年が明けて、もう桜の声も聞こえてきます。
遅くなってしまい、既にトライアルが始まっておりますが、現状の勢力図など整理しておきましょう。
昨年の年度代表馬は無敗で朝日杯を制したBASSIIアドマイヤマーズと３連勝で阪神ＪＦを勝ったコマツのダノンファンタジーとなりました。両馬ともすばらしく強い勝ち方でしたし、代表馬になったことには文句もつけようがなく、昨年末のＲＰでもBASSII、コマツという優勝未経験者による争いに期待と書きました。
一方で、競馬サークルでは、アドマイヤマーズよりも、ダノンファンタジーよりも強い馬はいるんじゃないのと言われ続けています。
ホープフルSを無敗で制した広瀬サートゥルナーリアは、気の早い人は三冠確実とまで言うほどの逸材。おくやまアドマイヤジャスタやニシノデイジーという素質馬を相手に、ちょっと次元の違う末脚を見せました。ただ、いちはやくトライアルを使わず皐月賞直行を陣営が表明。近年年明けに実戦を経験せずに皐月賞を勝ったケースがないだけに、これは大きな不安材料。レイデオロですら５着に負けました。加えて、レベルが高いといわれたホープフルS組が、アドマイヤジャスタ（すみれS２着）、ニシノデイジー（弥生賞４着）、五十嵐兄ブレイキングドーン（弥生賞３着）、及川夫ヴァンドギャルド（きさらぎ賞４着）とことごとく新興勢力に負けてしまっているのも、戦況を複雑にしています。
一方でサートゥルナーリアと拮抗する存在とみられるアドマイヤジャスタ、五十嵐弟クラージュゲリエも年明け初戦の共同通信杯ではダノンキングリーに敗れ、こちらも万全ではないし、そもそも近年の流行とはいえ、通信杯上位馬はそろって皐月賞直行。さらにはすみれSでアドマイヤジャスタを破った宮崎夫サトノルークスも直行。ゆ りかもめ賞を圧勝して隠れたダービー候補と言われる天宝院透サトノジェネシスはどうやら皐月はパスらしい。
さらにきさらぎ賞を勝った天宝院透ダノンチェイサーも直行。こちらは小倉・福島・中京・京都となんか裏街道感が強い。
京成杯を勝って、弥生賞をたたいたXiuラストドラフトが、なんとかひと昔前の王道路線ですが、こちらは太田光カントルや宮崎夫サトノラディウスとともに撃沈。どうにも軸となりそうな馬はいっぱいいるものの、キャリアを積み重ねていないので、誰がどう崩れても不思議ないところです。弥生賞でなんとも非効率なフォームながら激しく追い込んだ宮崎夫シュバルツリーゼも、中山向きとはとうてい思えません。
今週のスプリングS、若葉S、来週の毎日杯あたりで強い勝ち方をする馬が出れば、一躍有力候補になるのかもしれません。
牝馬路線はダノンファンタジーが王道のチューリップ賞で、前が壁になりながらも一気に突き抜けて万全の態勢なので、本番でも勝ち負けは間違いないところですが、この路線は、そのダノンファンタジーを初戦で破ったねっしーグランアレグリアがいるので、頭鉄板とはいいきれないところ。こちらはルメール優先で朝日杯に回り３着と決して悪くはない成績でしたが、いかんせん桜もぶっつけで勝った例がほとんどないのです。
いちおう、阪神JFの上位であるクロノジェネシスと宮崎夫ビーチサンバはまず有力。牝馬はJF上位の３頭とグランの４頭が抜けて強そう。
同じ理由であつこシェーングランツももちろん注目ですが、チューリップ賞ではダノンファンタジーとの差を詰めるどころか、新興勢力にも先をこされており、本番で巻き返すというより、じっくり姉の勝ったオークスを狙ったほうが良いのかもと思いまず。
フラワーCでコントラチェック、エールヴォアあたりが圧勝すれば、上位４強に食い込めるかというところでしょうか。
取り急ぎ、近況報告でした。