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世界は我が手に!アグネスワールド海外G1制覇! |
とにもかくにもめでたきかな。
エルコンドルパサーの世界制覇の夢が散ったその日、クリスSアグネスワールドが欧州短距離戦のチャンピオン決定戦であるアベイユ・ド・ロンシャン賞を制覇しました。ヒシアケボノの弟という血統背景、3歳戦でみせたパフォーマンスからして、その素質はもちろん高く評価されていたわけですが、ある意味では意外と楽に短距離最強決定戦ともいえるこのレースを勝ってしまうとは驚きをかくせません。人気の重圧もさほどなかったこと、強敵ドバイミレニアムが出走しなかったことなど、さまさざまな条件にも恵まれたのは事実ですが、森調教師の情熱、武豊の才気、アグネスワールド自身が、そういったものを引き出すだけの魅力をそなえた馬だということでしょう。ともかく、有名無実となっていたBRA規約の海外遠征馬への副賞規定が初めて適用されます。おめでとうございます。
蛇足ながら、アグネスワールドはおそらく日本で種牡馬になるのでしょうが、一時期全盛を誇ったハビタット系が壊滅状態で、真のスプリンター種牡馬がいない欧州なら、アグネスワールドは大ブレイクする可能性すらあると思うのですが…。
さて、思ってもみないクリスSの爆発にタイトルをさらわれた形となりましたが、今月は豊作。まずは夏の3歳総決算の札幌3歳S。函館3歳では思わぬ惨敗を喫した西山弟マイネルコンドルがみごとに巻き返し、ジョウテンブレーヴ、エンゼルカロとの叩きあいを制しました。最後まで脚をためて一気にインを差した鞍上のファインプレーもありますが、素直に距離伸びて良さが出たと受け止めておきましょう。帝国歌劇団独走を決定づける一発でした。が、エンゼルカロから見ても、まあ函館も札幌も同じくらいのレベルで、秋以降の3歳戦が不作であればという限定つきの3歳チャンピオン候補ではあります。
一方、秋をむかえて、夏のローカル戦で今一つだったBRA軍団から次々と素質馬がデビューしています。まずは猪口マヤノメイビーがりんどう賞を快勝し、2連勝。特に新馬の勝ちっぷりはただごとではない物凄さ。加速重視のパワー型で阪神コース向きか。猪口はカシマワカワシも新馬勝ちで極めて順調。
新馬勝ちの後、すずらん賞で惨敗。意外と器は大きくないという感もあった広瀬泰エンドアピールですが、もみじSではなんとレコードで圧勝。デイリー杯ではスローにはまってさあ大変という感じでしたが、ハイペース間違い無しの朝日杯なら十分巻き返してくるでしょう。
新馬を勝ったばかりの大野チョウカイウェストも注目の一頭。チョウカイキャロルの子で血統的にもこれから強くなるタイプで、気の早いむきからは皐月賞候補との呼び声もあります。関東では金光ゼンノエルシドが、これまた強い勝ちかた。グラスワンダー級とはいわなくとも、十分スピードワールドまでは予感させるほどのもの。金光はプレイヤーズラック新馬勝ちで、ハンモックナップの抹消分を埋め合わせました。鈴木サマーベイブも超良血。初戦は不覚をとったものの、2戦めで変わり身をみせました。この血統はむしろ叩かれて良くなるぐらいのほうが楽しみでしょう。武豊ですし。
実績組ではBASSIシアトルフレームがBRA所属馬がやたら強いアイビーSを制覇。この馬も函館組で、レベルが低いと思われていたのは、もしかすると早熟型が少なかったということなのでしょうか。展開にも恵まれましたが、差し馬断然の東京1400で粘りきったのは収穫。3着にカーネギー旋風のおいかわコスモハリケーン。あと10Mあればという脚色でした。長谷川サニーサイドアップが未勝利脱出。なんか久々の勝利のような気もします。調べるのめんどうだけど。小倉3歳S2着から日本列島大縦断の工藤ピサノガルボは、さすがに疲れたか札幌では5着。それでも大崩れしたわけでなく、やはり疲れもあったか。これで単純に小倉のレベルを語るわけにはいかないでしょう。
しかし、これだけBRAから有力馬がデビューしているのに、先日のプラタナス賞のアグネスデキシイ見たらいやになっちゃいましたね。無事なら、あれこそエルコンドルパサークラスの馬ではないでしょうか。直線だけで10馬身差を一気に差して、2馬身ちぎって、手綱をゆるめてタイレコード。3歳ダート史上最強という感じ。ちなみに2位はメジロラモーヌの新馬戦で、次がタヤスバレンシア。ヘイローの系統なんで、ただのダート馬ってことはないだろうしなぁ。
軍団戦はあいかわらず、歌劇団独走。クラシックで一発逆転がなければ、ずっとこのままの状態が続きそうです。アットホーム隊が意外なほどの不振。西山弟の移籍は相当に痛かったか。
さて、今月は恒例のピックテン・エントリー発表です。いきなり秋華賞でブゼンキャンドル指名した会員はいなかったもよう。やれやれ。
では、また来月。