リッチマン・プアマン


BRA Throubred Club Owner's Guide '97Mar. No82

チャンス到来、西山健太。Rゲイル皐月へ王手!

 いよいよ桜花賞まであと1週、皐月賞まであと2週となりました。不作と言われた1996年度のBRA軍団ですが、一連のトライアルで1勝・2勝クラスの馬が予想以上の健闘を見せ、本番は大にぎわいとなっております。最終トライアル・若葉Sを終わった段階で、本番へ出走予定のBRA登録馬は以下の通り。

桜花賞:オレンジピール(福田尚)・プロモーション(長谷川)・タニノマウナケア(藤原弟)・ヤマニンザナドゥ(饗庭)・スカーレットメール(佐々木計)
皐月賞:ランニングゲイル(西山)・オースミサンデー(宮崎夫)・サニーブライアン(中嶋)・テイエムトップダン(佐々木計)・エリモダンディー(宮崎妻)・キタサンフドー(及川)

 レースそのものについて一応編集子の予想では、牝馬はキョウエイマーチ・メジロドーベルの2頭の力が抜けており、ほぼ一騎打ち。BRA軍団は、オレンジピール・Sメール・プロモーションはスローペースで好走してきているのでハイペースでどうか、キョウエイマーチにちぎられたYザナドゥ、同じく走破タイムが不満のTマウナケアも含めて、勝つまではどうかなという感じです。

 牡馬戦線はマイネルマックス(後述)のリタイヤに始まり、メジロブライト、エリモダンディー、サニーブライアン、エアガッツ、セイリューオーと有力候補が次々と取りこぼしが続いて大混戦。中ではやはり弥生賞圧勝のランニングゲイルが一歩抜けているようだが、京都の2000でエリモダンディーにあっさり差しきられたのが不満。オースミサンデーはキャリア不足+テン乗りだし、テイエムは激しいレースから中2週でどうか。そういう意味では、思い切って逃げた場合のサニーブライアンなんかは面白いかもしれません。だって有力馬は追い込みばかりだもの。Rゲイルがまくって、オースミとセイリューオーとエアガッツが差して来て、メジロが追い込んで、テイエムが一気に差をつめて、その大外からエリモがやって来るのでしょうか。中山コースでそんなに横に並べるのか?

 さて、昨年の朝日杯チャンピオン奥山マイネルマックスがスプリングSで復帰。のはずでしたが、なんとレース直前に熱発。一時はぶっつけで皐月賞と発表されましたが、調整過程に不安があり、どうやら皐月は回避してダービー一本になりそうです。マイルCを叩くという仰天プランもあるようですが、いずれにせよフサイチコンコルドよりも苦しいローテーション、マイルからマイル半への一気の距離延長はどう見ても楽ではなさそう。昨年後半トップを独走した奥山ですが、そろそろ後続に迫られ始めました。

 BRA会員が明暗を分けたのは弥生賞。勝ったのは西山ランニングゲイル。鞍上に武豊をむかえ、3コーナーから一気のまくりで決定的な3馬身差。本番と同じ舞台でこの着差はある程度確実な力量差で、2着宮崎夫オースミサンデー・3着中嶋サニーブライアンにとって逆転はかなり苦しいかも…。悲惨を極めたのは2番人気に支持された五十嵐弟サイレンススズカ。スタート直前いきなり上村騎手を振り落とし、ゲートを突破。(上村も普通だったら乗り変わるんじゃない?)その上お約束の大出遅れ。それでも非凡なスピードで馬群にとりつき、直線では一瞬勝負に出たものの、さすがに最後は息切れ。この後は青葉賞・プリンシパル・NZTあたりが叩き台になるのでしょうが、それにしてもキャリア1戦で、確かに良く頑張ったことは称賛に値すると思います。

 佐々木計テイエムトップダンは毎日杯でヒダカブライアンを差しきって初重賞獲得。復帰してからは後方一気で必ず勝負に絡んでおり、末脚の安定度は一級品。追い込みでならした父ダンシングブレーブの面目躍如といったところか。本番でも馬群をさばききれば有力候補でしょう。

 皐月までの間隔が開きすぎることをきらって、宮崎妻エリモダンディーがすみれSへ。五十嵐兄バーボンカントリーの作る超スローにはまって2着ですが、これは追い込みの宿命か。本番では間違いなく大外一気。小柄な馬体に中山の坂が応えないかどうか。(これまでの3勝は直線平坦ばかり)勝ったバーボンは流れに恵まれたとはいえ、良血開花のきざし。ただ兄とは異なり切れるタイプではなさそうで、この春の目標はマイルCよりもむしろ宝塚でしょう。

 しだいにサラリーマンのようなイメージになってきた及川キタサンフドーはスプリングSでも見せ場十分ながら、またも4着。シャコーテスコが岡部じゃなければ3着はあったという声もあります。しかもその岡部が本番ではヒダカブライアンにのりかわってんの。トホホ。しかし冷静に見ればやっぱりホクトオーの子でマイルが最適ではないでしょうか。トキノミノル記念でもあと200でとまってたし。現在賞金1050万でギリギリアウトですが、例年の傾向からはおそらく出走可能になると思われます。

 牝馬戦線ではもっとも重要なトライアルであるチューリップ賞で、大本命メジロドーベルが沈み、福田尚オレンジピール、佐々木計スカーレットメールがワンツー。オレンジはこれで重賞2勝め。感じとしては桜花賞よりもオークス向きと思われますが、本番でももし1分35秒台の決着なら十分勝機はありそうです。

 キョウエイマーチが驚異のぶっちぎりをした牝馬特別では休み明けを一叩きした饗庭ヤマニンザナドゥが熾烈な出走権争いをさばききって3着。これは味があるなという印象。宮崎夫グレースアドマイヤは位置どりの悪さもたたって5着と明暗をわけました。最終トライアル・アネモネSには藤原弟タニノマウナケアが出走。チューリップ賞でも惨敗しており、ここは参加するだけという前評判でしたが、直線馬群を割って一旦先頭。ゴール寸前でさされたものの2着を死守し、本番への出走権をゲット。馬連は7万円を超える超万馬券。オーナーの藤原弟は300円おさえて20数万の大儲けとか。うらやましい限り。

 その他の馬では藤原弟ヒシナイルがフラワーCで3着。良い脚で追い込んでいますが、現時点ではシーキングザパールとの力の開きはかなりありそうで、マイルCではちょっと辛いかも。藤原弟はここにきて絶好調で福田尚と激しい2着争いをくりひろげております。最多出走馬主はほぼ確定。悲願の初優勝に手が届くかどうかは、タニノマウナケアの大爆発にかかっているかも。

 総合的にはマイネルマックスの頓挫で現在1位の奥山の賞金の伸びにストップがかかり、藤原弟・福田尚も牡馬に有力馬がいない(桜の2強がかなり固いとすると)のは楽ではないので、おそらく優勝ラインは2億ぐらいか、となると現在ベストテンに届いていなくても、クラシックでの一発で大逆転も十分ありそうな状況になってきました。例えば現在26位の五十嵐弟あたりでもサイレンススズカが青葉賞・ダービーを連覇すれば軽く優勝となります。可能性という意味ではテイエムトップダン・スカーレットメールと牡牝それぞれにクラシック出走馬を持つ佐々木計が最も有利かもしれません。ランニングゲイル1頭にかける西山は、ここまで10走している愛馬に余力があるかどうかがポイント。連覇をねらう宮崎夫はオースミサンデーに騎乗が決まった河内に期待はもちろんですが、オークストライアルに直行するらしいグレースアドマイヤも気掛かり。

 最多出走馬は藤原弟テイエムコンコルドと工藤翠のヤマニンマッスルの熾烈なバトル。普通は未勝利のヤマニンマッスルが有利なのですが、こちらは常に抹消の危機があるため、500万で2着したテイエムが一歩リードか。さあ、第一関門の桜花賞はすぐそこまで。まずは誰が抜け出すのでしょうか。

 さて、先月よりサービスを開始したBRAホームページですが、皆様もうご覧になりましたか。最新馬主順位・最新軍団順位・有力馬の次走・週間トピックス・データ室(オールタイムランキング)・BRA写真館(各年度の部門チャンピオン)といったメニューがお楽しみいただけます。是非一度お訪ね下さい。また、以下の会員はホームページ上にてニックネームを使用しております。(その他のかたは実名です。ニックネームを使用したいかたは事務局まで)

 工藤:工藤翠 西原:KNヘリオス 乙川:えちごZ 石橋:BASSI 大野:馬劇オーノ

 また、今後予定しているサービスとして、
  * 先週の連対馬コーナー(全出走馬はさすがにきついので)
  * 伝言板
  * G1予想自慢
などがありますが、その他会員の皆様のアイデアをお待ちしております。要するに月単位のリッチマン・プアマンではフォローできない情報を載せていきたいわけ。既に「登録馬の血統表を載せてほしい。」とか「最新の愛馬の姿をデジタル映像で」などの御希望もいただいており、検討しておりますが、いかんせんデータ室の作業量がハンパじゃなくなりそうなので、少し簡略な形で徐々に導入していきたいと思っています。

 では、もしかしたら競馬場で会いましょう