すべてうまくいった。
ディーマジェスティまず一冠!

 「新星誕生」というタイトルをつけようと思ったのですが、冷静に考えると、共同通信杯で、地力が必要な府中の9ハロンを、ハートレー、スマートオーディン相手に勝っているのだから、ディーマジェスティの皐月賞勝利は、フロックでもなんでもなく、実力どおりといえる結果かもしれません。とはいえ、当日は8番人気。上位人気は3強と呼ばれたリオンディーズ、サトノダイヤモンド、マカヒキ。朝日杯、弥生賞と崩れていないエアスピネル。ホープフル、スプリングとこちらも崩れないロードクエスト。スプリング勝ちのマウントロブソンに若葉勝ちのアドマイヤダイオウ。結果も若葉2着のナムラシングンが7着にはいっただけで、人気馬が上位を独占しているわけで、空前のレベル、歴史に残る世代という評価は変わりません。単にディーマジェスティが3強と同等あるいはそれ以上の能力をもっていることが確認されただけ。

 ただ、蛯名がレース後に「勝つとしたら、このかたちだと思っていた。すべてがうまくいった。」とコメントしているとおり、いっさい不利がなかったのも事実で、暴走ぎみのペースをふんだにもかかわらず粘ったリオンディーズ、末脚にかけて、狙いどおり3強では再先着したマカヒキ、もっとも難しい位置どりかつ、100%の仕上げでは なかったサトノダイヤモンドに対して、次も勝つというところまでは断言できないでしょう。

 何度も書いているとおり、ダービーの優勝賞金はケタ違いなので、ダービーオーナーが混戦にケリをつけるという図式は確実です。

 一方、そういう意味では、青葉賞で強い勝ち方をしたヴァンキッシュランを含めて、ダイヤモンド、マウントロブソンと3頭だしとなる天宝員透はディープインパクト以来の優勝チャンスに片手がかかっている状態。皐月賞組の評価が高いので、あまり人気にはなりそうもないですが、ヴァンキッシュランの2分24秒2で1馬身以上という勝ち方は相当に強いです。シンボリクリスエスぐらいの評価はあっておかしくないのですが、今年だと5番人気か。期待された大野プロディガルサンは休み明けとしては恰好がついた4着ながら、出走はボーダーライン。

 なんでも、皐月賞上位組はそろって凱旋門賞に登録したとか。楽しみです。


 牝馬路線は、無人の野をいくがごとき強さで、圧倒的な1番人気となった宮崎妻メジャーエンブレムがまさかの4着。それにしてもルメールの弱気な騎乗には、さすがに腰が抜けました。方向転換で向かったNHKマイルCでは、史上空前のハイペースでロードクエストやイモータルやダンツプリウスを問題にせず力づくで逃げ切っただけに、桜でも逃げていればとは思います。NHKマイル終了時点でXiuをわずかにかわして暫定トップ。マイルCは宮崎妻2頭、宮崎夫2頭、ねっしー3頭とやたらにかたよった出走馬となりましたが、ネッシーのロードクエスト、レインボーラインという重 賞勝ち馬2頭が2,3着。この結果で、さらに皐月賞組のレベルの高さが保証されたように思います。

 惜しかったのはXiuシンハライト。前哨戦で差し切ったジュエラーに、今度は全く逆の展開から、ゴール寸前で差し切られてしまいました。これは、もうミルコマジックとしかいいようがありません。かといって、メジャーエンブレムが馬群でもまれているのだから、動かないわけにもいかない。しかたないかな。ジュエラーが回避し、メジャーエンブレムも出走しないオークスは圧倒的な人気になるでしょうが、まず8割がた勝てるでしょう。しかし、Xiuは、ここにきて、ハートレー、レプランシュがあいついで故障。レガーロも砂路線で頭打ちなので、オークスの1着賞金を加算しても、ダービー組の誰かには負けてしまいそうではあります。エアスピネルやレッドエルディストが勝つ可能性は1%以下でしょうし。

 では、史上最高のダービーをお楽しみに。