BRAに限らず、ここ10年で最も混戦といわれる今期の3歳戦線。弥生賞をマイネルチャールズが勝って、ようやく重賞2勝の馬が登場しましたが、この馬も皐月の主役かというと、どうなのよという感はあります。強いていうならダイシンフブキとか、エイシンチャンプとかのイメージかしら。朝日杯勝ち馬のゴスホークケンがまだ復帰していないけれども、ラジオ日経組のサブジェクト・サダムイダテンが惨敗、ダイシンプランやファリダット、レッドシューター、サイレントフォースといった新興勢力も怪物モードには 入らず、一方でダート戦線に過去最高といえるほどの素質馬がそろい、その中から芝に転戦したレインボーペガサスあたりが、ブラックシェルをはじめとするクラシック候補をなでぎり。
これはスプリング・若葉が終わったぐらいではダービー馬のイメージすらわいていないということがありそうです。
その中で、年末にはOKU、太田光、XIUの3強の争いであろうと予測したわけで、それは間違いではなく、上位陣も順当に賞金を加算していますが、かといって独走態勢を固めたなどということはなく、むしろ中しま、木村の追い上げが急で現時点では5強といっても良い状況です。もちろん中しま以外は誰が勝っても初優勝となります。
過去最高の駒の厚さで進撃するOKUは、復活したショウナンアルバが共同通信杯を快勝。実はこのレースのショウナンアルバが一番安定した勝ちっぷりで、負かした相手を考えるとマイネルチャールズ以上に期待できるかもしれません。一方で、不幸なことにディアヤマト・ホウザンというダート路線の二枚看板があいついで地方に転厩。故障や成績不振が理由でないだけに、馬主としては残念。過去にないパターンではあります。前回、怪物候補と書いたファリダットは、以外にも条件戦を連敗。大きく負けたわけではなく、まだ逆襲の可能性はありますが、母の成績を考慮すると、早熟ではないということでしょう。
太田光はチューリップ賞でトールポピーが復帰。エアパスカルに逃げ切りを許したものの、まずは必要十分なレース内容で2着。キッズ姫ポルトフィーノがもたついていることもあり、まずは桜の大本命というポジションは確保。ただ、これに続く大駒がいないだけに、稼ぎ場所は限定されています。早い話、あと2レース。もちろんイイデケンシンがドバイでウハウハもありえなくはないですが、そのイイデケンシンがどうもユニコーンSだと5番人気ぐらいか。
キャプテントゥーレ、スズジュピター、ダイワマックワンと牡馬陣を厚くそろえたXIUですが、どの馬も現時点では皐月で上位人気というところまでは行かないもよう。もちろん掲示板候補としては、それぞれに魅力はありますが、そろって、皐月賞7、8、9着とかが十分に予感されます。青葉賞とかプリンシパルとか、場合によってはマイル路線で賞金を上積みしたほうがよさそうにも思えます。上位陣では苦しいほうか。
オディール・リトルアマポーラと牝馬でトールポピーを脅かす2枚看板をそろえたのが中しま。オディールは年明け初戦が上々の試運転。リトルアマポーラも牡馬相手の重賞では負けたものの、クイーンCは完勝といえる内容で、本番でワンツーまでありえる状態。
やきもきさせたブラックシェルが弥生賞で権利を取り、本番でも上位人気確実なのが木村。なんといっても鞍上に武豊。これは、今年のような混戦では大きなアドバンテージとなります。この後のトライアルでもノットアローン、ビーチアイドル、アロマキャンドルと牡牝のクラシック出走候補が次々とスタンバイで、かなりの期待。
5強に続くのは、現時点で定位置確保の五十嵐兄。戦績的には上位陣に比べると見劣りは否めませんし、ミステリアスライトの離脱が極めて痛いわけですが、ミゼリコルデ、ネオスピリッツといったところは伏兵として期待が持てるし、ピイラニハイウェイが未勝利のダートをケタ違いの強さで勝って、ダート戦線で旋風を起こす可能性もあります。
先月は25位ぐらいまでチャンスがあると書きましたが、複数重賞を勝って抜け出す馬がいない以上、たとえば1勝馬が青葉賞・ダービーで一気にということも、十分に可能性があり、2勝めをあげた及川妻キングスエンブレム、巻き返しを図るポルトフィーノ(まだ1回負けただけ、牝馬に負けたわけではない)、デビュー2戦めで重賞2着の五十嵐弟ライムキャンディあたりが実は最強ということもありえます。
一方で、こういう混戦ならばこそ、戦線離脱はもろに響くわけで、福田ジュウクリュウシン、及川夫レーヴダムール・ヴェルサンディ、浅井アルスノヴァあたりは、どれもひょっとすると世代最強候補だっただけに残念です。及川夫はデビュー戦で怪物ぶりをアピールしたカジノドライブがベルモントS挑戦とかわけのわからんことを言っているのも気がかり。一応ベルモントSはBRAの対象期間内なので、もし勝てば8万BCUとなります。その前のピーターパンSは5万BCU。ただ、あくまでも副賞扱いなので、優勝争いには関係ないし、2着以下は1BCUもありません。それにしても帯同馬としてつきあわされる天宝院透スパークキャンドルの立場は?まあ、天宝院透の場合は、ディープインパクトの時に帯同馬連れて行っているからしかたないか。ちなみにその時帯同して、あやうく海外重賞勝つところだったのが、五十嵐兄のピカレスクコート。月日のたつのは早いですね。ちなみにもう1頭の帯同馬シャンパンスコールとシャンパンファイトを勘違いしていたのは私です。
以上 ざっとクラシックへむけての展望こみのレポートでしたが、3歳戦が混戦の分、BRA旧所属馬では福田ヴァーミリアンが化け物じみた強さを発揮しています。昨年秋から既に副賞だけで4万5千BCUの荒稼ぎ、これでドバイ勝ったらさらに8万ドン!うらやましー。
業務連絡 ご存知の方も多いと思いますが、かなり便利だった「POGお奉行」の集計システムが完全に停止しました。これは親会社であるホースニュース馬の業務停止によるものです。残念至極でありますが、いたしかたなし。というわけで、来期はまた別の方策を考えるとして、とりあえず、西山君がnetkeiba.comのほうに全馬登録してくれたので、それでしのぎましょう。掲示板を読んでくださいませ。それにともない、細かい賞金等がじゃっかん集計作業上「お奉行」から変更になる可能性がありますが、そこのところは不測の事態ということでご了承ください。