マカヒキ、ダイヤ、リオン。
決着の時は近づく。

 すべてのクラシックトライアルが終わり、最有力のサトノダイヤモンドとメジャーエンブレムが2月のG3から本番直行のため、勢力図には大きな変化はなく、むしろより絞られた感があります。

 牝馬路線は、最重要トライアルのチューリップ賞でXiuシンハライトが無敗の3連勝。勝ちタイムは驚異の1分32秒8。この週の阪神の馬場は異常な高速馬場だったとはいえ、絶好調のデムーロをさしきったのは凄い。衆目の認める対抗馬となりました。惜しかったのは広瀬ラベンダーヴァレイ。休み明けで前づけから粘った内容は光ります。ただ本番はメジャーエンブレムが先行するだけにどうか。期待されたコマツ・レッドアヴァンセ、BASSIIブランボヌールは大敗。この2頭の巻き返しはかなり難しそう。

 アネモネSは及川妻チェッキーノが未勝利から連勝。ハッピーパスの子で良血だけに底を見せていないとも言えますが、勝ちタイム1分35秒5はいかにも平凡。もともと本番に結び付かないレースだけに過度な期待はどうか。

 フィリーズレビューは唯一出走の西原ヘリオス・サルドナが7着。レースレベルもそこまで高くはなかったかように思えます。最終便のフラワーCはヴィブロス、ルフォール、ラルク、ペルソナリテとここを勝ったら一気に本番で注目という感じの妙味ある馬たちが大挙出走しましたが、すべて不発。

 馬券的には、今年の桜はどう考えてもガッチガチで、メジャー頭の相手はシンハライト・ジュエラーの3連単2点でとれそうに思うんですが、どうでしょう?
 


 牡馬路線は、それぞれに中身の濃いトライアルで、早々と本番直行を宣言した天宝院透サトノダイヤモンドへの挑戦権を誰が獲得するかという図式でした。

 2歳チャンピオン太田光リオンディーズの始動となった弥生賞は、初重賞ながら差のない人気を集めたDフラッグ・マカヒキが驚異的な瞬発力で差し切り。一躍有力候補となりました。3着のエアスピネルには決定的な差をつけており、崩れなかったリオンとあわせて3強という図式はより強化されたと言えるでしょう。

 ホープフルSでよもやの2着となったねっしーロードクエストはスプリングSから。ここでも圧倒的な人気となりましたが、直線差しにかまえたものの、新潟のような迫力ある追い込みは不発で3着どまり。3着とはいっても弥生賞とはレースレベルが違うので、トップグループからは一歩後退。勝ったのはこれで3連勝となったディープ産駒マウントロブソン。天宝院透はこれで有力2騎で本番に臨むことになります。素質をかわれて2番人気となったキッズ姫ミッキーロケット、無敗でここに進んだあつこドレッドノータスはともに力及ばず。こちらは栄光は遠のいた感。若葉Sはコマツ・ダノンサンシャイン出走も8着。ここを勝ったアドマイヤダイオウはかなり強そうですが、この後は皐月はパスするもよう。

 ぶっつけ本番のサトノダイヤモンドは戦ってきたメンバーがレベルが低いと言われていたのですが、2戦めの500万で破ったクイーンズベスト、ナムラシングン、マイネルハニーなどの現状を考えると、それらを全く問題にしていないところから、出走していないのに株は上がっていると言えます。

 今年はそれほど故障が多くないと思っていたのですが、大きな故障でなくても、体調やローテを気にして、路線を微妙に修正する陣営も多いです。中しまサトノケンシロウが皐月路線を回避。ロイカバード、ジークカイザーは一旦仕切り直しでダービー路線の京都新聞杯か青葉賞。Xiuレプランシュはフレグモーネ。ハートレーはハコウで皐月回避。どうもXiuは流れが悪い。ディーマジェスティは本番直行。昔ほど前哨戦で有力馬が何度も対戦しない(モウカッテルでは比較ができない)ので、能力比較は難しくなりましたが、それでも3強という表現がかなり異論なく出ているあたり、今年の上位陣は強いということでしょう。
 


 マイル路線は、毎日杯から回る組、NZTからのシャドウアプローチ、レインボーラインなどの動向で可能性が大きく変化しますが、ファルコンSを圧勝した宮崎夫トウショウドラフタが、メジャーエンブレムが回ってこない限り、東京なら勝つ可能性はかなり高いだろうと思います。

 メジャーとトウショウじゃオウンダブルにならないんですよねぇ。