旅行業務取扱管理者資格商法

■ペンネーム「化猫」さんからの投稿です。

 化猫といいます。二十代前半、女です。横浜在住です。
 アパート暮らしで、普段電話は留守電or居留守ですが、昨日は丁度実家と連絡を取る予定があったため、かかって来た電話に警戒心ゼロで出てしまいました。
 
 私と同じ年頃の若い男性の声でした。テンションは高めでしたが気になるほどではありませんでした。
 思えば、よくある在宅のお仕事の紹介と言っておいて、資格が必要だといって多額の金額を請求する手口と似たようなものでした。ただし在宅ではなく、一月に一度、近所のスーパーなどに設置されたラックにパンフレット(旅行会社のもの。経費削減のためだとか何とか)を補充する、というものでした。
 
 そのときはそういった話は初耳で、普通に説明を聞いていました。
 で、その補充をするにも資格が必要云々の話が始まったときに、素でそれを遮り
「旅行会社の経費削減て、具体的にどういうことだか説明してくださらないとわからないんですが」
 と質問をしたんです。すると
「ああ〜、ちゃんと説明しないとわからないですよね!」
 と、相手はわずかに焦りをにじませて説明を始めました。それについては割と丁寧に答えてくれていました。
 
 しかしそのうち相手が旅行会社の人だか、単なる仕事の斡旋の人だか、まるでわからないことに気づきました。
「なるほど(経費削減については)よくわかりました。ところで今電話をして下さっているそちらは、どういった立場の方なんですか?」
 と訊いたところ、先ほど言いかけた通信教育の会社のものだということ。
 
 ああ、なんだ最初にそういってくれればそっちのほうが断然興味があったのに! と内心叫び、以前から通信教育でペン字を受講している(一年経って未だ終了していませんが)私は心もち身を乗り出して、
「会社名を教えていただいてもよろしいですか?」
 
 がちゃん。プツッ・・・ツーツー・・・(唖然w)
 
 あれ? 電話線のトラブル??
 会社名、聞けなかったな。それにしてもいいところで・・・あー(溜息)、詐欺か。なーんだ。自分の会社名も言えないなんて碌なところじゃない、ああヤバかった、向こうから切ってくれたよ。スゲー!
 などなど、無意識に詐欺を撃退した自分に拍手する気持ちでいっぱいでした。
 
 そんな天然ボケをかました私でも後で考えておかしいと思うような点がいくつかありました。
 
 まず、最初に会社名と自分の名前を名乗らない点。
 まっとうな会社ならバイトの小娘にも徹底させるべきことです。(実際私が小娘だった当時にやっていたバイトで厳しく指導されました)普通に考えてもその時点でガチャ切りするべきだったな〜と後悔。そんなところとは誰も契約しない!!(怒)
 
 次に、些細なことかもしれませんが、私が話が聞ける状況か訊かれなかった点(今お時間よろしいですか、等)。相手の状況や都合を無視したも同然です。
 
 最後に、もちろん最後の無断のガチャ切り(※投稿文最下部参照)。これだけはやっちゃいけないでしょう。社会人として。一言「失礼します」は言わなきゃ。
 それまで普通で常識的な(前の二点を除けば。もちろん内容は詐欺だったわけですが、それに気づかなかったくらいやんわりとした言い方の人でした)会話をしていた分、余計に頭にきました。いくら詐欺でも社会人としての礼儀やプライドってものは無いんですか? 言っても無駄でしょうけど!
 
 まだいろいろ気になったことはあった様な気はしますが、メモも何も取っていなかったので細かいことは忘れました。詐欺にあいそうになったことより、礼儀がなっていなかったことに腹が立ちました。
 まぁ、もっと酷いのはいくらでもあるし、詐欺の世界の汚さからしたら、気にするポイントがずれていたり幼稚で青いことに拘っているのは自覚していますが。
 
 それから、そういう詐欺(スーパーに旅行会社のパンフレット云々)が最近流行ってるのかとググってみたら、私が知らないだけでけっこう流行っていたみたいです(汗)
 パンフレットを補充するだけで資格が必要なんておかしいということを、調べてみて初めて気づくあたり相当にヤバいです。まぁ、資格に関して詳しく聞く前に電話が切れたので、運が良かったんですね。
 こういった電話勧誘についてあまりに無知なことに気付いたので、こちらのような有難いサイトを巡っていろいろ勉強します。 
 
 長々とした文で恐縮です。読んで頂いてありがとうございました。
 
 (※化猫さん自身による補足)
 社会人として無断のガチャ切りがイカンというのは、礼儀をわきまえなければならない立場では、ということであって、無断でガチャ切りする(または無断で普通に切る)イコール社会人失格と言いたかったわけではありません。
 自分が何らかの被害(電話でのしつこい勧誘、明らかに詐欺であったり脅迫であったり、時間的損害etc・・・)に遭っている場合は、その撃退法として有効である場合がままあるのでマナー違反に当たらないと思います。

■「パンフレットを補充するだけで資格が必要なんておかしい」なんて、関係者か悪徳商法マニアでないとわかりませんって。
 例えば・・・
「路上に立て看板を置くのにも、許可が要るじゃないですか。あれとおなじことですよ」
「旅行の契約って結構まとまった金額が動きますよね。安全のために、パンフレットを扱う人間にも資格が要求されているんです」
 なんて言われたら、騙されますよ、普通。
 念の為。上のトークは嘘八百です。適当に考えたんですけれど(私は旅行業務取扱管理者系の電話は受けたことが無い)、もしかして、私、イイ線いってます?(苦笑)
 
 なんにせよ、難なく逃れられて良かったですね。通信教育なら、もっと適正価格なものがいくらでもあるでしょうし(資格商法の教材費は、超割高だと決まっている:断言)、これを機会に、悪徳商法の世界もいろいろ見て回ってくださいね。
 
■参考サイト
「「旅行業務取扱管理者(旧:主任者)試験」専用"資格商法"被害対策のホームページ」

(2007.6.4追記)
■うにさんという、某旅行会社にパートナースタッフとしてフルタイムで勤めてらっしゃる方から、旅行業務取扱管理者資格商法の勧誘電話の報告と、旅行会社勤務の実態について投稿いただきました。「旅行業務取扱管理者商法の大嘘」を是非ご覧ください!

(2005.2.7)