ダノンザキッドの牙城崩れる!
本命不在。大混戦のクラシック。

 ちょっと間が空いたなぁと思っていたら、もう3月。前号でタイトル馬にしなかったダノンザキッドがホープフルSを完勝で、本当は1月に「春が待ち遠しい。ダノンザキッド」という記事を発行しておくべきでした。

 なぜなら、3戦3勝で2歳王者となったDフラッグのダノンザキッドが、復帰の弥生賞でよもやの3着。昨年のコントレイルの後を追い無敗のクラシックへの道が早くも消えてしまったからです。確かに、コントレイルと同じローテとはいえ、ここまでのタイムがあまりにも違いすぎるので、一抹の不安はありました。500キロを超える大型馬の休み明け。かつ、あくまで本番をにらんだトライアル。負けることそのものが悪いわけではないし、スローの前残りでタイトルホルダーの逃げ切りを許したのも、アリガチなことではありますが、番手のシュネルマイスターもつかまえられず、デビュー戦で5馬身差をつけたふくだテンバガーと差が詰まったのも良い印象ではありません。そもそも弥生賞を1番人気で連に絡めなかった馬の逆襲はエピファネイアとアイネスフウジンぐらいなので、どうにもゲンが悪い負け方ではあります。一方でそのテンバガーや、予定どおり未勝利を2回勝ったヘビ・ソーヴァリアントあたりは、権利がとれず、毎日杯でワンチャン狙いか、青葉賞路線かというところ。また、ホープフルで好走し、ぶっつけで皐月挑戦と言われている浅井オーソクレース、五十嵐弟ヨーホーレイクにとっても、このレースは微妙な感じ。まあ、勝ったタイトルホルダーがホープフル4着なので、展開しだいでダノンに勝てる可能性が出たのは悪くないのかも。

 一方で、年明けの京成杯を勝った五十嵐兄グラティアスは、鮮やかな勝ちっぷりで一躍皐月の有力候補となりましたが、こちらも同レース2,3着馬が同条件の弥生賞で5,6着。着差をうのみにできない感もあります。この後、スプリングSと毎日杯が行われますが、そこで、ボーデンやグレートマジシャンが強い勝ち方をすれば、一躍大本命で皐月賞ということもありそうです。今のところは消去法で共同通信杯を勝ったエアフォーリアが最有力でしょうか。消去法というのも情けないですが。だって、ラーゴムもワンダフルタウンもみんなぶっつけで皐月なんですもん。かつ、ここまでほとんどタイムレースを経験していない馬ばかりなので、本番でランドオブリバティとかが、腹をくくって逃げたら、とんでもない大波乱まであるかもしれません。

 牝馬路線は、チューリップ賞でメイケイエールがスカイロケットなみの折り合い難を披露してびっくりしました。こちらの路線もソダシと大野サトノレイナスが桜直行なので、なんとも予想しづらいところ。阪神JFのレースぶりからは、サトノレイナスが二冠達成という可能性は十分。しかも大野はアパパネの娘アカイトリノムスメがクイーンCを勝ち、有力2頭で本番へ。なんだかんだでメイケイエールも勝ったので、牝馬路線は上位陣は信頼できるという考え方もあり、現在3位ながら優勝を十分意識できる状況です。裏街道組ではBASSIIウインアグライアが若駒Sを牡馬相手に勝って3勝め。余裕でクラシック出走権を手にしました。ウインらしいたたき上げ感。この馬はオークスでおもしろそうです。下位陣ではアルメリア賞を勝った宮崎夫オヌールが上がり32秒台で期待ですが、いかんせん馬体重が410キロ台。使いどころが難しい。

 マイル路線は朝日杯を勝ったXIUのグレナディアガーズが皐月に見向きもせず、早々とファルコンSからマイル路線へ。フランケルですが、皐月でも良いとは思うんですがね。実利をとったということでしょうか。ただ、朝日杯も2着のステラヴェローチェが共同通信杯で完敗、レベルはどうだったんでしょう。タイムは評価できますし、そこで大惨敗のねっしーアスコルターレがマーガレットSを勝ったので、マイル路線は信頼できるのかしら。そこで3着だったDフラッグ・レッドベルオーブ。こっちは皐月直行か。もうわからんね。

 とにもかくにも、皐月賞は有力馬のほとんどが2か月以上の間隔ということになりそうなので、こういう時こそ目をつぶって、トライアル上位固めとかもありかも。

 では、また。今年の夏はリアルで会いましょう。