凄みを増す末脚。
ロイヤルタッチは負けましぇん!

 ペリエがいるうちにもう1回使うとの公約通りに、宮崎夫ロイヤルタッチがきさらぎ賞に登場。圧倒的な1番人気にこたえダンスインザダーク、エイシンガイモンをおさえ快勝。無傷の3連勝を達成し、宮崎夫も馬主として6年ぶりにトップに立ちました。レースは戦前から浅井ダンスインザダークとの一騎打ちムード。ペリエ・武という名手を背に、互いに相手をしっかりと見据えながら進みます。直線第三の馬エイシンガイモンが抜け出すところをその内外からほとんど同時にスパート。エイシンガイモンがやや内にもたれたため、ダンスは一瞬躊躇し、ロイヤルタッチが一馬身ほど前へ。たんぱ杯と同じ展開となりますが、今回はダンスインザダークが馬群を割ってぐんぐん伸び、一瞬ロイヤルタッチを交わす勢い。ところがここからがロイヤルタッチの非凡さか。再度ペリエの鞭がとぶと、再び馬体をあわせて逆にクビ差差し返したところがゴール。エイシンガイモンは2馬身置き去りにされ、あらためて上位2頭の能力の確かさが証明されました。上り3ハロンも3戦連続の34秒台。まだ厳しい流れを経験していない(最近厳しい流れってないもんねえ)だけに、35〜36秒の上りのレースでどうかという疑問もありますが、現状では100点満点でしょう。これからもこの2頭のライバル物語は続いていくでしょうが、それぞれに課題を探すと、ロイヤルタッチは馬体の充実が何より気になるところ。430キロ台の馬体は兄ウィニングチケットやミスターシービー・ライスシャワーより一回り小さく、できれば440キロ台でクラシックを乗り切りたいところ。次走は若葉Sを予定。ダンスインザダークは獲得賞金が中途半端になってしまったのが不満と言えば不満。今回の2着でオープン入りですが、新馬(未勝利)勝ち+オープン特別勝ちをした馬よりも賞金が低く、皐月はともかくダービー出走はボーダーラインとなるため、なんとか弥生かスプリングで2着以内に入りたいというのが本音でしょう。

 飯田弟ゴールデンカラーズはアメリカ血統らしいタフなところを見せ、年明けのフローラSを圧勝すると、クイーンCへ挑戦。現世代ナンバーワンと目されるイブキパーシヴには敗れたものの、底力で2着を確保しました。ゴールデンカラーズが逃げ、イブキがマークするという展開で、彼女にとっては少頭数ですんなりした流れになったことが、逆に相手に有利にはたらいたという印象。もう少し頭数がそろい先行集団がごちゃついてくれたほうが良かったかもしれません。この春の大目標は英国の1000ギニー挑戦。その前になんとしても重賞勝ちが欲しいところ。この後はフラワーCに出走予定です。
 クイーンCでは喜多ノースサンデーも久々に爆発力を発揮し3着にくいこみました。勝負が終わって追い込んできたという印象もありますが、走破時計、シーズグレイスとの力関係からして、桜・オークスで穴馬として注目される権利は十分にあると言えます。

 今月は牝馬が好調で五十嵐兄シーズアチャンスが新馬勝ち後の紅梅賞で3着。確勝を期した寒桜賞ではペリエ騎手の好騎乗もあり2勝目をあげました。成績だけを見るとダートの短距離しか勝っていないわけですが、レースぶり、血統から当然クラシック向き。次が真価を問われる場になるでしょう。紅梅賞で、シーズアチャンスに先着したのが宮崎夫ファイトガリバー。ソエで余り使い込めない馬ですが、ナリタタイセイの全妹という血統からオークスまでに権利が取りたいところです。同じく宮崎夫ホクトペンダントはフローラSでまた2着とどうにも勝ちあぐねていましたが、母ホクトビーナスの勝ったゲンの良いうぐいす賞でなんとか2勝目をあげました。とはいってもこれまでのレースと比べ3枚は落ちると思われるメンバー相手にやっとこさの辛勝では、手放しでは喜べません。こちらは何としても桜に出たいくちで、牝特で権利確保を狙います。

 ブロケード産駒の萩原モデストは未勝利を抜けた後の500万下を勝ちオープン入り。クイーンCさすがに通用せず最下位でしたが、オープンのペースに慣れてくれば、もっと上が狙えるのではないでしょうか。ブロケードももう年だし、そろそろ代表産駒が欲しいですよね。

 今年の入札で史上最高値を記録したクリスSランニングヒロインがようやくデビュー。しかし、8-6着とさえません。良血だけに今後大きく変わってくることは期待されますが、春のクラシックに間に合うかどうかは微妙。

 浅井アグネスサンデーは福寿草特別で2着。毎回確実に末脚をのばし、期待は裏切りませんが勝ちきるまでの力強さといったものが、まだ見えてきません。若松ダイイチキャプテンは福寿草4着、若駒S4着。こちらもつめの甘さが残っているようです。

 広瀬泰ユキノサンサンが遂に未勝利脱出。続くうぐいす賞ではいきなり3番人気となりましたが、さすがにいきなりは通用せず6着。しかし最多出走馬目指して着々と前進。小林はコバルトウィンドが復帰するも精彩を欠いています。札幌でビワハイジを追い詰めた馬だけに、復調すれば怖い1頭ですが・・・。それでもサクラフクオーが500万で2着し、馬主順位としては15位とまずまず。

 注目新馬ではキッズ姫ローゼンカバリーが広瀬拓サクラケイザンオーを撃破して勝ち名乗りをあげています。タイムはそれほどでもありませんでしたが、勝負強さとセンスは十分という感じ。ここにきてキッズ姫も駒が揃ってきました。滅多に無いと思われる連覇のチャンスだけに力も入ります。バブルガムフェローのキングジョージ挑戦という壮大なプランもありますし、来月あたりは、BRAとしても海外遠征馬に対する表彰規定を明確にしなくてはならないでしょう。ケイザンオーは太がやや強引に乗りすぎたかもしれません。しかし、3着は引き離しており、次は間違いなく勝てるでしょう。広瀬拓は現在12位ですが、9位の金光から13位の西山兄までが賞金500万(未勝利勝ち一つ分)の大接戦となっており、ここからが手駒の素質と稼働率の勝負になります。これだけ会員が増えるとベストテン入りするかどうかは結構名誉としては大きいかも・・・。同じレースに出走の乙川の代替馬ステファーナは4着。システィーナの妹でリアルシャダイ産駒ならば叩かれて変わる可能性も十分です。

 めいりんヤマニンリボルバーが新馬圧勝、続いて飛梅賞でも人気を集めましたが惜しくも2着。武は「押し切れると思って早めに動いたのに残念だ。」と感想を述べました。何しろデビュー戦で550キロ(ロイヤルタッチより100キロ以上重い!)という超巨漢馬。当然叩かれての上積みに大きく期待したいものです。ただこれだけ大きいとなかなか冬場の芝レースに使うには勇気がいりますね。

 1回東京で話題を集めた鈴木セリサイトダンディは素質だけで新馬勝ちしたという印象でしたが、その直後に「じっくり育てたい。」というコメントもあり、無理して皐月へ行くかどうか。大物感ある走りからはむしろ若葉S−青葉賞−ダービーのようなローテーションが考えられているのかもしれません。

 いつも話題になるのが上位陣ばかりでは文句も出そうなので、下位グループに注目すると、現時点で賞金ゼロが4名。宮崎妻が前年2位からここまで落ちてます。手駒からも上位進出は難しそう。比留田も出走わずかに3回。しかも昨年7月が最終出走日ですから、ほとんど未出走と同じ状態ですね。そして藤原兄・高橋誠にいたっては、いまだに出走ゼロ。いわゆる「見たことも聞いたこともない」状態。トホホ。ともかくBRA史上、賞金ゼロの会員は一人もいなかったわけですから、ここにあげた4名は空前絶後の偉大な記録に挑戦していることになります。でも、別に事務局としては表彰する気はないけど・・・。

 と言って彼らを笑ってる場合でないのが、32位・33位の乙川・西原ヘリオス。賞金稼いでると言っても未勝利2着の賞金以下かつ、彼らはそこそこ高い馬を買ってる上に、5頭持ちですから、はっきり言ってしゃれになってないのはこの人達でしょう。でもって、カンの良い読者はもうお気付きかと思いますが、もっとしゃれになってない会員もいるわけで、一応現在までの収支(賞金と馬代金+預託料の差額)のワースト5をお知らせしとくと、鈴木−広瀬拓−小林−乙川−藤原弟となってます。「ええっ。おれなの。」と思った人もいるのでは?

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