終わって見れば何とも決定的な5馬身差でした。皐月賞では展開と馬場に苦しみ、思わぬ3着となった五十嵐弟スペシャルウィークは、それでも、その素質の高さが信頼を集めたか、ダービーでも1番人気。レースはキングヘイローが逃げるという意外な展開となり波乱含みかとも思われましたが、直線ではどこからでも馬群をさばけるという余裕の脚色。死にものぐるいでキングヘイローをつぶしたセイウンスカイを、まさに一瞬にして置き去りにし、一頭だけ全く次元の違う競馬で、世代最強をアピールしました。2着にはBRA軍団の人気薄めいりんボールドエンペラーが後方一気の強襲。最後の最後で決して早熟型では無いこと、リアルシャダイは馬鹿にできないことを証明しました。大挙出走したBRA軍団は藤原兄ミツルリュウホウ・西山弟メジロランバート・喜多ディバインライト・藤原弟タヤスアゲイン・五十嵐兄エモシオンが5〜9着に4馬身の着差でなだれこみ、会員の中には思わず「そいつをかわせっ!」と叫んだ方もいるのではないでしょうか。人気の方もこの5頭は6〜10番人気に行儀よく並んでおり、結局は、今シーズンの馬主1・2位の所有馬が1・2着で、そこから少しあいてダンゴという、紛れがありそうで実は極めて順当に収まった今季を象徴するようなダービーでありました。
まずは今季の総合成績を発表致しましょう。
優勝:五十嵐弟(ゴールデンボーイズ)初
準優勝:めいりん(プアピープル)
3位:BASSI(アットホーム隊)
優勝軍団:プアピープル・241.7%(野田・萩原・工藤翠・青木・若松・めいりん)
準優勝軍団:アットホーム隊・209.7%(西山兄弟・BASSI・西原ヘリオス・ワカバノボル・アットホーム法人)
3位:ゴールデンボーイズ192.4%(五十嵐弟・金光・クリスS・石黒・梶川)
最多出走馬:スエヒロコマンダー・16走 飯田(プロ軍団2)初
最多出走馬主:めいりん・56走(プアピープル)初
最大着差勝利:グランジャー・2秒5 若松(プアピープル)初
最大着差敗戦:シルクアクター・16秒6 飯田(プロ軍団2)初
記録的には、めいりん・五十嵐弟・BASSIという個人の活躍が、そのまま軍団対抗戦の結果にリンクしており、そういう意味でも順当な結果の1年だったのではなかったかと思います。では、順位をおって見ていきましょう。
参加2年目で早々と栄光を手にした五十嵐弟。ルーキーの昨年はサイレンススズカ、マチカネフクキタルという後のG1クラスを有しておりましたが、デビューの遅さとアクシデントで優勝争いにはからめませんでしたが、本年は12月にデビューしたスペシャルウィークがきさらぎ賞・弥生賞と圧倒的な強さを見せ、冒頭にも記したようにダービーも圧勝。最後の最後で首位に躍り出ました。おめでとうございます。
デビュー済馬中心のラインナップで開幕直後からトップに立ち、途中深尾の挑戦を退け、あと一息というところまで粘り通しためいりんが準優勝。ボールドエンペラーの活躍だけでなく、マイネルメッサ−も重賞戦線で活躍。一方1頭平均10走を越える56走という不滅の記録をうちたて最多出走馬主の栄誉も獲得して大満足の1年。
3位はクラシック戦線突入と同時にマックスキャンドゥが大活躍し、両トライアルに勝利したBASSI。本番では勝てませんでしたが、是非ローズSでTR3冠の記録に挑戦してもらいたいもの。トウショウノアも2連勝で秋に期待は続きます。昨年28位からの大幅上昇。
4位は昨年暮まではダントツの優勝候補だった深尾。4戦4勝のグラスワンダーは、世代ナンバーワンとも言われており、エルコンドルパサー・スペシャルウィークとの対決が今から楽しみです。リタイアは本当に残念でしたが、札幌記念で復帰予定。目標はもちろんJCでしょう。こちらも昨年26位から20人抜き達成。
5位は2年連続で藤原弟。タヤスアゲインが途中骨折休養をはさみながら、青葉賞を含む5勝をあげて貢献しました。兄弟で激しい順位争いを繰り広げましたが、今年もまた軍配は弟に。サンプレイスもデビュー2連勝と目立ちましたが、まだまだ線の細いタイプで秋以降が勝負でしょう。
またしても、悲願達成ならず。3頭持ちとしては大健闘と言える活躍をした藤原兄ですが弟に先着ならず6位。最後にミツリュウホウがダービー5着でなく、4着であれば逆転していました。それでも3頭で6勝ならば十分か。マイネルクラシックが交流重賞勝ち。
7位はクリスS。大幅アップで獲得したアグネスワールドが期待通り重賞2勝。しかし、休養あけの朝日杯4着・シンザン記念2着と調子が出たところで、無念のリタイヤ。やはり走ってくれないとどれほどの名馬でも勝てないですね。それでも4年連続ベストテンは立派。残っている課題は優勝だけ。
8位はベストテンの常連広瀬拓。期待のビワタケヒデが最後に特別勝ちで秋へ期待をつなぎましたが、青葉賞・プリンシパルS連続除外は相当にショックだったか。ヤマノセンプーがクラシック戦線で活躍。オークスでの競走中止は残念。
9位は幡鎌。マイネルラヴは結局重賞勝ち無しでしたが、重賞戦線で健闘。ある人がこの馬を評して「さされるわけがない状態からさされてしまう」と言ってましたが、言い得て妙。昨年はダイナースキッズの足を引っ張ったと酷評されましたが、今年は思い切り言い返してください。
10位は遂に5年連続のベストテンとなった五十嵐兄。ただただ素晴らしい記録。どこまで続くかが見物です。エモシオンが皐月賞4着・ダービー9着とまずまずの成績。加えてアドマイヤサンデーもオークス出走を果たしており、今年もハッピーでした。ただし狂乱の入札の影響で、収支はアンハッピー。
11位。ああ、惜しい。5月までベストテンをキープしていた鈴木ですが、最後は五十嵐兄の執念に敗れたか。何と言っても5万BCUのパルシファルの事故、これにつきるでしょう。不動の4番にストームティグレスらの機動力をからませるというオーダーそのものは間違っていなかったと思います。捲土重来。
12位は饗庭。昨年も11位でベストテンにあと一歩。ダイワリプルスが活躍しましたが、如何せん今年のマイル路線は余りにも厳しかったか、それでもしっかり3勝。ファイナリーが14戦で、にぎやかな1年でした。
13位はサラトガビューティ1本の広瀬泰。昨年の夏の盛り上がりから考えると、最終成績はやや不満かも。大期待のロードメイプルのデビューが余りにも遅かったか。
14位、飯田は成績はそこそこながら、スエヒロコマンダーが16走で最多出走馬タイトル獲得。馬主としても50走達成で、めいりんの記録的な記録(どいう表現じゃ)がなければ十分タイトルレベルでした。こんだけ走りゃ十分だね。シルクアクターの最大着差敗戦もあるし。
馬劇オーノは16位。メガヒットが一瞬これはと思わせましたが、伸びきれず。タヤスツヨシの弟ジンガロも能力の可能性を感じさせるところまででおしまい。しかし、昨年29位から見れば大幅なジャンプアップ。来季はもう1ランク上を狙って下さい。
17位、太田。ルーキー・2年目あたりの勢いからするとやや伸び悩みを感じさせる成績。オルテンシア・モンテクラウンと素質を感じさせる素材はいましたが、そこまで。ダンツナイキが2勝め以降休養してしまったのが残念。
昨年のチャンピオン中嶋は、予想通り18位まで落下。18位とはいっても最下位長谷川より10万BCUぐらい収支は負けてます。これだけ良血そろえて、2勝したのがシンコウシングラーだけとは…。まあ、今季についてはほとんど自殺行為でしたね。
新加入の西山弟はいきなり兄を超える19位。しかも、この着順でも収支はプラス!メジロランバートの青葉賞2着とダービーでの追い込みで十分楽しめたのではないでしょうか。
20位は小林。なんかこのあたりの順位に落ち着いてしまった感あり。サクラナミキオーが5月にやっと未勝利脱出というあたり、過去数年同じパターンのような気が…。トニービンのデビュー勝ちで注目度大と、昨年編集子がコメントしたチアズトニーが全くの不発で、地味な1年でした。
女王様・土田がとうとうズッコケ。21位。かろうじて3勝ながら、特別とか重賞とか論じられるレベルからはほど遠く、全く不本意な1年。いよいよ「土田」血統と決別する時が来るのか?
22位若松は、それでも昨年より10ランクアップ。グランジャーは1勝馬ながら、8戦全て3着以内だし、2秒以上ぶっちぎって勝ったりで、相当に奥がありそうです。アレミロード産駒で秋が楽しみ。
23位はルーキー石黒。ジュビレーション・キャットアンドッグと2頭が勝ち上がったものの、500万でもまだ家賃が高い状態で、むしろ未勝利ながらタイキサザンクロスのほうが先々は上か。それにしても、ここでまだ下に17人いるとは…。
24位は昨年3位から急降下・ワカバノボル。ヤマニンドレープの代替馬・チャッターリップスが2勝。これがなけりゃ、あんた38位相当ですよ。いや、マジで。ま、クラシックに片足乗ったというところで、良しとしますか。
25位は及川。昨年より10ランクダウン。ジュネスがかろうじて1勝。ジュネス・ジンデンアスカが未勝利でともに10番人気で2着して馬券で追っかけてりゃ儲かっていたのでは?
26位は西原ヘリオス。コウエイバロンが交流レースまで出かけるなど、頑張りました。期待の外国産ゲインフルマークのデビューが遅かったか。同じキングマンボならエルコンドルパサーとるべきだったよねぇ。
27位。おお、福田尚。昨年2位からここまで落ちたか。タイキシャトルの弟は遂にデビューせず。まあ、タイキですから。藤澤ですから。フサイチトマホークも1勝したらとっとと休養。まあ、小林稔ですから。
28位。弟に大差で負けた西山兄。ランニングゲイルの弟・シーズマンは結果的に間違った選択ではなかったと思うが、他がひどすぎました。5頭で11走というのも苦しかった。
29位は金光、昨年ベストテンへあと一歩ということで、今年はかなり気合いが入っていましたが、あえなく墜落。フサイチコンコルドの弟ミラクルアドマイヤも、さすがに3月末デビューでは奇跡は起こせませんでした。
30位、青木。一応5ランクアップ。全8走じゃねぇ。ま、今年は最下位脱出を祝いましょうか。プロペーテスが函館に参戦中です。応援して下さい。
31位、天才転じて凡人の工藤翠。昨年とぴったり同順位。しかし、2頭持ちなら、こういうこともあるし、収支もそんなに悪くないので、こういう楽しみ方もあるという見本ですね。
32位は野田なのだ。って笑ってられないす。小林に輪をかけて、このあたりの順位に居着いちゃってますよ。サクラリビエール・トウカイキャプテン・ヤングトニー。どうして走らないのかわからん。
33位。佐々木規。新婚だろうが何だろうが成績不振。唯一チャンスだった代替馬のワールドカップが、ザキングの再登録で抹消されたのが、最大の事件。
34位。まさに冬の時代を迎えた浅井。今年はどうする。チューシテマリーが、ちょこっとだけ期待させておしまい。やっぱダンシングキィで勝負するしかないんじゃない。キングフラダンスとかさ。
35位は梶川。新人には辛いBRAの壁でした。キラリヒカルがそこそこ。サンクスメモリーが1勝。とはいえ、交流戦ではレースも見られなかったのでは?
36位。ありゃまあ。一昨年チャンピオン宮崎夫はここ。ま、安定感の無いタイプですが、年間通じて4頭持ちで2走はひどい。3頭デビューしてないし…。アーサーズフェイムはミラクルタイムに勝ってんだけどねぇ。
37位、長谷川。最終週まで賞金ゼロという状態でしたが、最後の最後でジェイズジュエリ−が未勝利3着2ランクあげて最下位脱出。ま、それがどうだということもないけど。
38位、ブービーは萩原。3ランクダウン。合掌。なんとこちらも最終週のエーピージェリカ未勝利4着で宮崎妻を交わしました。これも、だからどうしたということもないけど。
39位、一覧表ではアットホーム法人が40位ですが、記録上は宮崎妻がドンベです。昨年ベストテンから29ランクダウン。以前準優勝した翌年も似たようなことになってました。それでも収支は17位だからいいんじゃないの。2頭持ちでローリスクの趣味という感じだし。しかし、最後の1日(6月14日)でドンベになったというのは納得いかんものがあるのだろうか。ま、そのおかげか6月15日には子供が無事に産まれたから厄落としになったと思えばいいか。
というわけで、総評としては上位・下位の差が結構ついた年でした。最後にダービー取って、BRAとしては格好がつきましたかね。さて、すぐさま98年度のエントリー開始です。例年通り添付の規約をよーく読んで、エントリー用紙に記入して、原則的に手紙で出して下さい。どうしても間に合わない場合のみ、口頭エントリー・FAXを認めます。添付の競馬ブックリストに無い馬を選ぶ場合は、父母と性別を必ず記入すること。価格は価格算出基準に記載してあります。アップ額の欄には「いくらあげる」という金額を記入すること。お代との合計額は書かないでください。それからできるだけ補欠欄は埋めてください。本指名の競合が厳しくなっております。7月3日(金)にエントリー大会を添付の会場にて行います。会場費はだいたい5000円以内です。会場18:30、エントリー開始19:00となっております。エントリーは前日までに必ず事務局必着でお願いします。当日会場持参でもOKですが、時間厳守でお願いいたします。
PS:登録場成績一覧表の萩原の賞金額が510BCUになっておりますが、1280BCUの間違いです。また決算報告の賞金額合計が770BCU間違っておりますので、その分次年度繰越が変更になります。間違いを発見したのですが、印刷が間に合いませんので、未修整のまま発行します。