宮本武蔵の剣技は彼の持つ人並みはずれた運動能力・精神力を持って初めてなせる技であった。常人がこれを修得しようと鍛錬を積み重ねても、そう簡単に修得できるものではない。これに対して千葉周作の剣技北辰一刀流は、現代で言う体育力学・運動力学を剣に応用するというように、かなり科学的、合理的に研究されたものであった。段階を経て合理的な鍛錬を積むことによって剣技を修得するというやり方は多くの武士に受け入れられたのである。