末脚不発。スペシャルウィークは届かず。

BRA Throubred Club Owner's Guide '98 May No92

死角はないと思われた五十嵐弟スペシャルウィーク。もし死角があるとすればきさらぎ賞・弥生賞とばらけた馬群を割る競馬をしてきて、断然の人気の今回、外を回る横綱相撲を狙った時、万が一にも大きなロスがないかという点でしたが、そのわずかな弱点が思い切り暴露されてしまいました。圧倒的な人気を集めた皐月賞、大外枠は最近ではむしろ絶好枠とまで言われており、スタートは今ひとつでも外から追い上げられる分、逆に有利かと言う雰囲気でした。ところが、今回の行きっぷりが悪いのなんの。脚を余して負けることをよしとしない武豊ですから、当然前半おかれている分、3コーナーからのしをつけて追い上げますが、この時点でも前2走と比較して素軽さがありません。4コーナーでは一気に先行するキングヘイローに並びかけますが、直線では逆に差を広げられて完敗。4着以下との着差から、1・2着馬の強さをほめるべきという意見もあるでしょうが、あの脚色はダービーに向けて大きなクエスチョンマークになったことは確かでしょう。五十嵐兄エモシオンは内をついて4着。切れるタイプではないため、今のところ逃げたほうが良いのかも。喜多ディバインライトが5着。めいりんボールドエンペラーが6着。今回の皐月賞では差し・追い込み勢ではこのあたりが限界でしたね。藤原弟タヤスアゲインが7着。成長力に疑問ということだったのですが、青葉賞では敢然と先行して見事に優勝。これを東京向きととるか、それとも青葉賞のレベルに疑問、ととるかは難しい判断です。

その青葉賞で大きな変わり身をみせたのが西山弟メジロランバート。直線たてなおす不利がありながら、猛然とタヤスアゲインを追いつめた脚はみどころ十分。10番人気で万馬券の立役者となり、「忘れた頃のBRA馬券」の破壊力を思い知らせました。上積みという面から、むしろ注目はこちらのほうかも。広瀬拓ビワタケヒデは青葉賞・プリンシパルS除外で500万条件すら勝ちきれず、福田フサイチトマホークや金光ミラクルアドマイヤも間に合わない状態で、ダービーはすぐそこまで。世間では皐月賞上位3強の戦いといわれていますが、個人的には今年の3強はTTGはもちろん、ビワハヤヒデ世代とも力の差があるので、本番はおおいに紛れがありそうだし、そういう意味ではBRA軍団にもつけいる余地は十分にありそうに思います。

牝馬戦線ではBASSIマックスキャンドゥがロンドンブリッジを競りつぶしにいって、桜花賞5着。実際、もう少し控えていれば、ロンドンブリッジ1着−マックスキャンドゥ2着という結果もありえたように思います。牡馬とは違い、今年の牝馬は最強世代。ダンツシリウス・エイダイクインという桜花賞の1・2番人気がリタイアしてもなお、オークスがハイレベルの混戦という評価になっているのが凄いところ。マックスキャンドゥはオークスTRで無理に逃げなくても競馬ができ、34秒台の決め手を発揮できることを証明し、不振のトライアル勝ち馬ではありますが、本番へ期待を高めました。キンググローリアスだけに底力は疑問ですが、オークスはノアノハコブネ・ライトカラ−・エイシンサニーといった底力一息の馬が勝つレースなので、ロンドンブリッジに距離不安があるだけに有力でしょう。広瀬泰サラトガビューティ・広瀬拓ヤマノセンプー・五十嵐兄アドマイヤサンデーといった2勝組は状態・距離・キャリアといった泣き所をかかえており、掲示板までというのが正しい評価ではないかと思われます。

シーズンも大詰め。軍団抗争では首位を走るプアピープルを、アットホーム隊が凄まじい勢いで追いかけています。一方、私は出張でオークスが見られません。トホホ。忙しすぎて一覧表は断念。成績は次号で完璧版を出すのでご勘弁を。自分の成績を見たいかたは是非ホームページにアクセスしてください。では、駆け足ながら。またね。