懸命に逃げ込みを図るアイネスフウジン、食い下がるニチドウサンダー、カムイフジ。内からはホワイトストーン、大外から河内のツルマルミマタオー。そのど真ん中を力でこじあけるように抜けてきたのはピンクの帽子、ライアン、ライアンだ。
まさに90年のクラシックを占うメンバーが集結した報知杯弥生賞。篠原氏のメジロライアンは、その素質が買われて、3歳チャンピオンのアイネスフウジンに次ぐ2番人気に支持されました。レースは、不良にしては、前半61秒台の厳しい流れ、ライアンはやや後方の内をじっくりと追走します。4コーナーで馬群がバラけたと見るや、ライアンのパワフルな追い込みが炸裂。アイネス、ニチドウの間を豪快に割ってゴール前では、騎手の横山のガッツポーズが出るほどの圧勝劇でした。この後は、皐月賞に直行すると思われますが、ハクタイセイがダービー一本に備えるという噂もあり、スプリングSでよほどの大物が現れない限り、本番で1番人気になる可能性が大きくなってきました。
敢えて本番での不安を探すと、追い込み一本という脚質でしょうか。G1では皆簡単には、引き下がってくれませんから。それでもシービーだって、追い込みで3冠を取ったのだものね。まあ、皐月賞では、腰が抜けるほど単勝を買って下さい。
さて、その他の出走馬のレポートです。宮崎氏の期待、サクラアサヒオーは、500万特別の春菜賞に登場、1番人気に応えて、勝ち上がりました。ただ、同じレースに出走したマイネルグランツ、ウィナーズパレスあたりから寸法を計ると、弥生賞組とは、若干力の差があるかも。しかし、小島太というハンデを背負ってのものだけに、価値ある勝利という見方もありますね。
特別賞にリーチがかかった大西氏は、遂に最後の一頭ゴールドジョージがデビュー。阪神の新馬で7着でした。開催最終週でのラストチャンスに大記録がかかります。大西氏は他の馬も満遍なく出走しており、最多出走賞も狙える勢いです。トウショウデュークは、500万の平場に出ましたが、スローで逃げたものの末脚がかったるく5着。パトラッシュは、桜花賞で家賃が高く11着。ニホンピロボーイは、平場で2番人気に支持されましたが、ピリッとした脚がなく4着でした。
長らく沈黙していた高橋氏は、ベストファミリーが復帰。見るからに太めだっただけに、6着でしたが、次は変わってくるでしょう。期待のメジロルイスもようやくデビュー。これほどの良血にもかかわらず、6番人気と低い評価でしたが、最後方から良血馬らしい伸び脚を見せ3着。これも次走に期待大です。
佐々木氏は、ほとんど見放されていたトウコウキャロルが遮眼革で大変身。2200mの未勝利を見事に逃げ切って、なんと単勝4990円。連勝は万馬券という大波乱の立役者となりました。まめに追いかけているとラッキーに巡り合いますね。一応いつものインターボイジャーについても一言。きさらぎ賞に出てました。
乙川氏は、リワードシェンブラが、新馬勝ち。こちらも連勝は万馬券。しかし、新潟では、午前中のレースは単複しか売ってないそうな。合掌。同馬はその後、桜花賞に挑戦、4秒6ちぎられて14着に惨敗しました。シャガールアモンも未勝利で2着。まずまずというところでしょう。
萩原氏は、フラワーアモンが相変わらず勝てません。小倉戦で8着。またロイヤルデュークが、未出走のまま登録抹消となるなど、もーいや、こんな生活といったところでしょうか。
川桐氏は、やっとジュウジアローの牡の名前が決定しました。フォーティマイルズというなかなか良い名前を授かって、一日も早いデビューが待たれます。
工藤氏は、ラッキーセブンが、小倉帰りは怖いという格言どおりに、中山の未勝利を快勝。おめでとうございます。タイムは2分8秒6。前走14着の時よりも遅いという珍事。おめでとうございます。
西山氏は、ハシノケンシロウが、オープンへ昇格。クロッカスSで得意の追い込みを見せたものの、逃げ馬にマイペースに持ち込まれて、惜しくも2着。次は、いよいよスプリングSで真価を問われる番です。逃げるんじゃないぞよ。
さて、2月末をもって登録抹消となった、萩原氏のロイヤルデュークの代替馬が以下のように決定しました。
ベストフラッシュ 牡4 黒鹿毛
高橋英厩舎 パーフライト×チャイムアリトル(REPICADO)
すぐ出るという話だったのですが、今のところお見かけしていません。
それにしても、今月は前記ロイヤルデュークに加えて、昨年の所属馬メジロバークレイも死亡。ドライビングモールは不安発生。ノーモアスピーディも調整が遅れるなど暗い話題が多かったわけですが、無事是名馬という言葉を、もう一度かみしめて、ひとまずお別れいたしましょう。