サラ・イーステップ

 アメリカEVP協会を設立し、20年以上にわたって世界にニューズレターを届けてきたサラは5歳のときに祖母の葬儀に立会い、間近に横たわる亡がらを見て、人生とはこのように棺の中で終わるのだと納得しました。死後の世界など無く、このまま土の中に横たえられるだけ、そう思いつつも彼女は別の答えを求めて、心霊現象を扱ういろいろな書物を読んできたのです。しかしどれを読んでも死後の生というものが実感できないまま45年の月日が流れ、ある日彼女は“Handbook of Psychic Discoveries”に出会いました。この本の中にはEVPを紹介した部分が二章あり、これを読んだサラは、もし自分でそうした超常声を録音できれば長年の悩みに終止符が打たれると考えたのです。
 家族のものにはとりあえず一週間だけやってみるつもりだと言い、彼女は毎朝二時間、夜にまた一時間の時間を費やして実験を続けました。「ここに誰かいますか?」「いたら名前を言ってください」「死ぬ前はどこに住んでいましたか」といった質問を投げかけては、一分ほど返事を入れるための空白をおき、5分程度録音したら巻き戻して最初から注意深く聞いていく。はっきり言ってとても単調な作業です。6日目の朝、単調な繰り返しに飽き飽きしてきた彼女は、ふとこう考えました。もし誰か目に見えない人たちが自分の作業をずっと見ていたとしたら、彼らも自分と同様にかなり退屈していることでしょう。それでも答えが無いのは、自分の質問の仕方がよくないからではないだろうか。そう思ったサラは初めてまったく違う質問をしてみました。「そちらの世界はどんな感じか教えて」 その後すぐテープを再生した彼女は、自分の質問の数秒後に「美しい!」というクラスAの鮮明な声が入っているのを聞いたのです。
 初めて録音に成功してから23年間、ずっと実験を続けてきたサラにとってとても印象深いメッセージが三つあります。

・ 「魂まで冒されることはありません」
 このメッセージをサラは次のように受け止めています:どんな困難に遭っても魂は傷つかない。真のあなたを傷つけることは決してできない。我々はこの魂と共に生まれ、最後まで共に生きるのだ。
・ 「死は棺ではない(Death no more the casket.)
 このメッセージはサラにとってはとても重要なものでした。彼女が5歳のときからのわだかまりをこのメッセージが無くしてくれたのです。
・ 「わたしたちは魂の自由を差し伸べているのです」
 目に見えない協力者たちは死後の生を知らせることによって、わたしたちがこの世界で、より大きな魂の自由を持って生きていくのを助けているのです。

 サラが今までに得てきたEVP声をいくつか紹介しましょう。
「Come down we must do good. 」。これはなんて訳しましょうか。霊が「自分達はこちら側に来てうまくやらなくちゃならないんだ」とでも言っているような雰囲気です。そもそもEVP声は文法を無視したものが多く、なかなか訳せないものがときどきあります。次は他界からの歌を紹介しましょう。サラはしばしば向こうからの招待のメッセージを受けています(恐いものではなく友好的なものです)。そのひとつに「Come. Let us give assistance. Come and see. (来て。手助けさせてよ。とにかくこっちに来て見てよ)」があります。メッセージの最後は歌になっていますね。もうひとつの歌はある朝、サラがいつものように「誰かいる?」という風に録音していたときに得られたものです。「We are come. We are with you. We, we come down with you. (わたしたちは来ています。あなたと一緒にいます。わたしたちはあなたとともに来ています)」。はっきり言って本当にそう言っているのかという気はしますが、なかなか美しい合唱です。なお、このEVP声は長いので一回しか録音していません。
 1998年2月15日、サラの夫であるチャーリーが亡くなりました。その二日後にサラは彼がどうしているのかを見えない友人たちに訊ねました。そのとき得られたのが「You wanted somebody, ah, transition? 」という言葉です。transitionというのは移り変わりの意味で、死後の世界があると確信している研究者たちが「死ぬ」という言葉の代わりによく使う言葉なのですが、サラ自身はそのときの録音でこの言葉を用いていません。このメッセージを強いて訳すなら「誰かと話したいのかい、あー、こちらに移り変わってきた人と」といった雰囲気です。その一年後、1999年の2月15日はチャーリーのことだけを思って行われました。チャーリー本人(おそらく)を含むたくさんの声が録音され、その中には彼の名前「Charlie! 」を呼んだひときわ鮮明な声がありました。EVPの研究者たちが、この研究をやっていてよかったと口を揃えて言うのは、このように愛する故人に関するメッセージを受けるときです。

 最後にサラから日本の人々に向けたメッセージを紹介します。
 「真実と平和、愛に満ちた究極のゴールを目指して、手を取り合って一緒に進みましょう!」


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