あけましておめでとうございます。
昨季に引き続き、年末に行われる牡牝のチャンピオン決定戦でBRAからクラシック有力馬が誕生しました。最優秀2歳牡馬に選ばれたのは無敗で東京スポーツ杯、朝日杯を制したキッズ姫・ローズキングダム。京都・東京・中山とクラシックの舞台を転戦しながらの3連勝。新聞でも薔薇一族悲願達成の文字が躍りました。正直薔薇一族は平坦中距離がベストというのが定説、しかもここ一番で勝負弱いところがあり、中山マイルのG1は、超スローで流れた東京スポーツ杯とは全く別物というところもあり、正直危険な人気馬とも見えましたが、そのような不安を一蹴する強さ。ラジオNEKKEI 杯を圧勝したヴィクトワールピサ(おそらくクラシック最有力馬)を直接対決で下しているという事実の重みを加えると、無事ならばクラシック好勝負どころか、最低でも一冠と言っても良いでしょう。あとはアクシデントだけが敵となりますが、賞金も、馬場の経験も十分なので弥生賞→皐月賞→ダービーと無理することなくチャレンジできそう。不器用な小牧がなぜか、この馬だけは上手に乗っているというのも風向きが向いている感あり。
むしろG1向きと思われた福田・トーセンファントムは、朝日杯のレース中に故障発生。昨年2位から、7年ぶりの優勝にかなり自信のあった福田は、同じく朝日杯有力馬だったモズの直前回避、トゥザグローリーのデビュー遅れなど、やや運気が去っていった感あり。
京王杯3着と復調の兆しのみえたXiuツルマルジュピターはハイペースに巻き込まれ惨敗。マイルが無理というよりも駆け引きのできない性格が今後も不安です。ファルコンSとか向いているのか。逆にデビュー戦でもたついた五十嵐兄ダイワバーバリアンが積極的な競馬で3着。上位2頭とは決め手の差がありそうですが、デイリー杯でも4着でしたし、マンハッタンカフェ産駒でまだまだ伸びていきそうです。
牝馬チャンピオンになったのは久々に名前が出た大野・アパパネ。7月のデビュー戦こそ3着だったものの、そこから一気の3連勝で阪神JFを制し、最優秀2歳牝馬となりました。母がソルティビッドだけに末脚がきれるといってもオークス向きではなさそうで、桜→マイル→スプリンターと進むのではないかと思われます。それにしても金子さんの馬ってなんでこう走るんでしょうね。
阪神JFはBRA所属馬が1−4番人気を占めてオキュペイションもありえるかと思われましたが、1番人気のBASSII・シンメイフジが5着、3番人気木村・タガノエリザベート6着、4番人気キッズ姫・ラナンキュラス4着、と微妙な結果となっています。7着にXiu・ステラリード。この馬でさえ1分35秒5で勝ち馬と0.6秒差なので、ウォッカやブエナビスタの世代ほど完全に勝負づけがついた印象はありませんが、夏から秋へかけての成長が期待ほどではなかった馬が多かったのも事実でしょう。
ちなみに昨年はブエナビスタ、セイウンワンダーに加えてロジユニヴァースがNIKKEI杯を勝ち、その3頭がクラシックでもきっちり結果を出しました。今年はどうかな。
全体を俯瞰すると、上げ潮組はルーラーシップもすばらしい勝ちっぷりだったキッズ姫、これはもうとめられないかも。大野はアパパネ頼みという状況にサリエルがダートで稼ぐかどうかがポイント。ただ、今年のダート界はラヴミーチャンという化け物がいるので大変です。2歳で地方競馬の年度代表馬ってビックリ。いーだもレーブドリアンが年明けの福寿草特別を勝ち2連勝。それ以上にゴールスキーが相当な器と思えて、これから伸びる一番手か。テイラーバートン・ロジフェローズの真王寺公彦も上位を狙える可能性があります。
厳しいのは、大駒が欠けた福田。サンディエゴシチーが順調でなく、新馬圧勝のディープデザイアも故障となった太田光。ダノンパッションがシーズン絶望の宮崎夫、リディル骨折のコマツあたり。
微妙なのはリルダヴァルの復帰が意外と早そうな及川夫、カレンナホホエミとかジャポニズムとか地雷もある一方でロングロウやザタイキがデビュー勝ちしているDフラッグ。OKUは葉牡丹賞のミッションモードがここから大化けするかどうかがすべてかな。現状以上はかなり困難。
下位陣から一気の浮上ももちろん、まだまだありえますが、1月中にデビューしないとさすがに可能性はどんどん少なくなっていくでしょう。ともかく、今年はキンカメが大当たり、タキオンが呪われるという流れでした。参った、参った。