翔べ、BRA飛行隊!
金銀同独占の快挙!

 先日の天皇賞では、競馬場へ行ったにもかかわらず、場内テレビしか見ることができなかったという信じがたい経験をしてきました。それにしてもオグリキャップの敗北(ヤエノムテキの勝利ではなく)という結果に終わった今回の天皇賞、前年の有馬記念の時のような感慨がなかったのが、我ながら意外でした。あの決定的な無常感は、もう二度と味わえないのかしら。負けてせつなくならないほどに、オグリは衰えてしまったのかしら。
 個人的には、大河ドラマであるオグリキャップは、あの無敵の連勝から最終戦でオグリに破れるまで、見事な短編小説のようであったタマモクロスとは異なり、最後の最後に万人の望む大団円を残していると予想しているのですが(願っているのではなく、予想しているのだよ)。

 それにしても、大川、井崎、吉田とフジテレビの評論家がことごとくヤエノムテキを抜擢していたのは驚異です。その一方で、レース前はオグリを応援すると浪花節をまき散らし、「連勝はC−E1点」と書きながら、レース後には、「ボクの持っていた、C−EとC−Cという馬券は・・・」などという文化人は自分が哀しくはないのでしょうか(源一郎さん、あんたのことだよ)。


 さて今月は比較的順調に会報が出せて、嬉しいことこの上なし。タイトル候補も目白押しだったわけですが、やはり久々の日の丸3本から始めなくっちゃね。昨年の夏、新馬戦でサンエムグランディ、メジロライアン、ワコーラツールが1,2,3着したことはありましたが、特別戦では初めてBRA所属馬が上位独占を果たしました。府中1600mのアイビーS。Sヤマトオー/Sフォルテ/Iミラージュの2度目の激突は、先行したフォルテを終始マークしたヤマトオーが岡部の(小島太ではなく)巧みなペース判断にも助けられて快勝です。とはいえ、2着に粘ったフォルテ、立て直して追い込み3着のミラージュとも、現時点では横一線と見ましたが、いかがでしょうか。

 続く府中シリーズ第2戦のいちょうSも、またまたBRA3頭出し。そして、またまた太が、岡部に助けられて3歳特別を連覇しました。勝ったのは乙川氏のサクラハイスピード。未勝利でもたもたしていた際、情けないなどと言ってしまい申し訳ない。大西氏のキングチェイサーはスローにはまって4着。五十嵐氏のビバリーヒルズは全く見所なくブービーでした(たとえお世話になっている方でも、悪い時は悪いと言うワタシ)。

 さて、その五十嵐氏のパイナップルスターは未勝利の分際で、なんと500万特別のサフラン賞に挑戦。あろうことか、凄まじい追い込みで快勝。タイムがこれまたマイル1分34秒8ときたもんだ。3歳でマイルを34秒台で走った馬は名馬になるという定説もあることですし、まさに順風満帆というところでしょうか。しかも、同馬は次走もまた、500万条件に出られるとか。うまいことやったもんだー。ちなみに同じレースで人気を集めたメジロベルサーチは、良血にありがちな揉まれ弱さを見せて6着でした。

 本来は1番に取り上げるべきだったかもしれないのが、中西祐氏のノーザンドライバーです。断然の人気に応えてききょうSを圧勝。しかも出遅れの不利を克服して、その後福島のきんもくせい特別を勝つゴールドストリートを差し切ったものだけに価値が高いところでしょう。そのきんもくせい特別には、前年のノーモアスピーディに続いて広瀬拓氏のサクラミネオーが出走。予想通り5着でした。そもそも中山でも追い込めない馬が、福島で勝とうというのが不可思議でしょう。早く府中を走らせてみたいものです。

 今月、初勝利を飾ったのは、大西氏のジングウオー。初戦は政人にズブくて、ズブくてと言わせたものの2戦目は余裕十分に快勝しました。これで大西氏は新馬3連勝。過去を振り返っても、デビュー11頭中8頭が新馬勝ちという凄まじさです。

 好調なのは工藤氏も同じこと。ゴールデンシラオキが武豊を鞍上にデビュー戦を快勝。東ではグロウファントムが岡部を得て2戦目を勝ち上がりました。羨ましい限りです。ただゴールデンシラオキは、2戦目のりんどう賞では完敗。もしかしたら2頭ともダート馬ではないかという噂が流れています。

 その他の馬の中では、西山氏のマイネルクレックが3回連続3着と、賞金を稼いで好調。萩原氏のトップモデル、ラコンテスは、昨年1頭しかデビューしなかった同氏を喜ばせてはいますが、成績的にはボロボロ。宮崎氏のアイノフラワーもボロボロです。デビューの遅れていた高橋氏は、ようやく良血トウショウヒューイがデビュー。不向きな1400mながら、3着、2着と好調。早く1800mを使ってほしいところか。

 しかし、だんだん頭数が増えてほとんどパニック状態。もしチェック漏れがあったらびしびし注意してください。


 さて今年は次々と不幸な連絡が続きますが、今月も登録抹消馬が2頭。中西昌氏のモンテヤシマ、芝氏のガンリュウオーが登録抹消となりました。それぞれ代替馬は次のとおり。

中西昌:スタビライザー(牡)父メイワパッサー 母ダーリングフィリー
芝:ダイイチクルス(牡)父ラッキーソブリン 母イットー

 芝氏のほうは、2000BCUの追加を納めることになります。

 それにしても、最近のBRA各馬の活躍は目覚しく、クラシックブリッジは遂にオープン入り、ブラックブレットは準オープン、ハシノケンシロウはカブトヤマ記念で本命。その他にもクラシックダンサー、メジログラフ、フォーティマイルズ、アサヒトウコン等々枚挙にいとまがありません。中でも菊花賞に断然の1番人気で出走するメジロライアンには健闘が期待されます。また今のところ除外濃厚ですが、ゴーサインも菊花賞に登録しており、もし出走できれば、宮崎氏は3冠レースにそれぞれ別の持ち馬で挑戦するという珍しい記録を作ることになります(同時に2年連続3冠全て出走という記録も達成)。

 ともあれ、最高のシーズンです。皆様の御幸運を祈りつつ、また来月。