桜はここ数日が見頃、久々に桜吹雪の中で行われる桜花賞が見られそうです。牝馬戦は史上空前の混戦、しかもハイレベルというのが世間の評価で、これは筆者も全く同意見。シスタートウショウの時とシャダイソフィアの時が、これまで一番混戦でかつレベルが高いと思っていましたが、今年はそれを超えるメンバーが揃いましたね。
その有力候補の一頭がBASSIマックスキャンドゥ。休養明けを3連勝。トライアルでは無理にハナに行かなくても大丈夫ということを証明し、タイムもチューリップ賞・アネモネSと比較して極めて優秀。スケールの大きさでは他の有力馬に一歩譲っても、器用さと完成度で上回っていると思われます。BRAの牝馬軍団は広瀬泰サラトガビューティ・広瀬拓ヤマノセンプー・鈴木プリンセスカーラ・ワカバノボルチャッターリップスといった二番手グループがトライアルで勝負付けが終わっているため、楽しみはマックスキャンドゥ1頭ということになりそうです。
逆に楽しみな馬が多いのが牡馬戦線。もっともこちらは史上空前の低レベルで、相対的にBRA軍団が押し出されているという見方もあるかもしれません。その中で1頭、群を抜いているのが五十嵐弟スペシャルウィーク。きさらぎ賞快勝に続いて、唯一クラシックレベルのトライアルとなった弥生賞へ挑戦。直線で誰もがセーフティリードと思ったセイウンスカイを、あっと驚く末脚で切り捨て、ダビスタ風にいうと、「力の違いを見せつけました」。常識的に見れば、この時点で二冠当確。怖いのはアクシデントだけ。ちょっとマテリアルっぽい雰囲気もあるが、ま、スターオーもいないし、大丈夫でしょ。五十嵐兄エモシオンはフサイチコンコルドですっかり有名になったすみれSを圧勝、巷では皐月賞で穴人気しそうなムード。エイダイクインやアグネスワールドといった一流どころには勝てなかった馬ですから、ちょっと人気しすぎかとも思いますが、血統的魅力は十二分。母のアドラーブルも未完成の時機にはコロコロ負けていましたが、この時機に一気に強くなった馬で、特にダービーが楽しみ。藤原弟タヤスアゲインは断然人気のスプリングSで直線辛抱しきれずに3着。ここまで4着以下無しの4勝馬。こちらはもっと注目されて当然なのですが、ではクラシック候補といえるかというと、重賞で連対していないこともふまえて、今ひとつパンチ不足か。むしろ下級条件ながらケタ違いの強さを見せたサンプレイスの方が、ダービーへむけて未知の魅力ありというところでしょう。藤原兄の超堅実ミツルリュウホウが自己条件できっちりと2勝め。この後は青葉賞で権利獲得狙い。喜多ディヴァインライトが関西遠征で結果を出して帰ってきました。毎日杯で怒濤の追い込みを見せて2着。本番が混戦になればこの末脚は魅力十分ですが、血統的にはマイル最適、かつ今年の中山は力のいる馬場で、この末脚を生かすチャンスがるかどうか。広瀬拓ビワタケヒデは若葉S3着で惜しくも皐月出走ならず、この馬も青葉賞へ。首位をいくめいりんボールドエンペラーは毎日杯3着。もちろん権利は持っていますが、2000Mはやや長いかも。
これら既存勢力に対して、ここに来て注目の良血馬たちが遅蒔きながら次々と勝ち上がっています。ウィニングチケットの弟・中嶋リーディングスター、アグネスカミカゼの弟福田尚フサイチトマホーク、フサイチコンコルドの弟・金光ミラクルアドマイヤといったあたりは、来月この誌面を間違いなく賑わしてくれるでしょうし、特に今年の場合はダービーならば十分間に合いそうで楽しみです。
では、駆け足のレポートでしたが、皆様、がんばってください。なお、ホームページでG1予想コンテスト開催中ですので、そちらもよろしく。