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ペトラ petra ヨルダン・ハシミテ王国南西部 |
ペトラの歴史
●‥‥‥‥‥数千年前から人が住み着いたというペトラは、BC7世紀ごろから遊牧民族のナバテア人が定住し始め、BC4世紀ごろにはナバテア王国の首都となった。岩山に囲まれたペトラは、南アラビア、中国、インドと、エジプト、シリア、ギリシャ、ローマとを結ぶシルクロードの交易都市として栄えた。
●‥‥‥‥‥その後は数回の侵略を受け、AD2世紀にはローマに併合された。交易ルートをローマに支配されたことから、ナバテア王国の力は徐々に衰えていった。さらに4世紀ごろからビザンチン帝国のキリスト強制力が強まり、ナバテアの建物がキリスト教風に建て替えられ、従来の目的を失っていった。また、このころから何度か大地震がペトラを襲い、建造物の破壊とともに人々は離れ始め、8世紀ごろには誰も住まなくなっていた。
●‥‥‥‥‥その後一時期イスラム勢力が侵入したり、十字軍が要塞を設けたこともあったが、ほとんど世界に忘れ去られた廃墟となっていた。19世紀に探検家ブルックハルツが発見し、ヨーロッパに公表した。
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シク ペトラが長い間世界に知られていなかった最大の理由は、岩山に囲まれた自然要塞となっていたこと。 シクと呼ばれる約1.5キロの岩の裂け目が、ペトラの街と外とをつなぐ唯一の通路だ。 数十メートルの高さの岩が差し迫るシクは、1日中ほとんど日がさすことがなく、乾燥した気候のため、草や木もほとんどない。 ここを歩きたくない場合は、日本円で約1000円くらい払うと、らくだや馬、ロバを利用することができる。 |
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エル・カズネ 細くて長いシクの出口にさしかかると、いきなりそれまでの風景とは別世界のような建物が目に入る。 映画インディージョーンズ”最後の聖戦”で登場したことで有名な場所。 日がさすのは午前中のみ。 |
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エル・カズネ この建物はかつての宝物殿と言われている。 岩山をくりぬいて作られ、表面は見事な彫刻がなされている。 しかし、ここの岩の性質は非常にもろく、手で触っただけでぼろぼろと崩れてくる。 長年の砂嵐や雨、また地震などによって彫刻は大部分崩れかけ、かつて鋭角であったと思われる部分は折れたり丸く浸食されたりしている。 |
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ローマ劇場 古代ローマの劇場跡は、やはり岩をくりぬいて階段状の席が設けられている。 ここを上り下りするのは自由。そして自然と人間によって激しく崩れている。 下の方はまだ階段の形をしているが、上部はほとんどただの坂。この劇場に座れなくなる日が近いのではないかと不安に感じる。 |
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ペトラを取り囲む岩山 ペトラの街は中央にローマ時代の凱旋門や道路、宗教施設の跡があり、周りを取り囲む岩山をくりぬいて、住居や墓地の跡がある。 住居跡は、よく見ると水を引くための溝や貯水池があり、かつては合理的な街だったことがうかがえる。 墓地の跡は宝物殿に似た彫刻で飾られている。 ペトラは”バラ色の街”と呼ばれるほど、岩そのものが赤やオレンジ色。 さらに鮮やかな黄色や黒も含まれ、どの建造物もそれらの地層がおりなす模様が美しい。 ここに住み着く現在のベドウィンは、それらのカラフルな砂をガラスの瓶につめ、らくだや縞模様を描いて土産品として売っている。 |
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エド・ディルへの道 ペトラの中心地からずっと奥に向かって岩山を登る。 途中、ライオンの絵が刻み込まれた墓の跡などを通って、ひたすら登る。 その道はやっぱり岩山を削って作られ、雨風や人の影響ですり減っている。 だから自然とこんな道や……… |
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こんな道が……………。 長距離歩くのが無理な場合は、ロバに乗っていくことができる。 でも、歩くだけでスリリングな道をロバで進むのは、果たして気楽かどうかわからない。 |
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エド・ディル ペトラ中心部から歩いて約1時間。 ようやく到達するエド・ディル。 ここも宝物殿だったと言われている。 エル・カズネに比べてやや黄色っぽいこの建造物は、少し頑丈そうに感じる。 中は四角いがらんどう。 この近くから、ペトラの裏側にあたる谷がよく見える。 |
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エド・ディル この建造物は、横の岩から屋根のてっぺんに登ることができる。 左上の写真の中心、丸井屋根の上である。 ペトラは立入禁止、登山禁止の場所はほとんどない。 |
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犠牲祭壇跡 ペトラの中心部から、エド・ディルとは反対のほうにもやはり登りの道がある。ここもひたすら1時間弱。 途中、煉瓦のようなオベリスクがあり、その後ずっと登るとこの祭壇の跡と言われる場所に到達する。 景色はすばらしく、ペトラの中心部を見渡せる。 ここには一人の老人がシャイ(アラブ紅茶)を販売している。 |
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