輝き始めたダイヤモンド
ダービーは空前のハイレベル、牝馬は一強。

 もちろん差し馬有利の阪神JFで先行して圧勝というところから、宮崎妻メジャーエンブレムの強さは誰しも認めるところでしたが、本番まで間をあけたいという意図から選択したクイーンCの強さは歴代の名牝をしのぐものでした。いくら時計の出る馬場でも3歳の2月に、前半の1000M、57秒8は暴走とも言えるペース。これを逃げて5馬身ちぎって、1分32秒5はすさまじい。ダイワメジャーでオークスはどうかというところですが、桜花賞ではキョウエイマーチぐらいの安心感がありそうです。メンバーによっては、ラインクラフトのように、マイルCという選択肢もあるのかな。牝馬路線は及川夫ラルク、中しまルフォールと惑星候補が次々撃沈で、完全に一強状態です。あえて負かす可能性を考えるとすれば、半信半疑で及川妻のジェラシー。無敗のXiuシンハライトももちろん候補ですが、Dフラッグ・ワントゥワン以下との比較では、まだまだか。

 先月はコマツ以下は苦しいと当落ラインをひいたのですが、いきなりそのコマツに牝馬の有力候補が現れて、皮肉なものだと思っています。レッドアヴァンセが未勝利、エルフィンSを連勝。ワントゥワンから寸法を測るとシンハライトよりこちらか。スローの上がり勝負で2連勝だけに、本番でメジャーエンブレムがハイスピードでとばすと、逆に不発という可能性が高そうですが、ディープ産駒だけにオークスでは逆転候補か。そもそもエンブレムがマイル路線にいけば、オークスは完全空き巣状態になりそうだし。

 マイル路線は、今期夫婦そろって好調の宮崎夫トウショウドラフタがクロッカスSを1分21秒7の好タイムで圧勝。そういう意味では今季の東京は時計が速すぎる気もしますが、評判馬のドーヴァーを3馬身ちぎってこの結果は、かなりのもの。朝日杯3着のシャドゥアプローチとあわせて、牡馬路線の混戦を横目に虎視眈々。

 さて、注目のダービーロードは悲喜こもごもという展開になりました。

 株を上げたのは、きさらぎ賞を驚異的なレースぶりで圧勝した天宝院透サトノダイヤモンド。ラップからすると、通常の年なら、既に二冠確定と言ってもかまわないほどの強さ。ただ、トライアルを使わずに皐月賞直行は良いとして、輸送も多頭数も経験なしということに一抹の不安も。Dフラッグ・マカヒキも手薄なメンバーの若駒Sを楽勝。こちらは弥生賞で朝日杯から休養している太田光リオンディーズとぶつかります。ここを勝ったほうが皐月賞ではサトノダイヤモンドと人気を分け合う存在になりそう。

 暮れのホープフルSを勝ち、クラシック主役候補となったXiuハートレーは、本番まで間隔のある共同通信杯へ。しかし、まさかまさかの大敗。流れがどうとか以前に直線では走る意欲そのものを失ったように見えました。マカヒキもそうですが、現在、ルメール・サトノD、デムーロ・リオンだけが固定で、後の有力馬の鞍上が混沌としており、その意味でもこの2頭は有力。共同通信杯はもう1頭の有力馬スマートオーディンも惨敗で、勝ったのは未勝利を勝ち上がってきた猪口ディーマジェスティ、2着に広瀬イモータルが巻き返しました。ディーマジェスティは、最近良く目にする蛯名のドッスン追いに応えてジリジリと伸び、これはどう見ても東京向き。皐月直行のようですが、青葉のほうが本当は良さそう。

 シンザン記念、京成杯組はレベルとしては一枚も二枚も落ちる印象。い〜だウムブルフが圧勝でもすれば上位陣への挑戦権取得かと思いましたが、凡走で条件戦からやり直しです。未勝利からタイムを1秒つめて5着なので、凡走というより、現時点の力はこんなものかも。

 苦しくなったのは、きさらぎ賞で2度目の対戦となったサトノDに力の差をみせつけられたキッズ姫ロイカバード。2着のXiuレプランシュも同じ土俵ではどうにもならないかも。こちらはマイルも視野か。

 ダート路線はサウンドスカイ以外の好メンバーが集まったヒヤシンスSで、大野ラニ5着、Xiuレガーロ6着。ラニはドバイ遠征見送りで、春に大きな期待は無理かも。

 トライアル開幕を前に、福田シルバーステートや、大野プロディガルサンなどの有力馬の離脱もありました(前述のワントゥワンもリタイヤ)が、だいたい戦力は分析されてきて、残るは軽いレースであっても無敗の五十嵐弟ジークカイザー、中しまサトノキングダム。トライアルで休養から復帰するBASSIIブランボヌール、ねっしーロードクエスト、あつこドレッドノータスあたりからサトノD、リオン、マカヒキ、メジャーエンブレムへの挑戦権獲得がありやなしやといった図式でしょう。まさかまさかのウルトラCは未勝利を勝ち上がった五十嵐兄ショパン。ルーラーシップは年末デビューで間に合っちゃったからねぇ。

 では、また。