堂々と。きわめて堂々と。
タニノギムレット、ダービー制覇!

 年明け6戦、負けたレースには明確な理由があったとはいえ、負けたからこそ、どのレースでもかなり能力をふりしぼっていただけに、果たして中2週のダービーで底力を発揮できるかという懸念のあった猪口タニノギムレット。しかし、レースはただ一騎格の違う走り。今度こそ決して悔いを残さないという決意に満ちた武豊は、ハナからインを狙う気などさらさらなく、ましてや、ハイペースへの他力本願でもなく、いつでも自力で勝負できる体勢で外目を楽に追走。4コーナーからは、前に何もいないことを確認して強靭な末脚をのばし、インでもつれる4頭の2着争いを堂々と差しきりました。今年の3歳馬のレベルからそれほど大差ではありませんでしたが、競馬の内容はナリタブライアン級とさえ言えるもの。何回やっても勝つ、強いダービー馬の誕生です。あと2週残ってはいるものの、残されたレースから逆転可能性はゼロ。猪口ついに優勝です。

 皐月賞の内容からニ冠の期待のかかった天宝院透ノーリーズンですが、勝負どころでエンジンがかからず8着。直線では伸びているだけに、不可解な凡走といえます。一言でいえば騎手との相性が悪かったということか。同オーナーのマチカネアカツキは逆に、完璧な騎乗で3着に健闘。

 今年のダービーはレースとしては不可解なレースで、タイムは平凡。あがりもそこそこ。しかし、能力の劣る馬はことごとく力つきているという、欧州型のレース。このあたりキャリア豊富なマチカネにはプラス、ノーリーズンにはマイナスということだったのかも。実際キャリアの浅い馬はことごとく掲示板にきてないですし。

 皐月賞・NHKマイルでワンツーを決めたBRA軍団はおしなべて低調。宮崎夫アドマイヤドンは皐月からさらにマイナスと、シーズン通して体調が回復せず、それなりに追いこんだものの6着、皐月2着の福田タイガーカフェは10着、NHKマイルの覇者木村テレグノシスは見た目抜群の手応えながら全くのびず11着、石黒チアズシュタルク、金光サスガは存在感も示せずという状態。それでもまあ、ダービー出走はPOGの華ですからね。

 さて、その前週に行われたオークスは出走も少なかったわけですが、井上ブルーリッジリバー、福田サクセスビューティとも掲示板にはあがれず。ブルーはあの距離で大外を回っているわりには健闘したともいえますが。

 木村テレグノシスの優勝したNHKマイルは、皐月に続いてBRAワンツスリー。勝ったテレグノシスはライバルより一瞬早くうごく作戦が見事にはまり、トニービンならではの長い末脚で快勝。BASSIIアグネスソニックも後方から驚くほど長く脚をつかって、惜しい2着。この馬は、ペース不問、馬場不問で常にきつい相手と好勝負を続けており、秋のマイル戦線では相当におもしろい存在になりそうです。

 勝ったテレグノシスの進路妨害が話題になりましたが、まあ裁定が出た以上言っても詮無いことながら、おそらくBASSIIスターエルドラードの斜行との合体技になっていなければ、テレグノシス降着の可能性はかなり高かったと思われます。スターの斜行→タニノとサードニックスに不利→スターたてなおし→テレグノシス斜行→スターおされて斜行→タニノまたも不利という流れが裁定不可能という判断になったのではないでしょうか。いずれにせよ、タニノギムレット2着はあったかな。宮崎夫サードニックスも掲示板はあったかという内容でした。

 今回は皐月以降、ダービーまでのフラッシュニュースということで、各会員の講評はあと2週の結果をふまえて決算号にて行います。優勝は決定。2位争いが熾烈。4−6位が混戦。ベストテンはブルーリッジリバーが突然ファルコンSに出走でもしない限りほぼ確定といった状況。

 さて、例年であれば、ダービー開催の最終週から函館開幕という形ですが、今年から函館開催が1週遅れて始まります。同時に北海道シリーズと同じタイミングで阪神・福島の新馬が始まります。中でも阪神の新馬は注目。7月7日の芝1600で牝馬が圧勝でもしたら、即桜花賞候補ですもんね。というわけで、例年の3倍は勝ちあがり組が存在する形でのエントリーとなりますので、皆さんグリーンチャンネルしっかりチェックしてね。

 名簿等はまだ用意されておりませんが、規約・価格算出基準は早めにお知らせしておきます。規約は、昨今の日本馬の海外での活躍を考慮し、海外重賞副賞をほぼ半額にしました。また、残されたファーストウィナー対象重賞がかなり少ない(小倉2歳・NZT・ユニコーン・ファルコン。しかも後半2レースは今年達成するかも)ということで、ファーストウィナーを3倍にあげます。そういう意味からも阪神新馬は重要になりますね。

 また、最大の改正点として、代替馬制度を廃止します。あまり有効活用されていないこと、事務局でフォローしきれないこと、有力馬デビューが秋の東京・京都・阪神に集中するため、代替馬で超ラッキーという事態はあまりおもしろくないことが理由です。ご了承ください。

 なお、本年のエントリー大会は7月6日(土)を予定しています。おくやま君よろしく。詳細は次号にてご連絡します。