まくし立ておばちゃん

■ペンネーム「ぽち子」さんからの投稿です。

 とおみさん、いつも楽しみに拝見しています。
 
 築10年ほど経った住宅地に住む我が家にも、リフォーム関連のセールスが頻繁にやって来ます。
 セールスにとっつかまるのも嫌だし、変な断り方をして相手を怒らせ、留守中に犬がいじめられたりしても嫌だし…と考えて、最近は褒め殺し(?)作戦を取るようになりました。
 
「近くで工事をしていますので、ご挨拶に…」
「まあ〜〜〜! 工事のご挨拶ですかぁ? ご丁寧に有難うございますぅ〜。
 でもね、ほら、工事で迷惑かけたりするのも、お互い様じゃございませんか?
 私どもでも工事するときになったら、やっぱり周りのおうちにご迷惑おかけしちゃいますものね〜ぇ。
 ですからねっ、そんなご挨拶なんてしてくださらなくって結構ですのよ。
 どうぞうちには気兼ねなく、工事なさってくださいな〜。
 はい、ご丁寧に有難うございました。
 失礼いたしま〜すっ」

 
 …と、一方的にお見合いの仲人おばちゃんのようなハイテンションでしゃべりまくり、インターフォンを切ってしまいました。
 
 その後、こっそり庭に面した窓の障子の影から覗いてみたら、セールスの方はしばらくボーゼンとたたずんだ後、去って行かれました。
 よし、相手を持ち上げつつ撃退したぞ!と小さくガッツポーズ。
 今後はセールスに対しては「まくし立ておばちゃん」キャラで立ち向かおうと思ってます。

■かっ・・・カッコイイ!! まくし立ておばちゃん、最強!(笑)
 
 大げさに褒めている訳じゃありませんよ。このキャラはカナリ強いですよ。
 だって、考えてもみてください。仮にこんなおばちゃんを玄関口に引っ張り出せたところで、いざ本番のセールストークを展開しようとしても・・・
 
「あ〜ら、壁のしみ? いやぁねぇ、家も歳をとるとシミ出来ちゃったりするのかしら。もうね、最近は外出するときも長袖で手袋して、お帽子かぶって、準備が大変なのよねぇ。この間、みのさんがテレビで言ってたんですけど、シミの防止には○○が効くんですってね〜、あと××なんかは冷え性に良いんですって」
 とか、
「え〜、瓦〜? そういえば近所のお家で瓦の下に雀が巣を作ってしまったってお宅があってねぇ、毎朝毎朝、ピーチクパーチク五月蝿いんですって。可愛いじゃないの〜?って思うんですけどね、やっぱり糞害とかいうじゃないですか〜。それに食べ残しの餌が大変なんですって。ほら、餌って結局虫でしょ〜? やっぱりちょっと気持ち悪いですわよねえ」
 とか、
「床下ですか〜? このあいだ床下の掃除をしたんですけどね、なんと古い壷が出てきたんですよ! もうね、お金とか、ほら、埋蔵金? すっかり喜んじゃったの、わかります? でね、家族みんなで大騒ぎして蓋を開けてみたら、これが傑作なんですよ、もういつ漬けたかわかんないほど古い梅干がでてきましてね〜」
 とか。
 それでもって、まくし立てるだけまくし立てた挙句に、「ああそうだ、お夕食のお買い物に行かなきゃ行けなかったんですよ。それじゃ失礼しますね〜」なんて勝手に会話を〆られてしまったりして。
 
 どうです? こんな客、敬遠したくなりません?(笑)

(2006.5.12)