テレアポ氏の憂鬱2

■ペンネーム「法人営業マン」さんからの投稿です。

 こんにちは。初めて投降させていただきます。
 
 私は名前の通り、某上場会社で法人向けシステムを営業しております。
 営業しているといってもまだ2年ですけど。
 こちらで書かれている撃退したい迷惑電話を掛けまくっています。
 そんな営業マンの目から見た話です。
 
私 「おはようございます。私、株式会社○○○の××と申します。恐れ入りますが、御社で△△関係のシステムをご担当している方をお願いしたいのですが。」
 
相手 「どういったご用件でしょうか?」
 
私 「私どもの会社では△△関係のシステムを取り扱っておりまして、御社の△△への管理の現状ですとか、将来への取り組みについて、ご担当者様に是非お話を伺いたいと思いまして連絡致しました」
 
相手 「もうやっています。必要ありません。」がちゃ切り。
 
 この後、八方手を尽くして担当部署への直通電話を入手した私は、担当者へ面会の約束を取り付け、話をすると、実際△△関係のシステムの入れ替えを検討しているとのこと。こういうことはザラにあります。
 
 会社対会社の電話をかけいるのにまるで自宅への勧誘電話に対する応対をする交換の方が多くて納得いきません。
 せめて嘘でも担当から断るように言われていると言ってほしいものです。
 おそらく代表電話を取る方や交換の方は安易に営業電話を繋ぐと怒られるのだろうと思いますが、わざわざ相手を不快にする必要もないのでは?と思いますよ。
 
 こうした外部からの電話を受ける方は、会社へのお客様からの電話であることを自覚して、紳士的な応対には相応の対応をしていただきたいと思いますし、勝手に自己判断はするべきではないと思うのですが。

■いらっしゃいませ。法人営業マンさん。違った立場からのご意見をありがとうございます。
 
 営業職が、非常に会社にとって重要な役割の職務だということは、重々承知しております。
 何しろ、財でもサービスでも、お客に売れなきゃ企業活動は成り立ちませんから。事務職や開発職のお給料の元を稼いできてくれる、立役者です。
 
 で、大切な仕事だけに、苦労も多いわけです。
 またその苦労が、お客様という「人間相手」に生じるのが、やるせないところだと思います・・・。
 
 でも、ですよ。お分かりだとは思いますが、法人営業マンさんが仕事でかけているその電話は、「問答無用に」「お仕事続行中のお客様の邪魔をしている」ことになるんです。
 職場にかかってくる数ある勧誘電話(私の勤めていた事務所は、比較的少なかったようですが、それでも一日に数回はありました)、そのうち一体何割がまともな業者で、さらにその何割が会社にとって意味のある話をもたらしてくれるのか。そんなことを考えると、「勧誘電話だ」というだけでついつい自衛に走ってしまうのは仕方がないことかもしれません。
 
 結果的に役に立つ電話になり得たとしても、どうしても「問答無用」な部分は残ってしまうわけで・・・。
 それに、電話に出た人間が、商材について専門的な話がわかる人だとは限りません。
 
 そう考えると、投稿文で法人営業マンさんがあげてくださった「担当部署への直通電話でのピンポイント営業」なんかは、とてもいいアイデアだと思います。
 
 個人的経験からさらに言わせていただくと、チラシやDMといった、客側が都合の良い時間を選べる媒体での営業は、とても助かりました。
 一千枚の伝票を一枚一枚電卓で集計している真っ最中に勧誘電話を受けたときには、物凄く殺気立ってしまいましたねえ(遠い目)。
 
■そうそう、
「こうした外部からの電話を受ける方は、会社へのお客様からの電話であることを自覚して、」
 というくだり、一応突っ込んでおきますね。(ツッコミは関西人の本能なので:笑)
 
 勧誘電話の場合、お客様なのは電話を受ける立場の方です。
 
 いやまあ、でも、世の中はグルリとつながっているわけですから、電話をかけてくる人が、今度は自分の会社のお客様になることだってあるでしょう。
 かといって、あからさまに悪徳業者だとわかる相手だったら、何の遠慮をする必要があるのか、なんて思うし。
 なんというか、バランス感覚って大事だよなあ、と思う今日この頃です。

(2005.3.8)

■「テレアポ氏の援護射撃です」さんから、上の記事に対しての投稿をいただきました。

 突っ込み結構ですが、個人相手と法人のやりとりに交換の人間の業務(1千枚の伝票処理等)の都合はあまり関係ないと思います。
 仕事がたまっていて時間が無ければその方は電話を取らなければ良いと思います。
 キチンと落ち着いて対応できる人間しか対外的な電話に出るべきではありませんしそういう余力が無い会社と判断されれば逆に会社経営理念への造反にもなりかねません。
 
 商材に知識が無ければ自分ではわかりかねる旨を申し出るのが筋ですし、わかるものが対応できなければそのことを伝え日時をあらためるよう意向を伝えるものではありませんか?
 
 責任者でもないのに不要であるとか、ガチャ切りなど職制を超えた対応者に対しテレアポ氏は憂いていると考えます。(つまりナンチャッテ秘書・ナンチャッテ社長が多いと)
 
 私も営業の経験もあります。また法人営業からの電話応対など秘書経験もあります。上司に個人的な勧誘の電話が来ることもありましたが、この方針を貫いて不自由を感じたことはございません。
 
 システム法人営業が責任者にコンタクトを取る理由は売り込みでは無く提案のためです。
 商材は?百万単位から?千万で、稼動までのデータ移行等導入費用まで含めると大きい会社では億単位になる事も。
 だからジックリ検討してもらう案件で、交換の女の子が電話を繋いだからといって易々と購入できる代物ではありません。
 
 月何千円得になりますとか、月何万円のローンで良い暮らしができますとかの商品とは話の次元が違います。
 
 むしろキチンと責任者に対応してもらいお互い誤解すること無く交渉していくことが大事だと思いますよ。
 それはシステム以外でもそうではありませんか?

■とりあえず、三点だけ。
 
 1) 私の勤め先での業務は、電話交換ではありませんでした。
 
 自己紹介のページや他の幾つかの記事に書いていたので、ついつい省略してしまいましたが、税務会計事務所で税理士補助の仕事をしていました。
 
 2) 当サイトで問題になっているのは、「自分の業務に関係ない勧誘電話」です。
 
 電話交換手や、秘書、カスタマーセンター勤務など、電話を受けることが仕事の人は、勿論きちんとした対応をすべきでしょう。
 でも、そういった専門の職員がいない会社等や、直通電話の場合は、事情が違うのではないか、と思います。
 
 3) まさしく、当サイトは「月何千円得になりますとか、月何万円のローンで良い暮らしができますとかの商品」の話が領分なんです。
 
 良く考えると、私は「法人営業マン」さんの投稿に対して、上記2)と3)の認識が曖昧なままコメントしていたようです・・・。「テレアポ氏の援護射撃です」さんの投稿のおかげで気がつきました。ありがとうございます。
 
 というわけで、次元が違うという話は、どうか他の専門サイト様でよろしくお願いします。

(2005.6.18)