浅川流域で放射性物質のことを考える2
放射性物質による内部被爆に注意
草むらや河川敷の放射性物質は?

やっと各地で、地上1m以内のきめ細かな放射線量(率)の測定がはじまりました。浅川でも草刈が行われていますが、もし草むらに放射性物質が多く蓄積されているとしたら、刈り取った草はどこでどのように処分されるのでしょうか。もし、焼却されているのだとすると、放射性物質を空中に撒き散らすという最悪の事態になってしまうのです。実測もしないまま、ただ基準以内だとか、他機関が観測しているから何もしないだとか言っていないで、早急にさまざまな場所での放射線量の観測をするべきでしょう。浅川の環境に取り組む団体も、こういう問題にこそ率先して取り組み、住民の声を代表する団体であるとの自負を裏付ける活動が必要があると思います。
空間における放射線量(率)として、μSV/h の値がの大小だけが取りざたされた段階を超え、これからは実際に福島原発からばらまかれた放射性物資を体内に取り込む(特に呼吸による微粒子の吸入)ことによる、内部被爆の問題に、やっと関心が向けられてきたようです。(本来国が指導すべきことですが)危機管理は最悪の事態を想定するということであれば、個人が想定しておくべき状況とは、放射性ヨウ素、セシウムだけでなく、3号炉の爆発(核爆発との評価が有力といわれる)によって、プルトニウム、ウランなど、呼吸によって体内に取り込まれて、ガンの発生をまねく放射性核種が身の回りに相当量存在するということであり、それらからどのように身を守って行くのかということではないかと考えます。
現在、プルトニウムやウランについては、観測値が公表されていませんが、だからどこにもないという証拠はないのです。3号炉が爆発した直後、米国でプルトニウム、ウランの濃度が急上昇したということからも、日本ではその10倍以上の濃度の微小粒子となったプルトニウムが漂っていたといわれています。今それらは、一部は地上に舞い降り、放射線量が高いホットスポットとなった場所に集まっており、一たび風が吹けば簡単に舞い上がるような状態であるかもしれないし、また一部はいまだに空中に漂っているのかもしれないのです。
それでは、どのくらいの放射性物質が降下したのかを公表されている3月18日以降のCS137で見てみると、まともな測定値がない福島県、宮城県とのぞくと、第一位の山形市で8758MBq/km2、第二位が何と東京新宿6977MBq/km2、第三位が千葉市の4980MBq/km2となっています(「福島原発・放射能・地震ウォッチブログ」より)。福島県ではこれをはるかに上回る場所があるのは間違いありません。東京にもっとも放射性物質が降下した3月15日が含まれていないので、日本分析センター(千葉市)の4月14日時点の土壌のCS137 の累積量が53000MBq/km2ということから、東京も同じ比率で考えると、福島原発事故からの東京の降下量は74253MBq/km2ということになります。
これを、チェルノブイリとの比較でいけば、福島市は第二区分(補償付き任意移住エリア)で、東京の大部分が第三区分(放射線管理エリア)に相当する(「中鬼と大鬼のふたりごと」より)そうです。ちなみに新館村は第一区分(強制移住エリア)の基準値の20倍もの汚染地域ということになります。
これまでの観測値と比較するため、歴史的な観測値を文科省のデータベースで見てみると、データの検索できる範囲で高い値としては、1964年に東京江戸川区の草地で4255MBq/km2(都内の最低266MBq/km2)という値があります。このころは世界中で大気圏内の核実験が行われていたため、非常に放射線量が高かった時期です。その後、徐々に放射線量は低下し、2009年には東京新宿区で2.3〜256MBq/km2という値となっています。今回の福島原発に事故により、東京も一挙に1960年代の非常に汚染されていたころをはるかに(10倍以上)上回る放射能汚染地帯になってしまったわけであります。
これは、東京はいまだに経験したことのない放射線環境にさらされているということですから、単に空間放射線量が年間基準値を上回るかどうかという問題だけでなく、地表に降下した放射性物質が体内に取り込まれることによる、深刻な内部被爆の問題を真剣に考えなければならない状況に至っているということなのです。(2011.6.15)