春が来た!ノーリーズンGT制覇!

 7年間の長きにわたってベストテン入り一度もなし。最高位が昨年度の19位というBRA最大のツカンコであった天宝院透が、なんと初重賞でG1獲得。2戦2勝で 臨んだ若葉Sで惨敗し、皐月賞には抽選でぎりぎりの出走、もちろん人気などかけらもなかったノーリーズンがフロックでもなんでもない、中団から4コーナー先頭で押し切るという力強い競馬で堂々と皐月賞馬となりました。終わって みればこれで4戦3勝。負けたレースも決定的な不利があり、父はこの時期に異様な成長力を発揮するブライアンズタイム。勝たれて納得ですが、それにしてもびっくり。天宝院透はマチカネアカツキ、ボールドブライアンがダービー出走をめざしており、一昨年の宮崎夫に続くダービー3頭 出しにリーチ。総合ランクでも大きく順位をあげて首位と2万BCU差。眠れぬ夜が続きそうです。

 皐月賞で1番人気となった猪口タニノギムレット。スプリングSと同じような位置どりから大外を追い込んだものの、時既に遅く、2着にもわずかに届きませんでした。位置 どりの問題も確かにありましたが、9ハロンで届いて、10ハロンで届かなかったのも確かで、12ハロンのダービーが有利にはたらくかどうかは、意外と微妙なところ。陣営がマイルC出走を表明しており、そこを使うとダービーは年明け6戦め。いろいろ悩ましい感じではあります。昨年3位の猪口、ここで遂におくやまを抜いて首位に 立ちました。

 牡牝両路線で有力馬をかかえる福田は、桜花賞で上位人気となったサクセスビューティが大外枠という不運もあり、直線では完全に失速。雰囲気的にはこのまま脱落ムードでしたが、皐月賞では8番人気のタイガーカフェが底力を発揮、ノーリーズンには及ばなかったものの、じりじりと脚を 伸ばして急追するタニノギムレットを最後まで抜かせず2着死守。弥生賞3着から実力は認められていたものの、いかにもジリ脚タイプで皐月よりむしろダービー向きと思われていただけに、この好走は素晴らしい。もちろん騎手の腕もあったのでしょうが、ダービーでは相当に期待できそうです。 ちなみに優勝の天宝院透とあわせて二度目のチームダブル達成。なんか、今年は副賞が多いです。

 宮崎夫アドマイヤドンは4番人気となりましたが、ノーリーズンの直後からしかけたにもかかわらず、直線入り口で一気に差をつけられて7着に完敗。体調・距離もあるでしょうが、むしろ、その前の厳しい流れに消耗した印象。もう少しごちゃつくレースでないと良さが出ないか。同様に人気となった石黒チアズシュタルクは見どころなく、及川ホーマンウイナーも惨敗。むしろ後方待機から直線にかけた金光サスガの末脚が目立ちました。今年の皐月賞は最も遅いラップが12秒2という、ものすごく厳しい流れで、当然ここで上位に来た馬は相当に強いといえますが、一方でそれだけ上位陣の消耗は激しいはずで、ダービーではむしろ不出走組のほうにチャンスがあるかもしれません。そういう意味ではキッズ姫アドマイヤマックスあたりが間に合えば面白い存在か。

 BRA軍団大苦戦と思われた桜花賞で鬼脚炸裂。一気に追い込んで2着となったのが井上ブルーリッジリバー。これまでの印象では一瞬しか脚を 使えず1400限界という馬でしたが、今回はためるだけためて直線にかける作戦が大正解。勝負強さにはややかけるフジキセキ産駒ですが、こういう形では能力100%発揮ですね。オークスの距離にはやや不安もあるためローテーションは微妙ですが、今年の牝馬路線は距離不安の無い馬がほとんどいないため、もういっちょうもあるのかも。

 その前にマイルCでBASSIスターエルドラード、アグネスソニック、木村テレグノシス、宮崎夫サードニックスといったところがBCU稼ぎを狙っていますが、ここにタニノとローマ ンエンパイヤが出てくるとか。せちがらいご時世ですな。

 総合優勝争いはタマのつきた感のあるおくやまが2位に後退。猪口、天宝院透の一騎打ちムードが濃厚ですが、残された大レースが少ないだけに、タイガーカフェ、アドマイヤドン、の一発で福田まではチャンスがあると思われます。特に福田はサクセスビューティの巻き返しの目もあるし。BASSIはマイルCでアグネスソニックが勝つだけではちょっと足りないか。

 軍団戦はアットホーム隊が首位をキープしていますが、混成チーム<かもめ>が猛然と追いついてきました。天宝院透、福田とも現状複数の有力馬が稼働中のため、かなりきわどい争いにはなりそうです。個人戦の下位は、不幸のどん 底にあった深尾がついに1勝し、差がなくなってきました。32位の西山兄以下かなりの混戦となっています。

 では、ダービーでは競馬場で会いますか?バイビー。