ARTDINK(1995): Carnage Heart

「あんたか? 月影をレクチャーしろってのは」
「エウロパ攻略しないといけないんです」
(原稿上がんないし…(-_-;)

戦略について言っておく。

  • 研究投資を惜しむな。最低でも機体はすべて押さえろ。連絡が入り次第、買い付けろ。 => 開発開始表
  • 前線に近い拠点をひとつ選び、生産レベル 3、生産工数 180 で適正な生産を保て。弾薬確保を忘れるな。
  • 拠点以外の CARD26〜28 は 1 機 1 部隊で輸送(弾薬 50 燃料 5000)に使え。
  • 強い敵は 2 部隊で攻撃しろ。間に合わなければ下がれ。
  • 作戦期間は各 20 ターンとする。
一式月影
ガーギル SV1
電子レーザー A
ショーグン x1
NP-486FX
40 ガロン燃料タンク
25mm 軽合金装甲
fig.1
 CARD-26 をレーザーに換装
耐久度
総合火力
総重量
最大重量
生産コスト
生産工数
必要生産レベル
547
6150
7481kg
7500kg
1520
180
1

二脚のソフトウェアは単純だ。

fig.2
 4 チップ例。

 例えば 4 チップのループで主射撃を行う。全周 200m に敵が居なければ射撃せず、前進する。
 ループ中、左右 60m に飛来物が有ればジャンプで射撃をキャンセルし、終わると射撃で方向転換する。
 チップの順位を考え、隙を失くすのがコツだ。判断分岐は行動チップに影響されない。行動順位はジャンプ、攻撃、移動と弱くなる。

攻略用に修正する。

fig.3
 8 チップ例。味方判定は 30/-45/135 と 60/-5/11。

 主ループは 8 チップで、射撃が前進をキャンセルし、18 サイクル後に 1 サイクル前進する。行動チップはサイクルに含めない。低速 CPU は 1 サイクルに 2 チップ処理し、回避とのバランスは 4 サイクルが良い。
 ループは格闘と副射撃、回避に分岐する。前方 135 度 30m の敵に格闘、前方 135 度 40m の敵に副射撃。射線上の味方、左右 60m の飛来物にはジャンプし、5 サイクル後に射撃で方向転換する。全周 30m のミサイルにはさらに分岐し、前ジャンプする。

 エウロパなら、生産と移動をミスしなければ、設計変更せずに序盤 10 機 5 部隊、終盤 30 機 10 部隊、100 ターン程度で片付く筈だ。

カスタマイズして考えろ。

 最大火力はレーザーが 60m、ショットガンが至近、アサルトライフルが最大射程。射程はそれぞれ無限、180m、165m 程度だ。ミサイルは追尾性能に伴い射程を長くできるが、クランク妨害装置に弱い。ロケットはフレシット弾と炸裂弾の 2 種がある、どちらも 90m 程度で拡散する。

 CPU 1 サイクルは中速で 4 チップ、高速で 6 チップ、ソフトウェアも変更する。ゴルテックス修復装置は装甲以上に効果的だが、燃料消費に注意しろ。
 機体を変える時は連射による温度上昇に注意しろ。チルパワー冷却装置が欲しくなるが、効果は行動停止時のみ、ソフトウェアを調整した方が簡単だ。

 二脚以外は砲塔を使うため移動と攻撃が別になる。単純にしたければ射線を固定しろ。例えば敵を左側だけに捉えろ。地上の敵にはデススフィアを 30m で使え。他の散布地雷と違い味方に反応しない、避けずに済む。

 ソフトウェアが気に入らない動きをしたら変えてみろ。例えば弾切れ、障害物(特に壁)、爆発物、飛来物に対処しろ。
 実行し原因と結果を見極めろ。シミュレーションは本来、そういった実験だ。それ無しにはこの戦いは無意味だ。

 以上でレクチャーを終わる。

SLPS00151
1995 年 12 月 8 日
ゲームデザイン
メカデザイン
クリア 6 時間
カルネージハート
アートディンク
飯塚 正樹
横山 宏
時価 2500 円
 Apple II から伝統のプログラム対戦を、スタンプロジックとポリゴンで。エウロパ、ガニメデ、カリストの 20 マップ 3 シナリオとトーナメント対戦が用意されている。
 しかし実戦はオマケ、対戦は演習場だけ、車両型は不完全砲塔、飛行型は風船、レーダーは平面、測量も射角調整も出来ない。従って一次戦並の戦術で、予備射撃と接敵、白兵戦で押し切れば勝ち。
 出来不出来と別に対戦相手が問題。アクティブだったニフティ FCGAMEM1 特設会議室も 2 月に閉鎖した。

 夏にプログラム作成画面を軽くし、リーグ戦を追加したEZを発売予定。今年のゲームショーではアートディンクチーム全滅を賭けたコンベンションが行われた。
 …結果は知らない。


Fumi, 8 May 1997, edited 9 Feb. 2001.