桜花賞の前に、これまでのまとめをやろうと思っていたら、今年の桜は散るのが早くて・・・。
牝馬戦線の主役の1頭と目された猪口ショウナンパントル。新潟2歳S好走のあと、暮れの阪神ジュベナイルフィリーズで、ラインクラフト・アンブロワーズとの熾烈な争いを制して優勝。2歳牝馬チャンピオンとなりました。タメて爆発するという、リスクのあるタイプで、年明けのクイーンC・桜花賞では惨敗しましたが、新潟での好走もあるとおり、府中の直線ではみかぎれないタイプ。牝馬陣の層の薄いBRAでは2番手評価が、五十嵐弟ライラプス。母フサイチエアデールとは若干印象が異なり、じりじり差して粘るタイプ。デイリー杯で牡馬ペールギュントの2着となった後、休まず走りつづけて、年明けのクイーンCを快勝。桜では12着と不発だったものの、こちらも好走は左回り。まだまだこれから。西山フェリシアも新潟2歳Sでの好走から、府中で連続2着の後、暮のフェアリーSを快勝。桜は最下位だったものの、これは久々の影響とも思えます。いずれにせよ、今年のBRA牝馬は左回りの実績がめだち、サクラの成績をはなれて、オークスで期待できるメンバーかもしれません。同じく西山のモンローブロンドはファンタジーS2着はありますが、どうも早熟の感あり。桜花賞最先着はねっしーエアメサイア。フィリーズレビュー3着から、本番は4着。鞍上はデヴュー以来武豊で、期待の大きさがうかがえますが、どことなく良血ゆえの甘さを感じさせる一頭。7着好走はDフラッグのジョウノビクトリア。クイーンC2着からの参戦でした。7着とはいえ、外に回った馬が壊滅した流れの中では好走の部類か。
別路線では猪口アイルラヴァゲインも新潟組。こちらは短距離に狙いをさだめて、オープン特別を2勝。フェアリーSで3着といかにも堅実。NHKマイルあたりか、それとも6ハロン戦か。五十嵐兄ジェダイトはここまで9戦とタフに走りつづけて、最低着順が阪神JFの6着と堅実そのもの、忘れな草賞を勝って、オークス出走権確定。オークス最大の惑星となりそうなのが、キングカメハメハの妹、キッズ姫のレースパイロット。2戦めのエルフィンSはとりこぼしたものの、ミモザ賞快勝で3戦2勝。もともとオークス狙いという厩舎戦略もあり、これは怖い。
サクラ終了時点で、オークスのゆくえは、ラインクラフト・シーザリオ・レースパイロットの3強をめぐり、ジェダイト・デアリングハート・エアメサイア・ジョウノビクトリア・ショウナンパントルあたりまでが圏内ではないかと思われます。
牡馬路線は、有力馬のほぼすべてがBRA所属で、クラシックにおけるオキュペイションまで十分ありうるという状況です。
とはいいながら、今年の牡馬路線の主役は疑うことなく、天宝院透ディープインパクト。新馬・若駒Sと現実離れした切れ味でぶっちぎり。弥生賞も、現実的なナンバー2・ナンバー3である飯田アドマイヤジャパン・福田マイネルレコルトを相手に、3コーナーから大外まくりという3歳馬とは思えない豪快なレースで圧勝。本番でも1倍台前半のいっぽんかぶりは間違いありません。内をひいて、出遅れて、コーナーで外にふられて、直線よれるぐらいの不利がない限り、まず皐月は固いところだし、よほど急成長をみせる馬がいなければダービーもさらにはその先も約束された存在でしょう。
何度も話題にでるハイレベルの新潟2歳チャンピオン、マイネルレコルトは京王杯こそ負けたものの、朝日杯はスパっと差しきり、弥生賞も破れたとはいえ脚は見せており、後藤騎手が言うほど弱いとは思えません。アドマイヤジャパンも京成杯1着・弥生賞2着とキャリアを積むごとにレースぶりが大人びて来ており、素質の高さをうかがわせます。
そのアドマイヤジャパンにラジオたんぱ杯で先着したのが、福田ヴァーミリアン。阪神の勝ちっぷりは、歴代のたんぱ杯馬の中でも上位に位置づけられるものでしたが、復帰戦のスプリングSではまったく競馬にならず、影響ありか、なしかそれが問題です。たんぱ杯2着の飯田ローゼンクロイツは久々の毎日杯を力の差を見せ付けて圧勝。切れ味だけなら最右翼。
デイリー杯・シンザン記念とマイル重賞で2勝のおいかわペールギュントは、東スポ杯・朝日杯でも健闘、今年のクラシック路線の基準馬というポジション。スプリングSでも伸びてはいるものの、本番をむかえるにあたって、やや限界は感じられます。といいながらNHKあたりにいくとマイネルハーティとの比較からしても、即有力候補となるのでしょう。
皐月候補という意味では、若葉Sを勝った太田光アドマイヤフジ、堅実な競馬を続ける金光シックスセンス、スプリングSで渋さをみせた京王杯勝ちの石黒スキップジャックあたりまでが注目か。ウインクルセイドやスムースバリトンまで離脱したため、BRA組以外で上位進出が狙えるのは、ダンスインザモア、ビッグプラネット・コンゴウリキシオーの3頭ぐらいです。ビッグプラネットなんて、ふつう広瀬が指名してなきゃウソですけどねぇ。
早々とダービーに目標変更の福田ダンツキッチョウや、共同通信杯をアイネスフウジン並のスピードで圧勝した金光ストーミーカフェが出ていたら大変なことになっていました。というか、現状でも有力馬を持たない会員(例:宮崎夫妻・藤原兄弟)にとっては十分大変なことになっています。
NHKマイルも先述のペールギュント以外にもおくやまエイシンヴァイデンとか、クリスタルCを勝った五十嵐兄ディープサマーとか、桜花賞から回ってくる組とかでにぎやかになりそうですな。
ともかく、ここ数年ずっと好調な天宝院透がついに「名馬」をひいたというところ。個人的にこれまでのBRA史上の3強はナリタブライアン、スペシャルウィーク、アグネスタキオンだと思いますが、無敗で皐月を勝てばこのレベルに到達でしょう。現状でもタニノギムレット、ネオユニヴァース、サニーブライアンあたりとは並んだのではないかしら。後は、あと2戦。無事で、事故も不利も何もなくゴールまでたどりつけるかどうか。これは天運の問題。
これを阻止するのも、ほぼ飯田・福田にしぼられた感があります。この両名の持ち駒は強力。猪口・五十嵐兄・おいかわ・金光あたりがふんばるのは、相当に苦しそう。おくやまは終わってるし。
下位のほうでは、宮崎妻・若松が豪快にノーポイント継続中。BASSIIもしゃれにならない状態。この影響もあって、六郷遊撃隊が断然ぶっちぎりの軍団戦最下位独走中。例年上位をにぎわすアットホーム隊も、信じがたい大不振です。あー、早いとこ来期にならんかな。では、また。