としたところかと思ったら案外綺麗だね」
「エルメス、僕はしたくてこんな風にこそこそしてるわけじゃないんだよ」
カウンターに着いたとき、あっ、という声がした。
そちらに視線を巡らせると一人の少女が目を点にして立っていた。
その目がみるみるときらきら光りだした。まるで有名人でも見た時のようだ。
「あ、あなたがキノさんですね!初めまして!私この宿の一人娘でミライっていいます!」
そう言って上半身が風を切るかのように勢いよくお辞儀をする。
「はぁ……」
「なかなか元気な娘だね」
なかなか、というレベルではない気がするがそれは不問にしておこうと思った。
「あの、あなたが大会に出るっていう旅人さんですよね?」
「………」
「うん、そうだよ」
答えようとしないキノの代わりにエルメスが答えた。
「わー、やっぱり!一目で判りました!!」
ぴくっ
キノが一瞬反応した。
「へー、どうして一目で判ったの?」
とエルメス。
「だってこんなに見事なつるぺたなんて、そうそういないですもの!」
ぴくくっ
キノがさらに反応した。
「僕もそう思うよ。今まで旅をした中でこれだけ見事なつるぺたなんてキノ以外見たことないよ」
「……エルメス」
「エルメスさんって言うの?いいなーエルメスさん。私もキノさんみたいなつるぺたな人と旅がしてみたいです!」
ぐさっ
とうとうキノの心に傷が付いた。

「キノさんって何歳ですか?」
「……」
「17くらいじゃないかな」
既に返事をする気力すらないキノの代わりにエルメスがまた答えた。
「17?!すごい!その年齢でその体型を維持するなんて、並みの女性じゃできません!!」
びしぃっ
キノの心に軽いジャブが放たれる。
「私まだ13歳なんですけど、私よりつるぺたなんですね!感激です!!!」
どふぅっ
即効性のあるリバーブローがキノのはらわたを抉った。
「私なんてもう大きくなる一方ですからキノさんが羨ましくって羨ましくって!!」
がしぃぃっ
見事なガゼルパンチがキノの顎を跳ね上げた。
「キノさんなら明日の大会で優勝できるかもしれませんね!」
少女は身体を振り子のように動かしフィニッシュの体勢に入った。
「私も大会に出るんですけど、間違いなく負けてしまいますね、キノさん!」
きゅいぃぃぃーーーー……
「そんなことないよ。ミライも十分つるぺただよ」
「ありがとうエルメスさん!…でもやっぱり年のハンデがありすぎます……。だって――」
どすぅっっ
右フックが綺麗に入った。キノの身体が右へ傾く。
「――17歳でそんな胸の女性――」
振り子の勢いを利用してミライの身体が戻ってくる。左フックがキノを捉える。
「――ぜえぇぇっっっっ、たいにいませんから!!!!!」
にこやかな笑みを浮かべながら怒涛のラッシュ。フックの嵐がキノを襲う。
見事なデンプシーロールの前に、キノは敗れ去った。


部屋に入ると早速キノはベッドに潜り込んだ。
「キノー、シャワー浴びないの?」
「いい」
「明日の大会のために少しでも綺麗にしておいたほうがいいんじゃない?」
「いい」
「……もしかして拗ねてるの?」
「よくわかったねエルメス」
「明日の大会にも出ないつもり?」
「うん」
「でもキノが出ないと明日の大会が成り立たないよ」
「関係ない」
「国中の人の楽しみを奪うつもり?」
「楽しんでるのはエルメスも一緒だろ」
「あ、判った?」
「………とにかく、僕はそんな大会に出るつもりはないよ」
「じゃあ明日はどうするの?」
「国の中を回ってみるよ」
「外に出るとキノのつるぺたっぷりにそこらじゅうの人が集まって見学どころじゃなくなるよ」
「う…………」
「キノが外に出るには大会に出るしかないよ、うん絶対そうだよそれ以外考えられない」
「…外に出ないって手もある」
「そんな引き出物みたいな生活はよそうよ」
「……引き篭もり?」
「うん、そうそれ」
「………」
「何事も経験だよ、キノ。好き嫌いせずにその国の風習に合わせようよ」
「…お休み」


早朝。いつものように身体を動かし、キノは食堂へと移動した。
「あ、おはようございますキノさん!」
朝から異様な元気で挨拶をしてくるミライの姿がそこにあった。
「……おはよう」
キノは近くのテーブルに腰を下ろし料理が出てくるのを待った。
ほどなくしてミライが皿を片手にやってきた。
「はい、お待たせしましたぁ!」
その皿の上にはパンが一切れ。
「……これがこの宿の朝食?」
「はい!」
「………質素だね」
「あ、違うんですよ!いつもはちゃんとした料理を出すんですけど、
今日はキノさんも大会があるからなるべく体型が崩れないようにこんなものしか出しちゃいけないんです!」
「…そう」
「キノさん元気ないですね?どうかしましたか?」
いくらか声の調子を落として尋ねてきた。
「ちょっと体調がよくないんだ…」
「え、えぇぇー!!?じ、じゃあ大会には…」
「あまり、出たくない、かな」
「……そうですか」
あの元気はどこに行ったのか、ミライはしょんぼりとしおれてしまった。
「キノさんなら優勝して旅人さん専用の特別賞もゲットできると思ったんですけど…」
「うん、ごめんね」
「超レアな特別賞、旅人さんのための豊胸セットは今回も見る事ができないんですね…」
「出ます」

「ち、ちょっとどうしたのキノ!?」
キノは部屋に戻るなり服を脱ぎ捨てシャワーを浴び、鼻歌交じりに身体を綺麗に洗い出した。
さっきまでとの態度の豹変振りにエルメスは驚きを隠せなかった。
「ふふん、何事も経験だろ、エルメス君」
「うわっ、自信満々…」
「当たり前さ。僕に勝てる女性なんてこの世にはいないんだよ。ふ、ふふふふふ」
「キ、キノが壊れたぁ?!」

昨日国の長にもらった参加者用の説明用紙をキノは今日始めてみた。
なるほど、確かにそこには旅人が優勝した時にのみ授与される特別賞、豊胸セットなるものがある。
「僕としたことがこんな大事なことを見落とすなんてね」
「あまり慌ててもいいことないよ。急がば回れってことわざ知らないのかい?」
「今回は突っ込みどころがないね」
「それはどうも」
開始時刻、出場者要項、その他の注意などを熱心に読み進めるキノ。
そして、その目がある一点で止まってしまった。
「こ、これは――」
「どうしたの?」
「…出場者は最も自信のある服装で参加すること、だって……」
「え、でもキノはいつも着てるやつしか持ってないよ」
「そんな大事なこと、なんで言ってくれないかな…」
「きっと出場者を揃えるのに必死で頭が回らなかったんだよ」
「あの服じゃ優勝なんてできそうにない。どうすれば……」
戦わずしてキノは負けてしまうのか――?いや、何か、何か手があるはずだ。
キノはその思考力をフル回転させた。
(外に買いに行くことは……いやできない。昨日エルメスが言ったようになってしまう。
かといって、僕の手持ちの道具じゃそんな服なんてよういできるわけが――――あ……)
何かを思い出したキノはエルメスに括り付けてあった道具をあさりだした。
「なになに、何か思いついたの?」
「うん、ちょっとね――」

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「――――そうだ、キノさん」
「はい?」
モトラドに乗った一人の旅人とバギーに乗った一人の旅人。キノとシズ。
ある国を出た後、二人は少しだけ話をしてそのまま別れようとしていた。
しかしその時、シズがキノを呼び止めた。
「もしよければこれを貰ってくれませんか?」
そう言ってシズは一つの包みをキノに差し出した。
「これは?」
「私には不要のものです。キノさんに使ってもらったほうがそいつも喜びますよ」
キノは包みを開けその中身のものを取り出した。
「……何です、これ?」
「いつか、あなたの役に立つはずです。遠慮せずにどうぞ」
「………わかりました」

「――シズ様、よろしかったのですか?」
「何がだ、陸?」
「お言葉ですがあのようなものを差し上げてはキノ様にあらぬ誤解を招いてしまう……」
「陸、あれでいいんだ。キノさんには他の人にはない魅力がある。それを引き出すにはあれが一番なんだ」
そこでシズはにやりと顔を歪め、
「それにお前も、あれを身に付けたキノさんを想像してみろ、どう思う?」
「…………参りました」

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「いよいよ出番だね、キノ」
「うん」
数回深呼吸を繰り返し、キノは緊張をほぐそうとした。
「でも大勢の人に見られるっていうのは変な気分だね。ふうっ」
「それにキノは期待大の大物だからね」
「茶化さないで。本当にどきどきしてるんだから」
「でも……よくその格好で出る気になったね」
しげしげとエルメスは今のキノの姿を見て言う。
「これも優勝のためだよ」

国一番の大きさを誇る広場を特設会場として大会は行われていた。
国中の人がそこらじゅうにひしめき合っている。家の屋根に登って会場を見ている人も大勢いる。
『さあ、いよいよ今年度の「国内最強際萌・つるぺた美少女決定大会」通称つるぺ大会も大詰めを迎えました!!!!』
威勢のいい実況の声。それに呼応するように会場に集まった人物も声を上げる。
まるで国が一つとなり叫び上がっているようだ。
『今までの挑戦者はどれも接戦ながらわずっかにエントリーナンバー7、ミライちゃんが一歩リードかぁぁあっ!!!??
どう思う、みんなあああぁぁ!!??』
再び国が声を上げた。中にはミライコールも混じっている。
『おおぉうぅ!!みんなの心意気は伝わったあぁ!それじゃ最後の出場者の登場だぁ!!!
エントリーナンバー8は、何と昨日この国にやってきた旅人だって話だ!!名前は、キノぉ!!!!』
これまた一際大きな声を張り上げる。
おおぉぉおぉぉーーーー
期待に胸躍らす民衆の声が上がる。
『果たしてキノちゃんはミライちゃんのメイド服姿という超萌え武装に勝てるのか!!?それではっっっどうぞおおぉぉ!!!!』
そしてキノは最後の出場者に相応しく、堂々とその姿を現した。
キノのその姿、衣装を見て、その場の誰もが、時を忘れた。静寂が、一瞬だけ支配した。

『あ………あああああああれはっ!!!』
実況の彼がようやく静寂を破った。
『あの衣装、まさか!!す、す、す、すすすすすすスクール水着っっっっ!!!!!
キノちゃんはスクール水着を身に着けています!!何ということだっっ!
見てください、あのつるぺたっぷりを見事に強調したボディライン!!!!
ほんとに女性か?と思わずにはいられない薄っぺらな胸!!
くびれなんざなんのその!すっとーーんと一直線に落ちた腰のライン!!
そして、豊かさの欠片もない平淡なお尻!!!
この大会の実況を長いことさせていただいている私ですが、これっっっっほどまで見事にスクール水着を着こなした女性は、
未だかつて見たことがありません!!!!!』
ぶわわぁぁあぁあ、と効果音が聞こえてきそうなほど目から、鼻から、口から液体を撒き散らしながら彼は叫んだ。
キノは、なるべくその言葉の意味を考えないようにしてステージ上に立っていた。
「す、すごい!これほどまでのつるぺたを見ることができるなんて……!!」
「キャーーーー、キノちゃーーん!!その胸の無さ、素敵過ぎるわっっっ――!!!」
「おい、今までのどの優勝者よりも凄まじいつるぺたっぷりじゃないか!!?」
「旅人というのはこれほどまでにつるつるぺったんなのか……感動したぜ!!!」
民衆も思い思いのことを口にする。無論キノは極力聞こうとしない。
ただ、耳が嫌でもその声を拾ってしまう。その度にキノのガラスの心には修復不可能なひびが刻まれていく。
(――――がんばれ、僕。もう少しの辛抱だ…)
特別賞に対するキノの執念が、今の彼女の両足を支えていた。

表彰台、その一番上には彼女の姿があった。
その表情は王者の名に相応しく威厳に満ち満ちている。
「おめでとう、キノ」
舞台袖ではエルメスが感動のあまり涙声でキノの勝利を称えた。

「キノさん」
国の長が王冠とトロフィーを手にキノの前に歩み寄ってきた。
「私は長い間この大会を見守ってきました。しかし、あなたほど素晴らしい人は見たことがありません」
キノの手をがしっと握りしめ、次々と賛美の言葉をキノに浴びせる。
あはははは、と愛想笑いを浮かべるキノ。内心、はらわたが煮えくり返っている。
が、それもこれもあれのため。そう、あれのためだったのだ。
「――――あの」
適当なところでキノは国の長の言葉を遮った。
「どうされましたかな?」
「あのですね、旅人が優勝した時に貰えるという特別賞があるという話ですが…」
「おお、これはすっかり忘れておりました。しばしお待ちを」
「っはい」
今まで見せたことの無い会心の笑顔でキノは答えた。今か今かとそれを待ち続ける。
にやにやにやにや。笑みが止まらない。
(ふ、っふふふふふふふふぅ。ああ、早くしてくれないかな)

にやにやしたままそう想っていると長が戻ってきた。
「いやいやキノさん、申し訳ない」
第一声がそれだった。
「はい?」
にやにやしたままそう聞き返した。
「実は特別賞のことなのですが、なんせ数十年以上前の代物でして」
「…はい?」
にやにやしたままそう聞き返した。
「ろくに手入れもしていなかったせいで壊れていたようでして」
「……はい?」
にやにやしたままそう聞き返した。
「大変申し上げ難いのですが特別賞は無しということにしていただきたいのです」
「………」
にやにやしたままキノは固まった。
「しかしキノさんほどのつるぺたなら豊胸セットなどいらんでしょうな!」
がっはっは、と景気のいい笑い声を国の長が上げる。
キノの目尻から、一筋の涙が伝い落ちた。
「おお、そうですな。キノさんの銅像でもこの広場に立ててみましょう」
広場のほうに向き直り彼は続ける。
「初の国外チャンピオンの誕生、それもとびきりのつるぺた。これはもう殿堂入り間違いなしですな」
嬉々として話し続ける彼をよそにキノは舞台袖、エルメスのほうへ近づいていった。
「キノ、おめでとう。感動したよ」
「………うふふふ、ふふふふふふ」
「そんなに笑いがこみ上げるほど嬉しいの?ちょっと意外だなぁ」
「ふふふ。エルメス、まさに僕は道化だね。あははははは、ははははははははは!!」
「キノ?おーい。もしもーし、キノさん?」
「やっぱり旅人はこんなにでしゃばっちゃいけなかったんだよ。いや、ちゃんとわかっていたさ、それくらい。
欲に目がくらんじゃいけないっていういい教訓になったよ今回は。いや参った、参ったよ。ははははは!」
「あのー、キノさん。その手にしたものは何ですか?」
にやにやしたキノの手にはいつの間にやらカノンが握られていた――――。