5.圧倒的なマンドリン合奏人口

吉田剛士


しかしながら同時に、マンドリン人口、とりわけ合奏人口の多さも気になるのである。
もともと独奏楽器であったマンドリンは、19世紀後半、空前のブームとともに四重奏から次第に編成を拡大し、100人規模の大オーケストラまで出現するに至った。
以来、斯界の本流は合奏にあり、マンドリン人口の圧倒的多数派を占めるのは独奏ではなく、常に合奏の分野であった。今日のわが国においても、学生や社会人を含め、何百という数のマンドリン合奏グループが活動している。これも紛れもない事実だ。「静かなブーム」が続いていると言っても過言ではない。
改めてこの状況を見つめ直したとき、我々がマリオネットとして積み上げてきた音楽世界とマンドリンオーケストラの世界を結びつけることが、興味深く、かつ意義深いことに思えてきたのである。


6.マリオネット、そしてマリオケ