BRAの仕組みの中で、目標とすべき重賞は7つあります。3歳総決算としての「朝日杯」「阪神」の両3歳ステークス。春のクラシック4冠。そして可能性は薄いのですが、4歳古馬混合の「宝塚」。人それぞれに目標は違うかもしれませんが、最高の名誉といえるのは4歳春の「宝塚」制覇、続いてサラブレッドの最大目標である「ダービー」。日本においてはダービーよりも強い馬が誕生することの多い「皐月賞」という漠然とした順位付けはなされているのではないでしょうか。牝馬のレースについては、どうしても取りたいという人もいれば、桜や樫の女王よりもダービー出走を目指すという人もいるでしょう。そういう意味でBRAの所属馬は7:3ぐらいの比率で例年牡馬の占める割合が高くなっています。その結果、これまで「朝日杯」「皐月賞」「ダービー」の優勝馬を生み出したBRAも牝馬限定のGTについては、ホクトビーナスの桜花賞2着が最高の成績です。主催者としても、そろそろ牝馬チャンピオンの誕生を願いたいもの。まして今年は地力ダントツのヒシアマゾンが外車、メローフルーツが夏以降姿を見せていないということで、本番の桜は底力やスピードの絶対値よりも「レースセンス」が問われる勝負になる可能性が高く、今月のタイトル馬ノーザンプリンセスにも大きなチャンスがあると思われます。
新馬圧勝後、牝馬との混合戦では2着に破れたNプリンセスですが、牝馬限定のフローラSでは4歳トップクラスのエイシンバーモントが追い込みきったかと思うところを、一瞬の切れ味でインから強襲。風が吹くようなさわやかな勝利をあげました。本番前におそらくトライアルを叩くと思いますが、既にオープン勝ちで出走権をほぼ手中にしただけに、試走に徹することが可能になったことも大きなアドバンテージです。浅井は同じレースにミストラルアゲンも出走。自分から勝ちにいって後続に差されたものの価値ある3着。ただ札幌3歳、3歳牝馬Sもそうなのですが、決め手がないから自分から動かねばならず、かといって強力な逃げ馬をつぶせるわけでもなく、末の甘さから後ろの馬に差されるという悪循環にはまりつつあります。この馬などはむしろ思い切って逃げて徹底的にがんばるというレースを試させてみたいような気もします。
ミストラルアゲン小型版のような感じが藤原弟カシノディグニティ。抽選馬特別だろうが重賞だろうがオープンだろうが、いつも掲示板すれすれで欲求不満がたまるばかりです。
牡馬に目を向けると、基本的に今年の牡馬戦線は近年まれに見るハイレベルというのが一般的な見方。ナリタブライアン、ナムラコクオー、エアチャリオットの新3強はそれぞれ、瞬発力、パワー、センスという武器を持っており、これに根性のヤマニンアビリティ、底力のエアダブリンがどこまで迫れるかという感じでしょうか。弥生賞、若葉S、スプリングSでこの5頭は本番を占うことになりますが、未だに一度も顔を合わせていないこの5頭の力関係と、彼らを脅かす新星が誕生するかどうかが注目されるところでしょう。
新星というには既にかなりのキャリアをつんでいますが、飯田弟メルシーステージがこぶし賞で2勝目をあげました。単勝25倍という人気薄を利してまんまと逃げ切ったという印象も強いのですが、エイシンワシントン、オースミタイクーンという超大物の外車2頭を相手にしたものだけに価値があるといえます。血統はメルシーアトラの下ですが、基本的には母系、父系ともに短距離型。次走が真価を問われる1戦となるでしょう。
ただいま悲願のチャンピオンめざして独走中の広瀬拓は2番手のサクラエイコウオーも元気いっぱい。京成杯では朝日杯とは一変して抑えた逃げを打ち、ヒシアマゾンを最後まで苦しめて3着。短いところならいつでも勝てそうです。でも単勝ドカンはやめときなさいよ。
五十嵐兄エクセレンスロビンが久々に復帰。ナムラコクオーには子供扱いされましたが、激戦の中で3着をキープ。能力の高さをあらためて証明しました。しかし、その後脚部がもやもやして、次走は間に合えばスプリングS、場合によってはぶっつけで皐月賞ということになりそうです。
キッズ姫トニーザプリンスは昇級後のジュニアカップで3着。こちらもエアチャリオットに遊ばれてトップの壁は厚そうですが、大崩れはしないというところを見せ3着。めざすはロイスアンドロイスでしょうか。
寒い日が続きますが競馬はこれからがホットな季節。皆様も元気で万馬券などお楽しみ下さい。
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