リッチマン・プアマン


BRA Throubred Club Owner's Guide '98 Jan. No89

驚異の時計!驚異の余裕! グラスワンダー3歳王者に。

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申しあげます。

昨年は外国産馬の活躍がめだった1年でしたが、3歳にも次代をになうスーパースタ ーが誕生しました。深尾グラスワンダーが前評判通りに朝日杯3歳Sを圧勝。京成杯に続いて重賞連覇で堂々と3歳チャンピオンとなりました。戦前の評価からして、ある程度勝って当然というムードはありましたが、驚いたのはその勝ちっぷり。月並みないいかたですが、1頭だけ古馬が混じっているかのように落ち着いて速い流れを追走すると、最高のタイミングで前をとらえた幡鎌マイネルラヴを、あっと言う間に置き去りにして1分33秒6。リンドシェーバーのレコードを塗り替えた文句無しの時計。余力残しで、これでは今後よほどのことがない限りマイルCは手中におさめたというところでしょう。むしろ安田記念でタイキシャトルとの激突を選択してほしいものです。2着のマイネルラヴも、自身タイレコードで力をだしきって負けたのだから仕方の無いところ、これまで力負けしたのはヘイアンショウグン、キングヘイロー、グラスワンダーとそれぞれの路線のチャンピオン候補ですから、そういう意味ではおよそ堅実なタイプと言えます。それにしても年明けの京成杯での不可解な負け方は気になりますが…。札幌以来久々のクリスSアグネスワールドは4着。プラス26キロの登場には「兄が兄だけに、弟も」という声も聞かれましたが、無難なレースで格好をつけたというところ、返す刀で統一G2の全日本3歳優駿を制して4戦3勝。まだ、グラスワンダーとの勝負付けが着いてはいないと思っていることでしょう。

めいりんボールドエンペラーは朝日杯では大敗、ラジオたんぱ杯では直線で追 い込んで4着。距離適性というより、スピード勝負ではどうしても分が悪いようです。キンググローリアス産駒で道悪や混戦となった時に、また穴をあけるタイプかも。マイネルメッサーもここにきてしぶとさを発揮しており、府中3歳S3着、朝日杯5着。欲目で見ればメイショウジュニエのようなタイプでしょうか。
その他の牡馬では藤原兄のマイネルクラシックが北海道3歳優駿を快勝、全日本3歳優駿・バイオレットSとダート路線に狙いを定めて安定した成績をあげ、藤原兄の4位躍進に貢献しています。ラシアンルーブル産駒だけに、それは正解かも。弟はエースのタヤスアゲインが故障休養中で、遂に兄による弟越えが果たせるチャンスが来たようです。五十嵐兄エモシオンが復帰、派手な復帰を果たしたライバル・アグネスワールドとは異なり、こちらは中京のつわぶき賞1着・中京3歳S2着と地味め。しかし、こちらは何と言ってもクラシックが目標ですからあせることはないでしょう。鈴木の超高額馬パルシファルは初の特別チャレンジ・ホープフルSで行きっぷりは今一つながらも、直線猛然と追い込み2着。これまで鋭さを感じさせなかった馬が新境地を開拓しました。まさに一歩ずつ大目標に向かって階段をのぼろうとしているかのようです。京成杯を球節炎で回避したのが心配です。

牝馬路線では期待の広瀬泰サラトガビューティが阪神3歳牝馬Sで4着と今ひとつ。見た感じでは、やはり無理してでも自分でレースを作るべきだったとは思いますが、全くつけいる隙のないところまでスピードは進化していないようです。こういう負け方をすると、やはりアジュディケーティングならではの早熟という言葉が頭をよぎります。次走で真価が問われるでしょう。饗庭ダイワリプルスも期待はずれの6着。こちらは外国産で、今後の使いどころには頭を悩ませます。活躍がめだったのは鈴木ストームティグレス・プリンセスカーラ。フェアリーSで2着・3着し、どちらも決して1200ベストでなかっただけに(勝ったレディステラは1200のスペシャリスト)今後に期待が持てます。鈴木は6位にジャンプアップで、念願の優勝が気になる位置まで押し上げてきました。

半期終了時点での総括を言えば、「量のめいりん」VS「質の深尾」という熾烈なトップ争いは今後も続きそう。めいりんは持ち馬5頭で3歳重賞12回挑戦という凄まじさ。一方の深尾はグラスワンダーの無事だけを祈る毎日でしょう。それを追うグループでは、藤原弟はタヤスアゲインの復帰待ち。クリスS、藤原兄、幡鎌あたりはとりあえずエースの連投に期待という状況なので、今後の注目は牝馬の看板2枚を持つ鈴木でしょうか。(パルシファルが無事なら本命候補)ベストテンと11位の間がやや開いているので、それ以下の会員の目標はとりあえず11位。オープン特別勝ちがひとつの指標となっています。元気の無い昨年度上位陣ではレガシーハンターの勝利でようやく中嶋が2勝め。なんとか中位をキープ。しかし、高BCUの馬ばかりで、このままでは記録的大敗も(ヤマニン)ありうーるなんちゃって。昨年2・3位の福田尚・ワカバノボルあたりは30位前後で、まだ未勝利。優勝経験者では、アーサーズフェイムの勝利で宮崎夫がやっと1勝め。妻にだけ、ひそかに威張っていたそうな。天才・土田も今年はなんと未勝利。西山兄にいたってはいまだ賞金ゼロ。かろうじて広瀬拓がベストテン入りしており、噂のビワタケヒデの未勝利脱出で、台風の目になる可能性は持っています。総じて藤原弟以外の実力者がメタメタ状態ですが、賞金総額で見ると、BRA全体では昨年より大幅に向上しており、これまで実績の無かった会員の奮起がめだっていると言えるでしょう。

では、健康に気を付けてクラシックをむかえましょう。

お知らせ
代替馬:BASSIシンディトウショウ→ヴィノロッソ(トニービンXスカーレットブーケ)8000BCUアップ
ワカバノボルヤマニンドレープ→チャッターリップス(リファーズウィッシュXチャッターボックス)1000BCUアップ

ピックテン結果
優勝:若松(48.1)、2位:馬劇オーノ(44.7)、3位:藤原兄(33.4)以下飯田、野田、及川、藤原弟、宮崎妻、ワカバノボル、五十嵐兄、石黒、ノリユキ、西山兄、広瀬拓、饗庭、五十嵐弟、青木、めいりん、萩原、広瀬泰、小林、KNヘリオス、BASSI、金光、深尾、工藤翠、福田尚、鈴木、喜多、太田、土田、アットホーム、BB:西山弟(3.1)、宮崎夫

最後に来て、若松のアインブライド爆弾が炸裂し、順位が大きく変動しましたね。有馬記念のシルクジャスティス爆弾4名とか、エリモシック・マチカネフクキタル等、今年のピックテンは爆弾印が勝負を決める白熱の展開でありました。それにしても宮崎夫のダンスパートナー複勝のみで1.1ポイントというのはさすがにいかがなものか。本人、このままでは沽券にかかわる。権威復活のためにも、新年会のクイズ大会には一回答者として参加し、何が何でも優勝じゃと騒いでおります。注目すべきは藤原弟のスプリンターズSタイキシャトル指名。点は低いが、スワンSすら勝ってないピックテン開幕時点で、これはなかなか読めないよ。ダート路線に行くのかと思ってたもん。

優勝者には20BIT、2位10BIT、3位・BBは5BIT及び、別途豪華賞品を贈呈いたします。