底知れぬ素質。
プライム、フェノマ、Gを奪取!

 いや、お久しぶりっす。これだけ会報発行が遅れたのも久しぶりっす。新規会員の中には、紹介者に「毎月会報が送られてくるから面白いよ。」なーんて言われ期待していた方もいると思いますが、申し訳ないっす。いくらシステム的に優れていても、運用者がズボラだとシステムは稼動しないという良い見本ですね。ま、クラシックへ向けてはこれからがサバイバルレースのスタートですから、皆様大目に見てやって下さい。

 さて、今年の3歳レースを一言で言うと「サンデーサイレンスとレコード」。これにつきますね。とにかくサンデー産駒の勝ち上がり率が9割近いのだから驚きです。いくら良質の牝馬が多いからとは言っても、それらの牝馬のこれまでの産駒がすべて活躍したわけでもないし、とにかく日本の競馬(特に3歳競馬)に向いていたとしか言いようがありません。小柄な仔が多いので仕上がり早。スピードがある。根性がある。器用だし、真面目に走る。後は能力の限界まで発揮することが求められるようなレースになった時の底力がどうかという点ですが、ここぞという勝負ではベルモントS以外無敗を誇ったサンデー産駒に勝負弱い仔が出るとも思えないし・・・。唯一疑問のある成長力についても、少なくともノーザンテースト牝馬の仔だったら、そんな心配も無いだろうし、来年はサンデーの仔は5000万アップにせざるをえませんね。

 ところで、ある本に、ブリーダーズカップでサンデーサイレンスがイージーゴーアの追撃をからくも振り切った、というような表現がありましたが、これは全く違います。4コーナーを回ったときにはサンデーはもうセーフティリードを保っており、後は軽く流してゴールインしたのであり、イージーゴーアは勝負が終わってから追い込んできただけです。少なくともあのレースではイージーゴーアはサンデーのライバルとは言えなかった。衛星中継で見てすごく拍子抜けした覚えがあります。

 最近競馬ブームの中で競馬ライターが増えるのはよいのですが、こういうように記録だけをもとにして、見ていないレースのことを書くのは勘弁してほしいものです。その他にも浜尾朱美は「私の大好きなロジータが懸命に追い込んだが届かず5着となったオールカマー」なんて書いてるし・・・。ロジータはオグリに勝つために前で勝負して、オグリに交わされると戦意喪失して(これは想像)タレちゃったんだっつーの。

 それでも、先日発売された「競馬成金」で後藤正俊の書いている「草競馬怪物列伝」よりはましですけどね。ブックに連載されている彼の「北の国から」というのは見識のあるコラムだと思っているのですが、この怪物列伝はラリったおっさんが書いているような内容です。一部御紹介すると、「カウンテスアップ・・・シンボリルドルフと同期だったが、ダートならこちらの方が間違いなく強かった。」(んな馬鹿な・・・。なんか発想が福本と蓑田が馬と競走したのと似てるぞ。ひょっとしてルドルフがサンタアニタのダートコースでつまずいたことが根拠か?)
「カズシゲ・・・第2回ジャパンカップであわやの4着となり絶望を感じていた日本のホースマンに自信を取り戻させた功労馬。」(この文読んで絶望したホースマンの方が多いんじゃないか。ヒカリデュールの立場はどうなる?)
「シバフィルドー・・・道営の重賞クイーンカップを5歳〜10歳まで連続して制覇した。同一重賞6連勝は世界タイ記録。クイーンアレクサンドラSでマークした英国のブラウンジャックと並ぶ世界で2頭目の記録だった。」(イギリス人の目にこの文章が触れませんように。道営の話を世界レベルにまで持っていくか、ふつう。じゃあ、マダカスカルでアイアイステークスを7連覇した馬が出たら世界記録か?そんなこと言ったら戦争になるぞ。)
「トミシノポルンガ・・・これを書いている時点ではビワハヤヒデを負かせるのはこの馬だけだろう。」(うっひゃっひゃあ!)

 すっかり前置きが長くなってしまいましたが、あわてて各馬のレポートに参りましょう。


 現時点での最強馬かどうかは別にして(私はフジキセキとエイブルカグラだと思う)、五十嵐プライムステージの完成度は驚くべきものです。3歳馬とは思えないセンス(これはサンデー産駒の枕言葉)で新馬、札幌3歳Sと2連勝。競ったら負けないという感じの勝負根性も魅力です。では2着のキタサンサイレンスは勝負根性が無いのかという議論になると、「この盾はどんな矛でも突き破れない。」なんて話になるのでやめときましょう。ちなみに、この問題の答は、堅さが同じならとんがってる方が強い、です。

 印象から言えば深尾トウショウフェノマのレースも凄いものでした。1200mのレースでどひゃーという出遅れ。ところが、3コーナーからナリタブライアン並みのまくりを敢行。直線でも目一杯追われて後続をつきはなす圧勝。トウショウボーイ産駒でこういう追い込みができるということは、CB2世となるのでしょうか。ちょっと褒め過ぎか。

 武豊に言わせると今年の3歳では、小倉組のレベルが一番高かったのだそうな。そのレベルの高い小倉3歳Sで、2着に健闘したのがオグリワンです。デビューから注目されたオグリワンですが、デビュー戦で4着になって、といっても皆が失望したわけではなく、「あーこんなもんかな。まずまずだな。」という感じで、また新馬勝ちの後のフェニックス賞で惨敗して、多くを期待するのは無理だなと思わせておいて、重賞で1発。ムラだなと思ったききょうSですばらしい根性を発揮して快勝。既にドラマチックな馬となっています。馬主の藤原弟は牝馬にもシスタータイクーンという大器が揃っており、まさに両手に花。こちらもオグリワンと一緒のデビュー戦で落馬した後2連勝。今週のデイリー杯でも有力です。

 上記2頭や小倉3歳Sを制したエイシンサンサンなどの豪華メンバーの新馬戦をスカっと勝ったのが工藤ブイマシン。地味な血統だけに工藤本人も「あーこんなのまで取っちゃった。」と言っていただけに、喜びもひとしおでしょう。

 乙川ヤマニンランバートは血統的魅力もあって、札幌3歳Sで2番人気におされましたが、出遅れてレースの流れにのれず5着。ただ芝の中距離が最も合っていると思えるだけに今後に期待です。

 クリスSヤマニンアリーナがデビュー戦こそPステージに僅かに後れをとったものの、2連勝。いずれも叩き合ってのものですが、次走では是非ちぎってほしいもの。クリスSは素質を高く評価されるブライトサンディーもいるし、ビッグヒーローもイクノディクタスの弟らしくタフに走っているし、なかなかうらやましいことです。

 宮崎妻は例年通り堅実そのものに入着を重ねています。グランドサソリ、タヤスツヨシが合わせて8回出走して全て掲示板。全く手堅い。

 佐々木規も今年は好調。インターブラボーが3連続2着でちゃっかりしているし、ダイタクテイオーが小倉3歳で5着、ききょうSでものすごい脚で追い込んで2着。2勝目も間近でしょう。

 渋い味を出している中島トーヨーシービーが特別で連続3着。現時点で喜多ネーハイジャパンと並んで出走回数はトップ。

 その他目立った馬は数あれど(13番人気で2着した宮崎夫スピードレンジャーとか。馬主が起きたらレースは終わってたけど。)、キリがないのでこの辺でおしまい。今年は飯田兄エイブルカグラ、浅井ビークワイエットなど新馬圧勝の後休養という馬が多く、朝日杯・阪神あたりで何が復帰するのか、結構気がもめるところです。

 さて、今号では恒例のピックナイン・コンテストの募集を行います。昨年は休んでしまいましたが、一昨年五十嵐の熟年パワーが爆発し、レッツゴーターキン、メジロパーマーの的中で大いにわいたコンテストです。下記の要項をよく読んで応募してください。

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