とりとめなく‥
by miisuke @ Mn.II




 究極ともいえる睡眠不足のなか、意を決して朝から向かったオケの練習。帰り道、心地よい疲労感と脱力感に身をおきながらさまざまな思いにひたっていました。

 マンドリンとの出会いは数年前(過去あまり記憶に残らない出会いは確かにあったのですが‥)。京都府の山深い里、美山町でのマリオネットのコンサートでした。最初の一音からすでに別の世界にひきこまれている自分がいました。マンドリンってこんな楽器やったんや‥と自分の無知を恥じながら帰りの車中ではすでにこの楽器を始めようと心に決めていたのです。

 そして今、ここに至った私がいる‥。

 意識の有無にかかわらず多くの出会いと別れのなかで人生があります。出会いのその瞬間の映像が脳裏に刻まれるような、おそらくそれは自分自身の第六感に左右されるものと思うのですが、そんなある意味衝撃的な出会いをすることが振り返れば過去に何回かあったように思います。そうしてめぐり会えた大切な、人であったり、ものであったり、芸術であったりするわけですが、それらすべてをかけがえのないものとしていつくしみながら生きていきたい。そして年齢を重ねながらそれらを自分のなかで昇華させていき、透明なヴェールのように、ふわっと身にまとい人生の終わりの時まで共に歩いていきたいと思うのです。

 代表やメンバーの素敵な笑顔。100人いると、もうそこは想像をこえた世界です。(私のマンドリンのキャリアは浅く恐らく代表の心を一番痛めさせているであろう!?メンバーの一人ですが‥笑)
 そして、そんな中で心をくだき精一杯力を貸してくださっているパートトップや、経験豊富なこの道の先輩方。しかしそんな心配をおかけしているであろう環境のなかにあっても、ほんとうになんとも居心地よい場所であるのがこのオーケストラの素晴らしいところです。おそらくは代表の懐の大きさ‥やさしさ‥そしてなみなみならぬ決意がこの雰囲気をつくりあげているのだろうと感じています。

 はじめてのコンサートまであと40日あまり。やるべきことは限られていますよね。

 額田女王の詠んだうたがありました。

「熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今はこぎ出でな」

 すてきな船出となりますよう‥‥。





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