競馬は涙か、溜息か。
さあ、新たなる旅立ち!

 横山の鞭がうなりをあげる。それはまさに怒りの追い込み。何度も、何度も心の中で叫ぶ。「ゴールよ、まだ来ないでくれ。」ライアンを応援している人間にとって、この時ほど、東京の直線が短く感じられたことはないだろう。しかし、2分25秒3で時計が止まった時、ライアンの前には、カブラヤオー以来のダービー逃げ切りを決めたアイネスフウジンがいた。

 なぜストロングクラウンは先行しなかったのか、なぜ横山はもっと早めに動かなかったのか、なぜ、なぜ、過ぎたレースを批判することは、たやすいこと。ただ、負けて悔いあるレースこそが、次なる勝負への期待と伏線となって、競馬を面白くしていくであろうことも、また事実です。メジロライアンの馬主である篠原氏に代わり、この場をかりて一言、言わせていただきましょう。
 「やい、フウジン。てめえ、今度会ったら容赦しねえぞ。この借りは、秋になったら倍にして返してやるからな。首を洗って待ってやがれ。」

 さて、長かったのか、短かったのか、1年が終わり、また新しい1年が始まります。今年度最後の愛馬レポートをお届けしましょう。

 とにかく、ダービーに大挙5頭を出走させたBRA。メジロライアンについては、上記の通り、まさに大魚を逃した格好となりましたが、その他大勢の着順は以下の通りです。ビッグマウス12着、ノーモアスピーディ13着、インターボイジャー16着、ハシノケンシロウ18着。ビッグマウスからハシノケンシロウまでの着差は、わずかに0.8秒。やはり力不足の馬が揃っていたみたい。ただし、それぞれのオーナーの感想は、菊花賞はいただきという強気の姿勢を見せる人から、ラジオたんぱ賞で勝負じゃ、という人まで様々でした。

 その他の馬の中では、ゴールドジョージに注目。デビューは遅れたものの、900万の白藤Sを勝って、これで6戦3勝。実は秋の目玉商品はこの馬かも。トウショウボーイ×ミルジョージという血統も魅力。ズバリ菊は、この馬とアズマイーストの一騎打ちと予言するのです。なぜそうなるのかは、また別の機会に。

 篠原氏は、もう終わったと思われていたアスクヒーローが500万を勝ち上がり、笑いが止まらないようです。

 BRA本年度最後のデビューは、乙川氏のフォスターナイトでした。なんと札幌の未勝利でデビューという、新潟からは随分と離れた初陣となりました。惜しくも6着。

 パトラッシュ、ゴーサインは古馬混合戦の札幌へ遠征。さすがにいきなりは通用せず、ともに8着。

 ヒロオクロスは、無難に500万平場へ登場。直線不利を受けながらも、猛然と追い込み3着。広瀬泰氏の複勝を無駄にはしませんでした。彼がそっとポケットから1万円の複勝馬券を取り出した時の笑顔を、私は忘れないでしょう。

 ドライビングモールは、駒草賞に出走。2番人気に支持されたものの、追って味なく、6着に敗退。この後は、短距離路線ではないでしょうか。

 川桐氏は、良血トウショウチャンプ、ルナオーキッドがここにきてフル稼働。ただし、結果は、山野浩一がひっくりかえりそうな大敗続きです。

 萩原氏は、ギャラントルックスが5月末にて登録抹消。お疲れ様。それにしても代替馬のベストフラッシュというのは何だったんだ。

 西山氏はワコーラツールが斃死とのこと。お悔やみ申し上げます。

 高橋氏のベストファミリーも相変わらず、直線で必ずたれています。東京での成績が極端に悪いのは、やはり坂のせいでしょうか。

 佐々木氏のミッドナイトコスモについては、本人もあまり語りたがらないようなので、コメントを控えましょう。これで全てを察して下さい。

 さて、今月は、1989年度の決算と、1990年度の申込関係資料を添付いたしました。

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