2015年 飛鳥2乗船日記

2015年5月22日〜6月4日、マリオネット飛鳥2乗船旅日記
(by 海井之善)

6月1日以降の写真は後日リンクします

●5月22日(金) 大阪−フランクフルト−マドリード−ビーゴ(移動日)

午前4時起床。6時半に吉田が海井宅へ集合。海井の車に荷物を積み込み出発。6時50分頃、湯淺と待ち合わせの蛍池駅前のコンビニ着。ほどなく湯淺も合流して、一路関空へ。

午後7時ころ関空着。車を駐車サービスに預けて、国際線チェックインカウンターへ。今回は、ルフトハンザで出発、ドイツ・フランクフルトを経由して、スペイン・マドリードへ、そこでイベリア航空に乗り換えて、スペイン・ビーゴを目指す。チェックインカウンターで各自トランクを預ける。トランクはビーゴまで預けっぱなしで受け取れるとのこと。今回は全てのフライトで楽器用の座席を2席押さえてもらっているので、楽器と機内持ち込み手荷物を持って搭乗口へ。

9時40分頃関空発フランクフルト行に搭乗。定刻の10時15分に無事出発。今回は2度トランジットの長旅、軽食も含めて機内食は3色。機内では時折眠りながら映画を見ながら過ごす。結局、機内で3本の映画(「深夜食堂」「まほろ駅前狂想曲」「ジュピター」)を鑑賞。

現地時間午後3時ころ、ほぼ定刻通りにフランクフルト着。トランジットの待ち時間は2時間。フランクフルトの空港は広いので、同じターミナルの中でも移動に時間がかかるが、それでも時間を持て余す。4時半ころ搭乗開始。5時に出発予定なのだがなかなか飛行機が出発しない。吉田が窓から我々3名のトランクが積み込まれているのを確認、荷物搬入が遅れているのかとも思ったが、それだけでもなさそう。機内アナウンスもよくわからず、乗るはずの人が乗っていないか、余分な荷物を積んでしまったかのトラブルのよう。あまり遅れるようであればマドリッドでの乗り換えがうまくできるか心配になる。結局1時間半近く遅れて6時半ころ出発。

マドリッドには午後9時ころ到着。ここでイベリア航空へ乗り換えのためバスで別ターミナルに移動。バスは空港敷地を出て大回りしているような感じで結構遠い。イベリア航空にチェックインして搭乗口へ。10時過ぎに搭乗、座席の前方が狭い!イベリア航空はLCCのようだ。定刻の午後10時35分頃出発、11時45分、ようやく目的地のビーゴ着。時差があるので、実際には自宅を出てからほぼ24時間かかっている勘定。

預けていたトランクを受け取る段になって、吉田の荷物は無事到着したのだが、湯淺・海井のトランクが待てど暮らせど出てこず。どうやらロストバケージしてしまったようだ。湯淺・吉田で空港の手荷物担当者に問い合わせをしている間、海井はマドリードと東京の緊急連絡先に電話。深夜のためマドリードは繋がらなかったが、東京は早朝にも関わらず電話に対応。ただ、事情説明するも結局は現地での対応の方が早いので、そちらでというつれない返事。湯淺・吉田と対応していた手荷物担当者によると、荷物そのものがイベリア航空のコンピューターに登録されていない模様。ここに至ってどうしようもなく、迎えの車でホテルへ向かう。ホテルへ向かう車の中で、マドリードの緊急連絡先より電話、事情説明と情報を伝えて、翌朝以降対処してもらうよう依頼。深夜1時ころチェックインして、それから3人で対策を協議するも今できることは少なく、翌早朝に各所へ連絡することに。深夜2時半ころ就寝。

5月22日の写真


●5月23日(土) ビーゴ(飛鳥乗船)

午前6時起床、7時ころから各所へ連絡を始める。まずは飛鳥Uへ連絡を入れるも、そろそろ入港時間なのだが電話が全く通じない。昨日連絡した東京の緊急連絡担当者に電話して、船に事情を伝えてもらうよう伝言。また、荷物を預けたルフトハンザの日本の問い合わせ窓口に電話するも、国際法で預けた荷物の責任は最終の航空会社イベリア航空にあり自社には責任がないの一点張りで調査さえしてもらえない。そうこうしているうちにマドリードの担当者より電話。二人の荷物がマドリードにあることまでは確認できたようだ。ただ、マドリードからビーゴへの便が午後5時着のものしかなく、6時出航に間に合わないかもしれない。その後、ビーゴに入港した飛鳥UクルーズディレクターM氏から電話。対処の打合せもあるため、早めに乗船することに。

10時にホテルに迎えが来て港へ向かい、10時半ころ乗船、手続きをして各自入室。その後、M氏、アシスタントクルーズディレクターK女史と今後の対応について相談。ビーゴで荷物を受け取ることはリスクがあるため諦めて、次の寄港地のオンフルールで受け取ることに。オンフルール入港は3日後の5月26日になる。とりあえず船内で昼食を済ませて、午後1時頃、K女史とともに演奏用衣装や日用の着換えを急きょ買い出しに出る。なんとか買い出しを済ませて、ついでにワインも3本買い込み、4時ころ帰船。飛鳥Uは午後6時出航。7時45分夕食。その後、買い込んだワインで3名で部屋飲み後、就寝。

5月23日の写真


●5月24日(日) 終日航海

前日までの疲れもあり8時過ぎに起床。午前中は各自適当に過ごす。湯淺は、衣装だけでなく、楽器のメンテ道具や、ピックを装着するためのテープ類などもトランクの中のため、飛鳥のクルーとも相談して代替品を船内で調達。

今日は早速、メインホールのギャラクシーラウンジでのコンサートのため、午後1時より現場で練習。午後3時より打合せとサウンドチェック、リハーサル。4時半ころに終了して、一旦部屋へ引き上げ。6時半ころギャラクシーの楽屋入り。7時開演。ショーは45分、滞りなく無事終了。8時15分夕食。その後再び買い込んだワインで部屋飲み、深夜1時ころ就寝。

5月24日の写真


●5月25日(月) 終日航海

午前7時起床。朝食後、船内のデッキでウォーキング。その後、船内の乏しいネット環境でメールチェックしたところ、イベリア航空の担当者からのメールが。なんと、オンフルールで受け取るはずの湯淺と海井の荷物がビーゴにあるとのこと。フランスの何処に送ればいいかというありえない問合せ。急遽K女史に報告。その後いろいろと問合せを入れるが、肝心のメールの主が電話でもメールでも捕まらない…。

昼頃誘い合わせて昼食。午後4時半から船内マリナーズクラブというバーを借りて練習。7時からギャラクシーラウンジで行われたパトリック・ヌジェさんのショーを鑑賞。

7時50分より夕食。乗客のR氏のお誘いを受けて夕食をご一緒する。R氏は知人のM女史(日色ともゑさんのご友人)のご紹介で、2013年の乗船時にお知り合いになり、その折はリスボンのファドハウスへもご一緒した。その後各自部屋へ引き上げ、12時就寝。

●5月26日(火) オンフルール

午前6時起床。同時刻、飛鳥Uはフランスのセーヌ川河口の街オンフルール入港。7時朝食の後、デッキでウォーキング。

午前のうちに湯淺と海井の荷物は、フランスのシャルル・ドゴール空港まで来ていることが分かった。ただ、オンフルールで受け取ることはタイミング的に危険が伴うため、翌日のルーアンで受け取ることに変更したとのこと。

10時頃誘い合わせてオンフルールの街へ出る。マリオネット両名は初乗船の折以来2度目。旧港周辺、サント・カトリーヌ教会や、エリック・サティの生家(残念ながらこの日は休館だがとりあえず前まで行って記念撮影)などを散策の後、酒屋を見つけてワインとカルバドスを買い込む。その後街中のレストランで昼食。名物のムール貝、カキ、サーモン料理と白ワイン。食後帰船。

しばらく休憩の後、ギャラクシーラウンジを借りて練習。練習終了間際、K女史が飛び込んできて、なんと荷物が今届いているとの連絡。慌てて船外に出て荷物を確認。荷物とともに万歳の記念撮影。中身もすべて無事だった。飛鳥U、午後7時出航。7時45分夕食。夕食後は買いこんだフランスワインで部屋飲み、深夜1時就寝。

5月26日の写真 Part1

5月26日の写真 Part2


●5月27日(水) ルーアン

5時半起床、飛鳥Uでは船内でいろいろなイベントや行事が行われているが、早朝に入港するとき以外は、朝6時半からラジオ体操、7時からストレッチ教室があるので参加してみる。ずいぶん大勢のお客様が参加されている。朝から適度な運動で快適。8時朝食。食後はデッキでウォーキング。

ところでオンフルールからルーアンへはセーヌ川を遡っていくのだが、飛鳥Uは昨夕の出航後一旦外洋に。生活排水などをセーヌ川へ排出できないため、外洋で排出後に早朝から再度セーヌ川の遡上を始める。あいにく早朝から一面の霧で、全く周りの景色が見えなかったのだが、朝食中に一瞬の晴れ間!わずか15分ほどだが美しい景色だった。11時頃にようやく気温が上がり始めて霧が晴れる。

12時にルーアン入港。昼食後、船内のクラブスターズというカラオケバーを借りて練習。

練習後午後3時前、ルーアン散策に出る。飛鳥Uから市内へはシャトルバスもあるのだが、運行時間を外してしまったため歩いて市街地へ(片道30分程度)。ジャンヌ・ダルク教会(中へは入らず)、ノートルダム大聖堂、旧市場広場などを巡って5時半ころ帰船。この日、飛鳥Uのお客様は、夕方からバスでベルサイユ宮殿での晩餐会(!)にお出かけで、船内は閑散としている。6時夕食。その後各自部屋へ。11時就寝。

5月27日の写真


●5月28日(木) ルーアン

7時起床。今朝はラジオ体操はない。8時朝食、食後ウォーキング。午前中にマリナーズクラブで練習。12時半昼食。

この日、シャンソン歌手・佐々木秀美さんの一行が乗船。佐々木さんは、かつてマリオネットがレコーディングでファド「難船」「マリア・リシュボア」(「マリア・リシュボア」はマリオネットのプロデュースCD「Zipangu Fado」にも収録)の伴奏をしたことがある旧知の仲。佐々木さんの事務所の社長K氏はマリオネットがデビューからお世話になった小澤音楽事務所のご出身。再会を喜び合う。

午後2時45分から11回プールサイドでボン・ボヤージ(出航パーティー)、3時出航、セーヌ川を下っていく。風景を鑑賞しながら過ごす。7時45分夕食。その後は各自適当に過ごして11時半就寝。

5月27-28日の写真


●5月29日(金) 終日航海

時差調整のため、午前2時に船内時計が1時間後進。目覚しに使っているスマホを現地キャリアに自動的に繋がる設定にしたままだったため、ドーバー海峡を通った際にスマホの時計も自動更新されていたようで、実際の起床予定より1時間遅く、午前6時半に起床。すでにラジオ体操には間に合わず、7時からのストレッチ教室のみ参加。8時朝食。食後にデッキをウォーキングするも大西洋に出たため波も風も強め、午後からは使用禁止に。

8時50分の船長からの定時アナウンスで口永良部島での噴火の情報。

午前10時半からギャラクシーの楽屋で練習。12時半昼食。午後5時より11階パームコートで、夜に予定されているラウンジコンサートのためのサウンドチェック・リハーサル。本番のコンサートは9時半スタート、30分の予定がマリオネットのペースでゆったりと進行して10時10分終演。10時半から遅めの夕食。1時就寝。

●5月30日(土) 終日航海

5時半起床。6時半からラジオ体操とストレッチ教室に参加。8時朝食。今日も波と風のためデッキでのウォーキングは出来ない。

11時からギャラクシー楽屋で練習。12時半昼食。昼食終わりころに船長からの船内アナウンスで関東地方の地震の情報が。部屋に引き上げ船内でも見ることのできるNHKワールドでニュースを確認。大きな被害がなさそうで安堵。その後自室で雑務。

午後7時、ギャラクシーラウンジでの佐々木秀美さんのショーを観賞。7時50分夕食。

9時半からはクラブスターズでのトークショーにゲスト出演。司会はM氏とK女史。お客様から出される質問に答える形で和やかに進行、30分の予定が大幅に伸びて45分に。最後に1曲演奏して終了。終演後は、M氏・K女史とともにお疲れ様の乾杯・歓談。11時過ぎに各自部屋に引き上げ、雑務の後、午前1時就寝。

●5月31日(日) 終日航海

この日も時差調整のため、午前2時に船内時計が1時間後進。5時半起床だが1時間得した気分。今朝も6時半からラジオ体操とストレッチ教室。8時朝食。12時半昼食、中華バイキング。

今日はギャラクシーラウンジでのコンサート予定のため、1時半から現場で練習、引き続き3時からサウンドチェック・リハーサル。4時半終了で一旦部屋へ引き上げ、6時過ぎに楽屋入り。本番用のステージ衣装もようやく日の目を見て、コンサートも無事終了。

終演後は佐々木秀美さん一行と共に夕食、その後場所を変えて12時頃まで歓談。昔話などに花を咲かせる。部屋へ引き上げ、翌日の下船に備えて荷造り、午前1時半就寝。

5月29-31日の写真


●6月1日(月) ポンタデルガタ−リスボン

午前6時起床。今日は早朝入港日のためラジオ体操は休み。7時、ポルトガル領のアソーレス諸島サン・ミゲル島のポンタデルガタに入港。7時半朝食。その後久々にデッキでウォーキング。

9時半、誘い合わせてポンタデルガタの街に出かける。街の中心部より港の周辺の方が賑わっている。きれいに整備されていて、南国のリゾート地の趣。11時半に一旦船に戻って昼食。

12時50分に各自荷物を持ってレセプションに集合、預けていたパスポートを受け取りいよいよ下船。迎えの車に乗り込み、飛鳥Uのスタッフに見送られて船を後にして空港へ。空港でチェックインを済ませて、一緒に飛鳥Uを下船したテレビ番組プロデューサーK氏(BSで世界のクルーズ船の番組を担当)と歓談しながら搭乗待ち。3時頃搭乗、3時半出発。時差の関係で1時間巻き戻って、6時50分頃リスボン着。今回は荷物も無事に出てきて、K氏とも別れてタクシーで市内のホテルへ。

チェックインを済ませてその足でタクシーでアルファマにある、旧知のルイス&ジュリエッタ夫妻の経営するファドハウス「ファド・マイオール」へ向かう。週末しか開けていない店だが、湯淺が事前に連絡したところ我々のために店を開けて歓待してくれた。夫妻と、店で演奏しているギタリストや歌手も交えて、食事をいただきながら歓談。その後、セッションなどをして深夜2時過ぎまで楽しく過ごす。2年ぶりに聞くジュリエッタの歌声は変わらず素晴らしかった。

タクシーでホテルへ戻り、ホテルのWi-Fiで久々のネット環境の中、メールチェックなどを済ませ、3時半頃に就寝。

6月1日の写真 Part1

6月1日の写真 Part2

●6月2日(火) リスボン

6時半起床。メールの確認や、船内環境でできなかったFacebookへの情報アップなどをして、10時半にホテルを出る。宿泊のホテルはエドワルド7世公園そばで、リベルダーデ大通りを下って、歩いてロシオ広場へ。

この日は、2013年のエストリルとコインブラの演奏会でお世話になった、コインブラ在住のG女史と待ち合わせて食事の約束。11時にロシオ広場で落ち合ってカフェでビッカと呼ばれるエスプレッソを飲みながら歓談、1時半ころ移動して、鳥料理で有名な「ボンジャルディン」へ。料理は、サラダ、鳥のスープ、鳥のグリル、内臓の混ぜご飯などどれも美味、ワインと共に堪能。食後はG女史と共にロシオ・バイシャ周辺を散策、いくつか店に入ってお土産なども購入。5時頃カフェで休憩したのち、6時過ぎにG女史と別れて再び歩いてホテルへ戻る。

8時に誘い合わせてホテル近くの魚料理の店へ夕食へ。ここは、マリオネットのデビュー当時のディレクターだったA氏が、CD「ルジタニア憧憬」のポルトガル録音の折にご贔屓にしていた店。鰯(サルディーニャ)の塩焼きや鯛のグリルなど、どれも美味しかった。食後に散歩がてら、エドワルド7世公園で行われている本の市をひやかした後、ホテルに戻る。11時半就寝。

●6月3日(水) リスボン−フランクフルト(移動日)

午前3時半起床。早朝便のための早起き。お互い不安なため、4時に館内電話で連絡を取り合う。

4時50分にタクシーで空港へ。5時空港着。荷物を預けチェックインをして搭乗口に。7時10分発。機内で簡単な朝食(サンドイッチ)が出る。時差で1時間巻き戻って、11時15分フランクフルト着。往路はフランクフルトでのトランジットで荷物検査などあったのだが、復路は何もなく、次の搭乗口に。2時間強の待ち時間は交代で空港内で買い物など。午後1時過ぎ搭乗、1時半出発。食事、映画鑑賞(「風に立つライオン」を見る)の後、機内消灯、就寝。

●6月4日(木) 関空−帰宅

熟睡できず日本時間の午前4時前に目が覚める。5時過ぎに朝食が出て、7時関空着。預けていた車を受け取り、帰路へ。途中、湯淺が先に降り、8時半頃海井宅着。吉田はここから更に自車で帰宅する。お疲れ様でした。