レーヴディソール故障!
風雲急を告げるクラシック。

 本来であれば、「Dフラッグ祭開催迫る!」といったタイトルになっていたはずのリッチマンプアマンクラシック直前号。あろうことか、あるまいことか、牝馬戦線の大大大本命レーヴディソールが、まさかの故障で戦線離脱という異常事態となってしまいました。ここまで4戦4勝。年が明けてのチューリップ賞ではブエナビスタどころではないケタ違いの強さで1分34秒5。もう、これは本番も事故でもない限り回ってくるだけで終わりだと思われたところが、まさか調教で最悪の事態となろうとは。もともとレーヴドスカーにアグネスタキオン。究極のスピードと強くはない脚部という要素を不安視する声もあったわけで、ましてダイワスカーレットのように先行して伸びるタイプではなく、ここ3戦は追い込んで連続33秒台の末脚。残念ではありますが、しかたのないところか。

 一転して大混戦となった桜花賞。BRAからの登録は5頭。

サクラベル 木村
ダンスファンタジア FUMI
ドナウブルー 福田
マイネショコラーデ 木村
マルセリーナ xiu

 現時点で抽選対象のドナウブルー以外は出走可能です。有力と目されるのはFUMIのダンスファンタジア。なんといってもダンスインザムードと親子制覇がかかっています。ファルブラヴは牝馬のマイル以下に良績が集中しており、オークス向きではなさそうで、ここは全力投球。新馬やフェアリーSのように勝つときの強さが際立つ一方、引っかかって惨敗の阪神JFのように負けるときの淡白さがどうか。もう1頭あげると、キャリア3戦のxiuマルセリーナ。ここまでマイル3戦。なによりキャリア1戦で挑戦したシンザン記念はレッドデイヴィス、オルフェーヴルに次ぐ3着で1分34秒3、エルフィンSも34秒4と馬場は違うものの、チューリップ賞と互角のレベル。中8週の影響がなければ好勝負。木村の2騎はともにようやく間に合った印象で、さすがに苦しいかもしれません。

 レーヴディソール戦線離脱前のDフラッグはまさにお祭り状態で、シンザン記念2着、きさらぎ賞3着のオルフェーヴルが1番人気で臨んだスプリングSを34秒3の末脚で快勝。一躍皐月賞の有力候補となりました。奇しくも同コース、同距離で行われた毎日杯にはデビュー戦2連勝のトーセンレーヴが、こちらも1番人気で登場。直線持ったままで抜け出した時にはたまげましたが、こちらは惜しくも3着。この後はおそらく青葉賞経由でダービーか。

 トーセンレーヴが2勝めをあげたアルメリア賞は超スローの上がり勝負となりましたが、ここでしぶとく食い下がったのが五十嵐兄ステラロッサ。こちらは強気に臨んだスプリングSでタイムを大きく詰めて3着に食い込み、本番への出走権を得ました。スプリングSで人気を集めた太田光リベルタス、五十嵐兄リフトザウイングスは見せ場なく惨敗。リベルタスは皐月賞、リフトは青葉賞へ向かいますが、ちょっといやなムード。

 オキュペイション成立寸前だった毎日杯は、五十嵐弟レッドデイヴィスが力強く抜け出して重賞連勝。世代最強の可能性もありますが、せん馬のため、クラシックはおろかNHKマイルにも出走不可というのは残念。トーセンレーヴをゴール寸前かわして、賞金加算に成功したのは福田コティリオン。福田も一時期は売るほど候補がいたのですが、最終的にはこの一頭という感じ。

 コティリオンが6着に敗れたきさらぎ賞は、OKKUリキサンマックスのスロー大逃げでレースが崩れたともいえます。そこでオルフェーヴルを置き去りにして、一頭だけケタ違いの脚で追い込んだのが及川夫トーセンラー。順調なら、皐月一番人気でも不思議はない器ですが、きさらぎ賞後、山元トレセンに放牧、震災の影響で帰厩が遅れたことがどう響くか。皐月賞が1週のびて東京に変わったことが一番ありがたいのはこの馬。

 別路線では宮崎妻ノーザンリバーが未勝利勝ちを含めた3連勝でアーリントンCに勝利。兄のノットアローンはアーリントンC4着で皐月は7着。それよりは上とすると皐月の掲示板あたりはありそう。未勝利脱出に手間取り、手薄なマイル重賞から一気に頭角を現すタキオン産駒というとディープスカイがいますが、そこまでは買いかぶりすぎか。

 安定株という意味では五十嵐兄ユニバーサルバンクもラジオNIKKEI以外は堅実に走り、共同通信杯では惜しい2着でしたが、出走権確定を狙って1番人気で出走した若葉Sでまさかの4着で賞金はとても微妙。その若葉Sでは12番人気のコマツ・ダノンミルが優勝。見た目のインパクトは薄いが、1分59秒1は優秀。この馬はデビューから4戦連続で2000mに出走。デビュー戦からタイムを8秒以上縮めています。エイシンフラッシュを思い起こすは言い過ぎ?2着は猪口カフナで、こちらも6戦連続で2000m。結局前走で小倉の2000を使った2頭で決まるというなんとも微妙な結果に。

 弥生賞はい〜だプレイが2着、猪口デボネアが3着。この2頭京成杯ではデボネア2着、プレイが3着。タイムもほぼ同じ。さらにプレイは年末のホープフルSでも、ほとんど同じタイムで5着。そのホープフル出走馬は1着のベルシャザールからナカヤマナイト、フェイトフルウォー、カフナとすべて皐月賞出走権を持っているので、ある意味基準レースでもあります。ただ、その後の弥生賞もスプリングも共同通信杯も若葉もきさらぎも毎日杯もみんな似たようなものなので、ホント、今年はわかりませんわ。

 唯一はっきりしているのは、京都新聞杯はレッドデイヴィスが勝つだろうということぐらいかも。

 では、また。