祝、景気回復!
熾烈な攻防続いたエントリー大会

 暑い日が続いていますか?そうですか。
 ここサンフランシスコの現在の気温は19度です。
 寒いっつーの。去年も同じこと書いてましたね。


 さて、毎年恒例のエントリー大会。
 抽選でもウェーバーでも競りでもなく、入札制というのはBRA独特のシステムで、
 かつ20年以上やっているだけに、ベテランの相場観は熟成されてきています。
 絶対に取れるという安全圏のアップ額と、たぶん無理という額。
 そうは言っても全滅はあるまいという読みと、万が一全部取れたら、それはそれで問題というバランス。
 今年もまた、ギリギリの攻防戦が繰り広げられました。
 また、今年は五倍上限ルール(地雷防止法)の適用がなかったというのも特筆すべきこと。
 いやはや、皆さんわかってらっしゃる。

 昨年はマイネルフロスト、レッドリヴェールで大活躍のBASSIIはなんと本指名全敗。
 アップ額も決してダメモトというレベルではありませんでしたが、
 ディープ、デビュー済、超話題馬といった指名に対しては、わずかに弱気だったか。
 補欠馬もそのほとんどが他会員と重複した結果、誤算と言うべきか2頭所有となりました。
 とはいえ、いちはやく2勝めをあげたケツァルテナンゴを補欠無競争で獲得。
 しかも、WIT2枚持ちなので、既に勝ち組確定です。

 Dフラッグはレーヴミストラルとアッシュゴールドという今期の目玉2頭を獲得。
 レーヴミストラルは宮崎夫に100BCU差だったので、おそらく、かなり調子こいているはず。
 しかし、結果的に2頭で6万BCUオーバー!で、アッシュゴールドはデビュー戦見せ場も無く6着。これはかなりヤヴァイ。
 さらにブラヴィッシモも未勝利11着とか。相当にヤヴァイ。

 昨年覇者Xiuはデビュー戦が印象的なアールブリュットを含め入札4勝。
 アールブリュットは8人の競合をさばきましたが、
 2番手から7番手が9500BCUから6300BCUにひしめく相場の中、16000BCUははりこみすぎかも。
 母リッスンのほうは、いい値づけでしたが。
 明らかに函館2歳で馬代金を回収するはずだったマイネルエスパスが5着どまりというのは誤算でしょうが、
 一方で補欠のジャズファンクが早々と勝利は、まだ勢いがあるということか。

 あつこは本指名すべて無競争。といってもディープインパクト産駒2頭も獲得したし、
 アランセラ産駒のキャンディーハウスがデビュー勝利とここまでは極めて順調。

 い〜だは、エントリー失敗組。競合8頭すべて負けました。
 こちらは、明らかに相場観がそなわっていない感じ。
 結果的に、おそらく想定とはかなり異なるラインナップになったと思われますが、どうでしょうか。

 けんた、まりなは安定の無競争で2頭ずつ獲得。
 まりなの2頭はそれなりにイメージがわきますが、けんたの母クイーンエタニティと母アビラは全くわからない。

 コマツは入札2勝1敗、無競争3頭、補欠1頭で、ほぼ満足でしょう。
 レッドベルダはクラレント、リディル、レッドアリオンの下でディープ。マイル最適の予感。

 さいとうも入札2勝。しかし、母メジロレーマーとか母コンプリカーターとかしぶいところで重複するなぁ、
 と思ったら、どちらも相手はおくやまでした。編集子にはわからない世界。

 ねっしー。入札4勝。1万オーバーなしで、この結果はおみごと。
 ネオスターダムがアッシュゴー=ルドと同じ新馬で、さらに低調な7着。ヤヴァイ。
 及川夫プロと競っているので、目論見は悪くなさそうなのですが。

 中しまは、もともと入札に弱いタイプ。基本が5800、気合をいれて8800、弱気で3800というパターンです。
 今年もまたそのパターンで勝負の中、母オンブルリジェールで浅井に勝ちなんとか1勝。
 惜しかったのは母リトルハーモニー。FUMIと同額で、昨年順位ウェーバールールで負けました。
 エントリーシートを見ると、微妙に端数800と900を混在させているのですが、8900だったらねぇ。
 FUMIのほうも、端数はバラバラで、たまたま800にしたらかちあったのか。
 こういうことが勝負の機微というものでしょうね。

 五十嵐弟は、本指名10頭中9頭重複。1万オーバーをつけた2頭を含む3勝。ある程度は想定内か。
 期待の1頭サトノラーゼンが早々とデビュー。ディープで初戦3着は悪くはないのですが、438キロで大きく変わるでしょうか。
 早めに勝ちあがり、休養で成長待ちというのが理想か。

 ミスター&ミセス相場の及川夫妻。夫は3勝6敗、妻は2勝3敗。
 母サムワントゥラヴは母馬メリット持ちのDフラッグをきわどくかわしましたし、
 母ケアレスウィスパーは太田光と100BCU差としぶい一面も見せましたが、
 気合のアップのタッチングスピーチでXiuにわずかに及ばなかったあたりは、じゃっかん不満かも。
 夫のトーセンバジル、妻のダノンジャンヌといった先鋒が、
 ティルナノーグ、ペガサスボスと同じBRA勢に負けたあたりも、幸先良いとは言えない状況でしょう。
 それにしても、ドナブリーニって補欠でとれちゃうのねん。

 今年のエントリーの風雲児となった大野。
 4勝もさることながら、ティルナノーグ21900、コートシャルマン14300というあげっぷりが凄い。
 これもまた2頭で6万オーバー。
 ティルナノーグはXiuさえ5000BCU置き去り、3番手は9900BCU。
 コートシャルマンも2番手の倍以上なので、ある意味「値付けがお下手です」。
 とはいえ、この2頭、ともにエントリー後の新馬をあざやかに勝って、現状牡牝の横綱クラスという見方もあるので、目利きはできているということ。
 総馬代金はほぼ15万というすさまじさですが、すでに函館2歳3着のトウショウピストを含む4頭が勝ちあがり、2頭のディープがほぼ次は確勝状態。
 さらに3頭のディープ良血が待機で、もう上位争いは確実。悲願の優勝なるか。

 太田光。BASSIIとならび、今期の失敗組筆頭。本指名競合は6連敗。
 しかも母馬オプション+6800アップという勝利の方程式と思われるテンダリーヴォイスも宮崎妻に負けてしまいました。
 補欠でさらに2頭競合して、こちらは勝利し、頭数的にはディープ3頭、ステゴ2頭とそろえましたが、やや小粒な感じは否めない。

 宮崎夫妻。例年より3割アップぐらいで相場にアジャストしようとしましたが、今年もまたきわどい勝負にことごとく敗れています。
 夫婦で1勝8敗。母トゥザヴィクトリーと母ポルトフィーノは母馬メリットで福田、キッズ姫にうっちゃられ、
 レーヴミストラル100BCU差、アヴニールマルシェ400BCU差と僅差の勝負にも弱み。
 母ファイトガリバーのペガサスボスが早々と勝ちあがったのが期待でしょうか。

 今年は、ほぼ例年なみのアップにもかかわらず本指名2勝と結果がついてきた広瀬。
 母馬メリットを生かしたパラダイスリッジ、エピファネイアゆかりの母シーザリオともにFUMIを退けています。
 結果、元所有馬のこどもたちが6頭と歴史あるPOGらしいラインナップに。
 ただ縁もゆかりもないブラックタイド産駒のツンデレーション(デビュー戦7番人気で12着)は、よくわからない。
 名前で選んだ確率がほぼ100%でしょうが。

 ここのところ、完全に相場とミスマッチの木村は例年どおり、本指名は全敗。
 補欠でていねいに拾って10頭確保。それにしても補欠で5頭も無競争のディープを獲得してるんですが、
 要は、このあたりのディープって、及川プロとか福田プロに言わせると「地雷」ってことなのでは?
 まあ、アップしていないだけに最大被害というのはないとは思いますが、ちと微妙な香り。

 昨年久々復帰で、休養前とまったく同じスタンスで皆を驚かせた浅井。今年はそれなりに狙いをつけてきました。
 相変わらず補欠がいないので、事務局はハラハラしますが。木村と同様、無競争のディープを4頭。
 しかし、ディープってデビューさえしてくれれば、クラシックシーズンのトライアル好走率がハンパではないので、こういう作戦もありかも。
 そして、お約束のダンスパートナー産駒。お約束の無競争。

 猪口も入札はうまくいきません。競合は4戦全敗。母ウィナーコスモスは福田に500BCU負け。
 10頭持ちでディープやキンカメをそろえて馬代金5万BCU以下は悪くないですが、
 POG時自動集計上で馬名未定が4頭いるのが、少し気になりますね。  

 入札6勝、そのすべてが1万オーバーアップというものすごさで、馬代金15万に到達してしまったのが福田。
 接戦もありましたが、母ブラックエンブレム、ラヴズオンリーミーあたりは、さすがにそこまであげなくてもという感じはありました。
 これ、重賞勝ち馬が万一でなかったら、最大被害者賞までありそうです。

 昨年大活躍の西原ヘリオスは、特にペースをみだすことなく、無競争で3頭。
 いつも、この人がどこから情報をしいれているのか、全く謎。スキャットダディーって誰よ。

 天宝院透もマイペースで4頭。
 アンタラジーは福田に土をつけての獲得。
 ちなみに補欠のソニックグルーヴは編集子のリアル一口馬です。体が弱くて牧場に帰っちゃいました。トホホ。

 ここにきて、過去の莫大な投資をベースに母馬メリット活用しまくりのキッズ姫。
 7頭中5頭が元所有馬の子供たちです。その母にダイワスカーレットもアドマイヤグルーヴもいるのだから凄い。
 負けた2頭はともに相手がディフェンディングチャンピオンのXiuなので、まあしかたないところか。

 積年のライバルXiuの優勝にはおそらくひとかたならぬ思いもあるだろう五十嵐兄。
 昨年に続いて元所有馬の産駒とそれ以外でバランスを取っています。
 シングライクジョイとショウナンアデラは順調にデビューでまずは合格。一方、アドマイヤロワの惨敗はやや気がかり。
 アドマイヤドン産駒のワールドリースターを本指名にいれたのは正解でしょう。
 4人が補欠で指名したように、アドマイヤドン産駒で本指名を躊躇しただけで、これは走りそう。

 FUMIとおくやまは、今期はFUMIのほうが良血を集めました。おくやまはディープインパクトなし。
 FUMIは2勝2敗。ルートビッヒコードの同額勝利もリベルタンゴでXiuを200差で撃破もすばらしい。
 FUMIが負けた2頭はともに広瀬。おくやまが負けた2頭はともにさいとう。不思議なものですよね。この4人で軍団組ませたい。
 おくやまのミュゼエイリアンは福島の1800を3コーナー12番手からまくって3馬身ちぎるという
 レースレベルはともかく、印象は世代で一番。この馬、エルコンドルパサー産駒の母に、グラスワンダー産駒の父の配合なんですね。ロマンだなぁ。

 では、また。ピック11はHPにて告知します。