リッチマン・プアマン


BRA Throubred Club Owner's Guide '98 Mar. No90

新星誕生! 躍り出たスペシャルウィーク。

異常気象とまではいかないまでも年が明けて降雪が激しく、その上記録的な除外ラッシュで未勝利クラスの馬は調整もクソもなく、ローテーションに苦労しているようです。共同通信杯のダート変更や、2回中山初日の大雪が今後の芝に与える影響など、波乱ムードの高まる中、クラシックの足音は日増しに高まっています。

キングヘイロー以外、今持って核となる存在の無い皐月−ダービー路線。皐月はともかく、ダービーはこれから頭角を現す馬にも十分チャンスがありそうですが、そんな中、おそらく皐月賞で主役を張る一頭が登場しました。五十嵐弟スペシャルウィーク。新馬楽勝の後、年明けの白梅賞では、勝ったと思ったところを地方馬に出し抜けを食らった同馬ですが、特別除外の後、あえて挑戦したきさらぎ賞で、断然の1番人気にこたえ、バラけた直線を一気に差して楽勝。昨年マチカネフクキタル・サイレンススズカでデビューの遅さとローテーションに泣いた五十嵐弟ですが、今年は胸をはって春を待つことになりました。2着は、ここに来て味のでてきためいりんボールドエンペラー。先行型へのイメージチェンジにとりあえず成功。ただ、メンバーが軽かった上に、スペシャルウィークには完敗の形で、本番では無欲でのぞんでどこまでという評価が妥当でしょうか。めいりんはマイネルメッサーも4着で、グラスワンダー休養中の深尾を再逆転、しぶといところを見せています。現在馬主44走で、空前の稼働率。

マイネルメッサーはシンザン記念でも4着でしたが、ここで2着となったのはクリスSアグネスワールド。実績から言っても圧勝を期待されましたが、当日はものすごい不良馬場の上、ダンツシリウスという雨の鬼がいたのでは仕方ないところでしょう。残念ながら、その後の調教中に骨折が判明し、マイルCぶっつけで挑戦とのこと。シンザン記念でしぶとく伸びて3着は、藤原兄ミツルリュウホウ。続いてダート変更の共同通信杯でも3着。勝負にからんでいない3着のため、クラシック云々とは言えませんが、まったく馬主孝行な馬です。ただ、依然として1勝馬で、果たして権利獲得が間に合うかどうか。藤原弟はタヤスアゲインがアーリントンCで復帰。休み明けで、窮屈なレースながらも3着で、こちらは十分に本番のメドが立ちました。

幡鎌マイネルラヴは京成杯で人気を裏切り5着、その後初の遠征でアーリントンCへ。デピュティーアイスを警戒しながらの先行で、後続をふりきり勝ったと思ったところへ、ペリエが猛襲。競馬に勝って、勝負に負ける結果となりました。どうもジリ脚であることは否めないようです。

喜多ディヴァインライトが新馬−500万を2連勝。この500万は平場といっても相当にレベルが高く(深尾インターシュンや宮崎夫アーサーズフェイムも出走)、しかも大外から力まかせにねじ伏せる内容で、血統背景からも今後の台風の目となるでしょう。血統といえば、注目を集める広瀬拓ビワタケヒデはつばき賞で4着、梅花賞で2着と善戦すれども勝ち切れません。しかし、負けた相手がジムカーナ・ダイイチタテガミですから、2勝めはそれほど遠くないでしょう。本番に間に合えば、底力で台頭もありえます。馬劇オーノメガヒットは新馬勝ちに続いてジュニアカップへ。人気を集めましたがセイウンスカイに切り捨てられて2着。キャリアもあったでしょうが、かなり決定的な差だったかも。

牝馬では鈴木の擁する2騎、フェアリーS2・3着のストームティグレス・プリンセスカーラが早々と始動。プリンセスカーラはエルフィンS3着とまずまずでしたが、ストームティグレスはクイーンCで大敗。主導権を握れないレースでのもろさに課題を残しました。じわじわと力をつけてきたのが広瀬拓ヤマノセンプー。抽選馬ながら500キロを越える馬格で、フェアリーS5着の後、500万を逃げ切り、連闘のクイーンCでもあわやの3着。東京コースでのこのスピードは桜戦線でも意外な好結果を残すかもしれません。逆にここに来て、成長力に?マークをつけられたのが広瀬泰サラトガビューティ。年明け2戦の大敗は、疲れのためか、この馬らしいスピードは全く見られなくなってしまいました。やはり、アジュディケーティングはここまでなのでしょうか…。BASSI血統のマックスキャンドゥが復帰初戦を快勝。返す刀で飛梅賞もゲット。姉よりもレースぶりに余裕があり期待が持てます。姉譲りのスピードが発揮されれば、善戦以上も。

新馬・未勝利クラスでは、福田尚マルカダイナミック、ワカバノボルチャッターリップス、幡鎌ダイイチダンディー、石黒キャットアンドッグといったところが勝ち上がっています。ところで、西原ヘリオスコウエイバロンは昨年8月にデビューしていながら、なんと最近まで編集子に無視されておりました。今月より成績表に記載していますが、気がつけば既に10戦で5000BCUも稼いでいました。すみません。前々走では地方の交流競走にも挑戦。2着となっています。しかし2着賞金は360BCUで中央の未勝利戦の5着にも届きません。初めて知ったんですが、1着賞金も900BCUで中央の5分の1ぐらいなんだよね。この場合、収得賞金は中央の1勝クラスといっしょになるのでしょうか。うーむ。

さて、いよいよクラシック・トライアルシリーズの開幕です。深尾グラスワンダーが馬場入りを休んで、マイルCぶっつけの可能性があるとか、アグネスワールドも骨折で上位陣が意外に伸び悩む中、めいりんが堅実に賞金を積み上げています。追う組では鈴木はパルシファルのリタイアでトーンダウン。幡鎌マイネルラヴは、できれば数つかってほしいところか。タヤスアゲイン復活の藤原弟、ミツルリュウホウの藤原兄、スペシャルウィークが赤丸急上昇の五十嵐弟、ビワタケヒデ・ヤマノセンプーで持ち駒は揃った広瀬拓あたりまで含めた大混戦の優勝争いは、まだまだ続きそうです。

<代替馬情報>
ノリユキ(佐々木規)ザキングが再登録となりましたので、代替馬ワールドカップを抹消します。
福田尚フサイチトマホークが再登録となりましたので、代替馬マキシムトライを抹消します。

<抹消情報>
鈴木パルシファル12月末、めいりんロケットタイム1月末、藤原兄マイネルハリウッド2月末。それぞれ抹消です。

<新年会報告>
恒例のクイズ大会は、後半の全員参加のゲームで大荒れの展開。クリスSのロングエース・ロングホークの勘違いとか、五十嵐弟・宮崎夫のフェアーウィン重複、藤原弟他2名のニットウチドリ激突とか、有力候補のつぶしあいで凄い騒ぎになりましたが、宮崎夫がからくも逃げ切り面目を保ちました。宮崎夫20BIT、馬劇オーノ10BIT、飯田5BIT進呈。馬券コンテストは五十嵐夫のキタノカチドキの皐月賞で、カチドキ以外の単勝5点などという希少なモノもとびだし、宮崎夫、五十嵐弟、及川にそれそれ3BIT進呈します。なお、宴会費は勝利チーム4000円、敗戦チーム5000円(遅れて参加した人は3000/4000円)となります。年度末に清算します。

では、またね。