リスボン・ファドハウス情報

ファド素描/バイロ・アルト地区を中心に
文・湯淺隆

1996年の情報です。
現在は出演者・アドレス等変わっているものもありますので、ガイドブック等でご確認下さい。



 ファドを生で聞くなら、まずはバイロ・アルトである。そこには、ファドを歌いギターを弾くことを生業として生きる者の現場がある。上手もいれば下手もいる。マジの演奏もあれば、手抜きもある。そして、バイロ・アルトのファドは、それらを含めて様々に楽しめるのである。だが、バイロ・アルトでアマリア・ロドリゲスのファドが聞けると思って出向いても、おそらく失望するだろう。アマリアの天賦の才は、バイロ・アルトでは聞くことはできない。あるバイロ・アルトのファディスタは言った。「確かにアマリアは偉大。でも、彼女は彼女。私は私」否定も肯定もしない。多少の虚勢を感じなくもないが、その背筋ののばし方は、むしろ気持ちがよい。彼女達は夜毎、見ず知らずの客に芸を売り金を稼ぐ。小さな店では、呼び込みの爺さんが、店のパンフレットを道行く人に配る。「日本人はファドが好きだろう? 自分の店は典型的なファド・ハウスだ。値段も高くない。少しのぞいて行かないか…」大きな店は大概、団体の観光客相手に営業をしている。演奏者にとっても、聴く側にとっても環境が良いとは言いがたい。日本人の団体客などは5人に1人はビデオをまわしている。演奏の合間 には、地方に伝わるダンス(フォルクローレ) が踊られることもある。前の方にいる客などは、ステージに上げられて一緒に踊らされたりしている。さて、今回のレポートは、そんなバイロ・アルトにある幾つかのファド・ハウスを中心に紹介しながら現在のファド状況を素描(スケッチ)してみたい。


★ フォルカド(O Forcado)

 日本人団体観光客が多く利用する。演奏内容はリスボン・ファド、コインブラ・ファド(男性が歌う)そして、フォルクローレとひと通りのメニューがある。曲も日本で一般的に知られたものが多く、アマリアの代表的なCDを聞いているとより楽しめる。ステージには、ガス燈をあしらっており、いかにもという感じ。ダークな赤と緑の照明が雰囲気を盛り上げる。ポルトガルギターは、ジョルジュ・フォンテシュ。かつての名手もずいぶんと太って最近はいささか生彩がないが、日本人にも理解しやすい独特のトーンが瞬間きらめくこともある。衰えたとはいえ、ポルトガルギターの魅力を熟知している奏者のひとりであろう。その相方のギターの若いのが、曲間にE・クラプトンの「レイラ」のフレーズなんかを弾いて、にやけていたが、下手な上にだらしない感じがして印象が悪かった。トイレに行く途中にミュージシャンの楽屋があり、ふと目に入った光景だが、テーブルの上に演奏後のポルトガルギターとギターが無造作においてあり、プレイヤーは皆、背を向けてテレビを見ていた。そうした多少ヤクザな風景には、場合によっては美学を感じたりするのだが、正直言ってその時、私は何か汚れた ものを感じてしまった。


★ セベーラ(A Severa)

 ファドの生みの親、マリア・セベーラにちなんだ店名。ステージはなくフロアで演奏があり、店の規模としては中クラス。客が静かだと音の通りもまあまあ良い。ただ、料理の値段が少し高いかもしれない。私が行った時、隣の4〜5人の家族づれが、一度席に着いたが、メニューで料金を確かめた後、出て行ってしまったことがある。演奏は可もなく不可もなく。フォルクローレのダンスもある。普通ファド・ハウスは、夕食をゆっくり取る位の時間(2〜3時間)が、ひとつのクールで、何人かの歌い手が順番に数曲を10数分の休憩をはさんで歌う。現場の実感で言えば、食事中ふと気づけば、また演奏をしているという感じだ。だからどの店へ行っても、大概、演奏が少ないと感じることはない。この店の1クールの締めくくりは、出演者全員で歌うファド・モラリーアだ。ファド・モラリーアは、ファド・カスティッソ(定型ファド)の最も基本のファド。主にGかAのキーで演奏され、ポルトガルギターが特徴的なピッキングをする。曲は2コードの単純な繰り返しで演奏され、曲の善し悪しは歌手の節まわしの出来いかんで決定される。私はこういうタイプの曲を聞くと、ファドというのはある 側面で圧倒的に歌のテクニックだと感じることがある。俗にファドは魂の叫びだとか、感情のおもむくままに歌われるなどと言われるが、その側面だけを強調するのは実に安易な理解だと言わねばなるまい。さて、セベーラの最後、全員参加のファド・モラリーアは、合唱ではなく歌手たちが店の隅々に陣取り、順番に1コーラスを歌いまわしてゆく。簡単な演出だが、これはなかなか楽しい。必聴は、なんとその時にしか歌わないドア・ボーイのお爺さん。聞いたことがない声だと振り向くと、店内入口の扉を半開きにして歌っている。驚いたことに実にその声と節まわしが、我が敬愛する名男性ファディスタ、故・アルフレッド・マルセネイロそっくりなのである。そのしわ枯れたのどは、使い込んだ職人の道具のように柔らかい丸みをおび、濡れる様なテリが出ている。個人的趣味と意外性とワインの酔いで、多少ヨイショだが、芸がこういうふうに枯れてゆくのを見るのは、実に嬉しく、かつ励まされる。


★ マシャド(Machado)

 内容はひと通りのものだが、目玉は何と言ってもポルトガルギターが、アマリアのバックギタリスト、カルロス・ゴンサルベスであることだ。私が初めて聴き、そして見たポルトガルギター弾き。アマリアと来日したおり楽屋を尋ね、弦を変えてくれたのが最初の出会いだ。少し老けたが、まだまだ腕は確かである。なかなかの男前で、ポルトガルギターを弾く姿が最も絵になるひとりである。彼の弾くポルトガルギタ−は、アマリアの録音に多く聴くことが出来る。従って、世界で最もポピュラーなポルトガルギターの音といえば彼の音色ということになる。マシャドでは、カルロスがメインの演奏コーナーがある。司会が大ぎょうに前口上をし、彼がポルトガルギター弾きの中でも特別であることを強調する。演奏は店内が広いので、少々迫力に欠けるが、充分に聞こえる。ただ、残念なのは、しばしば客がうるさい時があることだ。カルロスの弾くポルトガルギターのフレーズは、いわば直感型天才のなせる技で、特にアマリアの録音の際にその異才は輝きを放つ。毎晩、長時間演奏をするマシャドの様な所では、そのフレーズも無難なところへまとまりがちだが、それでも演奏の切れ味は変わらない。 ファドを世界に広めたアマリアの天才が、やはり型にはまらないカルロスのポルトガルギターを求めたのは納得がゆく。マシャドでは、もし運が良ければ、走りだしたら止まらないポルトガルギターを聴くことができるかもしれない。


★ ファイア(Faia)

 実に落ちついた店で、高級感が高い。歌手も実力派が揃っている。最後に出るレニータ・ジェンティルはなかなかの美人歌手。歌もすこぶるダイナミックだ。彼女のコーナーはずいぶん長く、約30分程あり他の歌手とは別格扱いだ。今まで座っていたギタリスト達も彼女の伴奏の時だけは立って演奏をする。ぐんぐん盛り上がってくるステージングは客席を熱くさせ、スパニッシュに近いエネルギーすら感じさせる。聞いた後はじっとり汗ばむ様な興奮が心地良く、クオリティーの高いプロの仕事に触れ、元気を分けてもらった様な気になる。ポルトガルギターのヒゲの紳士マヌエル・メンデスの伴奏は歌いやすいと定評がある。彼のギターは自作でコインブラタイプ。ヘッドのところが涙のしずくの様な型をしている。コインブラタイプは調弦がリスボンタイプのものより1度低くなるので、はりつめた繊細さには劣るが、ダイナミックで輪郭のはっきりしたトーンが出せる。彼はその特徴をよく生かし、整理された知性的なフレーズを弾く。器楽奏者としての高い能力と品位を感じるマヌエルの演奏は名手の名に恥じないだろう。相棒のギター弾きの演奏は、曲をベーシックなところから大きくとらえポ ルトガルギターを的確にフォローする。少々重めのリズムも良い。若い兄ちゃん風だが弾いている横顔はなかなか良い。実はこの店には少々個人的な思い入れがある。休暇でポルトガルに来られていた「清河への道」のあの"新井英一"氏とセッションをしたのである。新井さんとは、まだお付き合いは浅いが、映画「エイジアン・ブルー 浮島丸サコン」で我々マリオネットがサウンド・トラック、そして新井さんが歌のシーンを担当されて以来、親しくさせていただいている。石作りの店内で新井さんの声は痛快に響いた。曲はなんと「サマータイム」と「リンゴ追分」。店にいた者が皆、仰天したのは言うまでもないだろう。さてその時、新井さんはすでに幾つかファドを当地で聞かれていて、その歌い方についていろいろ意見を交わすことになった。忘れがたいのは、"声がどこから出ているか"という下りだった。かつて新井さんは、何かのインタビューに答えて、「最近自分の声は骨から出ている様な気がする」と言われたことがあったが、この観点から歌(表現)を見ると実に厳しい評定が下る。甘えのない本物の感性に私は勇気づけられ、その夜はインスピレーションに満ちたも のになった。ところで新井さん、いつか僕のギターの音が"骨"から出るようになったら、「日本のファド」をつくる為に新井さんの声を貸して下さい。お願いします。


★ アデガ・ド・リバテージョ(Adega do Ribatejo)

 ここは凄い店である。ある意味で必見である。店は50人も入れば一杯になるポルトガルの典型的な大衆レストラン。奥に厨房があり、調理をする大きなエプロンのおばさんが見える。そこが夜になるとファド・ハウスに早変わりするのである。出てくる歌手達はなんとなく小汚なくて少々インチキ臭い感じがする。ある歌い手などは客引きや、店内への案内係を兼任しているので、歌っていてもキョロキョロして少々落ち着きがない。入口付近にドカっと座る巨漢のファディスタはまるで怪しげな占い師の様だ。ちょうど、食事のあと平気でつま楊枝で歯をシーハーハーとやりそうなおばさんである。圧巻は、厨房のエプロンおばさんで、実は彼女も歌うのである。自分の番になると、汚れたエプロンで登場し、便所の前のフロアーステージで歌う。注文が混んでいる時などは、やはり厨房の方が気になるのか落ち着きがない。ギタリスト達はもうずいぶんと高齢だろう。ポルトガルギターの方は長年のキャリアを感じるフレーズを弾いているのだが、そもそも楽器が悪いのか弦が古いのか、ボディーの中に綿でも詰めた様な音しか出てこない。相方のギターも言わば手慣れた弾き方なのだが、音楽をしてい るという喜びの眼光は一切なく、悪く言えば、痴呆に近い眼差しだ。ただ不思議に指は間違いもせず動き続け、演奏が終わるとニコリともせず店の外へ休憩に行ってしまう。なんだか二流の見せ物小屋に来ている様な気にもなる。つげ義春ファンの我が相棒・吉田剛士は、その風情に感激しこの店には何回も足を運んだ。私も日本から来た友人に何度か紹介したが、ある意味で評判は悪くない。


★ ノノ(Nó Nó)

 ファドだけの小さな店。20人も入れば一杯か。皆、ファミリーな応対で演奏者とも気軽に話せる。ちょっとした穴場かもしれない。男性歌手のアントニオ・ローシャはリスボンでも有名な歌手だ。のびのある声は、歌の頂点に来ると気合が入り聞く者の感情を必ず何処かへ持ってゆく。母音をのどでふくらまし、子音を鋭く発音する為か、メリハリがしっかりして歌が聞こえやすい。表現もデフォルメ過多の一歩手前で品よく音楽になっている。いい歌手だと思う。ポルトガルギターは、テクニック的に切れるとは言えないが、音楽をよく理解している奏者だと思う。たぶん彼の中では、きちんとした音が鳴っているのだろう。


★ ルーソ(Luso)

 おそらく最も大きく立派な店だろう。余り立派すぎて、私は営業前に少し中を見学させてもらうだけで帰ってきた。ポルトガルギターのエドガー・ノゲイラは早弾きの名手で、「トルコ行進曲」や「チャルダッシュ」を弾いたりする。独特なセンスの持ち主で、中が透けるプラスチックケースでポトガルギターを持ち歩いたりする。ポルトガルギターもいいささか装飾過多ぎみ…。ポルトガルギター生誕二百年のイベントの際、我々のあとにソロ演奏をしたのだが気合が入りすぎて何を弾いているのかよくわからなかった。ギターはレロ・ノゲイラ。的確なリズムを刻む、ノーマルなギター。アマリアのバックで来日も多い。マリオネットのレコ−ディングの際に彼のビオラ・バイショ(ベースギター)を借りられないかと打診をしたのだが、レンタル料が高いので断念した。やはり日本人価格なんだろうか…?


★ グレミオ(Grémio)/98年に閉店しました

 実はファド・ハウスではない。いわゆるバーである。ここは、やはり新井さんとセッションした忘れがたい店。シャレタ内装で、日に一度は"新井英一"と"マリオネット"がかかる。スタッフも皆なかなか好青年が揃っている。バイロ・アルトのもうひとつの楽しみ方は、こういった若い人が集まるバーめぐりである。こういう場所とファド・ハウスが隣合わせにあるところもこの街の魅力のひとつ。ところで、考えてみれば歌手・新井英一がバイロ・アルトに来て「サマータイム」と「リンゴ追分」を私の弾くポルトガルギターで歌うという状況は一体何を象徴しているのだろうか?音楽に国境はないという。然り。だが表現形態にはお国がらは当然出る。が、そこで自らのルーツに深く根ざした物真似でない表現どうしが響き合えば、新たな生命感のある表現がきっと立ち上がるだろう。将来、ひょっとすると新しいファドは、こんなバーから偶然生まれるのかもしれない。ちなみにこの店は、隣がレストランフロアーになっている。ヨーロッパ圏の無国籍風といった味で、どの皿も皆うまい。バーは閉まっていても、中に人の気配がする時は営業中。ただ気に入らない客は断ってしま う。マリオネットのCDジャケットを持って行くと入れてくれるかもしれない。


★ セニョール・ヴィーニョ(Sr.Vinho)

 この店はバイロ・アルトではなくラパ地区(LAPA)にある店。マリア・ダ・フェーが歌うリスボンでもトップクラスの店。フォルクローレダンスはなく、ファドのみ。少々値ははるが、料理も美味しく演奏も良い。マリア・ダ・フェーはポルトガルでもアマリアに次ぐ実力派だ。一体、何処から出ているんだろうと思う程、凄い声を出す。その声を聞けば努力ではどうしようもない生得の才能が、厳然とあるのだと納得させられるだろう。彼女とは、日本大使公邸での私達のサロン・コンサートの際知り合った。私達がアイ・モラリーアを弾き始めると、彼女は席を立ち私達の方へ歌いながら出て来た。突然のことであがってしまい無茶苦茶な伴奏になってしまったが、忘れがたい思い出になった。在ポ中この店では、アカデミア・ギターラ・ポルトゲーザ・イ・ドゥ・ファドの例会が一度あった。私はゲストで3曲程弾いたのだが、折り悪く吉田が帰国してしまった後でギター伴奏を、ここの店の歌手でもあるジョルジュ・フェルナンドに頼んだ。彼は作曲家でもあり、アーティストとして高い能力がある。私が一人でリハーサルしているうちにすぐ伴奏をつけ、あっという間に曲をメモリーしてしまった。歌 も上手いし、ギターも実に器用、作曲のセンスもいい。おまけに長身の男前ときている。いつか是非一緒にやりたい男だ。


★ ジョアン・ダ・プラッサ〈クルブ・デ・ファド〉 (João da Praça)

 この店もバイロ・アルトではなく、アルファマ地区(ALFAMA)にある。古い建物なのだが、重厚な石壁に囲まれ美しくリフォームされた店内は、逆にある種のモダンさを感じる。一言で言えば、オシャレな店だ。この店をしきるのは、ポルトガルギター弾きのマリオ・パシェコ。ギタリストというより実業家風の大男だ。サービス精神旺盛でいつも笑顔をたやさない、ギター弾きにはめずらしいタイプである。演奏の方は実にノーマルで明解。歌手達は新人も多く、若い女性の歌うファドが聞ける。若い声で歌われる、さわやかなファドも初々しく決して悪いものではない。難点は店内が響きすぎ、ちょっとしたノイズでも耳障りに感じることだ。


★ カザ・ド・ピメンタオン (Casa do Pimentão)

 この店はずいぶんと郊外にある。リスボンから車で約1時間。行き方は説明不能…。ここはいつもは普通のレストランで週末だけファドが催される。私はアソシエサオン・ポルトゲーザ・ドス・アミーゴ・ド・ファドの会合の際、会長のルイス・デ・カストロ氏とその御婦人ジュリエッタのお二人に連れて行ってもらった。歌手はこの店のおかみさん、そしてのど自慢に来る友人知人、近所の人達。ポルトガルギターはダンナさんとそのグループ。このご夫婦いわばファドおたくで、店のそこかしこにファド・グッズが飾ってある。すぐ近くに同じ経営のドライブインがあるのだが、その壁には歴代の名ファディスタの写真やら新聞の切り抜きなどが、額に入れて吊ってあった。日本で"ファド"をやっていると言えば、その稀少な立場のみが注目されうっかりすると内容は不問にふされたりするが、ポルトガルでは当然その層は厚く、逆に言えば様々なレベルでファドを楽しむことができる。おそらく、こんな人達がこの国には何人もいて、ファドはごく自然に愛されているのだろうと思う。さても、アジア人ポルトガルギター弾きに、ご当地では皆何処でも好意的であるが、それはいわば客人であ るが故、自身の立場を見失ってはなるまい。  さて、今回はバイロ・アルトの代表的なファド・ハウスを入口にしてファドの一側面を素描してみたが、ポルトガルではファドはまだまだ様々な所で千差万別の形態をとり、演奏されている。ファドは人々の生活の内側までしみ込み、日常となっており、その状況を端的に記することは、大変難しい。またの機会、別の角度からファドを素描し、より興味深い分析にたどりつけばと思う。まずは、これにて。


※ バイロ・アルト地区はリスボンの中心街、ロシオ駅の裏手にある。

※ 尚、ファド・ハウスは予約して行くのが望ましい。
  料金は、高い店でミニマムチャージ3500エスクード(約2500円)位である。
  入店する前に確かめることをおすすめする。

※ 地図は目安として参照されたい。
  縦の筋は大概問題ないと思うのだが、横の筋が結構細い通りであやふやな点もあるので注意。


〈FADO HOUSE〉

◆ BAIRRO ALTO (バイロ・アルト地区)

★A SEVERA

Rua das Gaveas,51-61 1200 LISBOA  Tel:3428314/3461204 Fax:3464006

★FAIA

Rua da Barroca,54-56 1200 LISBOA  Tel:3426742/3421923

★LUSO

Travessa da Queimada,10 1200 LISBOA Tel:3422281

★MACHADO

Rua do Norte,91 1200 LISBOA  Tel:3460095/3428713 Fax:3467507

★O FORCADO

Rua da Rosa,221 1200 LISBOA  Tel:3468579 Fax:3474887

★NÓ NÓ

Rua do Norte,47-49 1200 LISBOA  Tel:3429989

★Adega do RIBATEJO

Rua Diário de Noticias,23 1200 LISBOA  Tel:3468343

★GRÉMIO (Bar&Restaurante)

Rua do Grémio Lusitano,18 1200 LISBOA   (ESQUINA COM R. DIARIO DE NOTICIAS)  Tel:3468868

◆LAPA(ラパ地区)

★SR.VINHO

Rua do Meio a Lapa,18 1200 LISBOA  Tel:3972681/3977456 Fax:3952072


◆ALFAMA(アルファマ地区)

★João da PRAÇA

Rua S.João da Praça,92194 (Junio a Se) 1100 LISBOA  Tel:8882694/8852704 Fax:8882694