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99.02.19 日本語練習帳 ![]()
大野晋氏の『日本語練習帳』(岩波新書)が評判だそうです。発売後10日で3万4千冊の在庫が底を突いてしまったといいます(99.02.10「NHKニュースおはよう日本」)。 安政条約によってフランスやイギリスは日本に軍隊を駐留させる権利を得ていたし、日本の裁判所は外人に対し裁判する権利がないものとされていたし、また日本の国内産業の死活を制する輸入関税率も日本自身で決定することはできないことになっていた。(川島武宜『日本人の法意識』)
大野氏によれば、「フランスやイギリスは」という問題の答えが「得ていた」、「日本の裁判所は」という問題の答えが「されていた」、「決定することは」という問題の答えが「できないことになっていた。」であるとされます。 アンゴラのスポーツは、もっぱらサッカーに関心が集まっています。(「アトランタオリンピック開会式」NHK 1996.07.20 AM.11:00)
大野氏の分析をまねすると、「アンゴラのスポーツは(問題)→集まっています(答え)」となってしまいます。これでは理解ができない。「関心が集まっています」としても不十分だ。やはり「もっぱらサッカーに関心が集まっています」全体を取らなければおかしい。その上で、さらに構造を分析してゆくのが順序です。 ![]()
「結びの一句」というのはあいまいな概念でしょう。いわゆる「主語・述語(主部・述部)」の「述語(述部)」の概念と混同があるのではないでしょうか。主語を受けるのはたしかに述語だけですが、「……は」を受ける部分は、その下全体と考えないと、文の意味は取れないのです。 |
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