■ 野鳥の分類 ■



《 生物学的な分類 》

 すべての生物を、それぞれの仲間ごとのグループに分けたものです。
 生物学では「界−門−綱(こう)−目(もく)−科−属−種」という単位で、体の構造などの近い仲間をグループ分けしています。
 鳥という生物は、すべて「動物界−脊椎動物門−鳥綱(ちょうこう)」に分類され、その下にそれぞれ近親の仲間ごとに「目−科−属−種」というように種類わけがされます。
 この中で「種」というのは一番細分化された分類で「スズメ」とか「ウグイス」などというように種類の名前になります。
 また、さらに細分化する場合は「○○上目○○目○○亜目○○上科○○科○○亜科」というようにも分けられます。
 さらに、同じ「種」の中でも、住む地域などによって微妙に違いが現れたものを「亜種」と呼びます。
 ちなみに、これらの分類方でいうと、私たち人間は

「動物界−脊椎動物門−哺乳綱−霊長目−真猿亜目−狭鼻猿上科−ヒト科−ヒト属−ヒト」

 ということになります。
 現在鳥の世界では、山野に住む鳥では「スズメ目」が、水辺に住む鳥では「コウノトリ目」「チドリ目」が一大勢力を誇っています。



《 見られる時期による分類 》

 野鳥の中には、種類によって一年中見られる種類や、夏や冬など特定の季節だけやってくる種類、また季節によって日本国内を移動する種類などがいます。
 みられる時期によってこのように分けています。

 留 鳥 一年中、同じ地域に住んでいる鳥。
 漂 鳥 季節によって日本国内を小規模移動する鳥。
夏は北海道や東北で繁殖し、冬は中国四国や九州で越冬するなどする鳥など。
また、夏は高地で過ごし、冬は平地に降りてくるものも。
 夏 鳥 夏は日本国内で過ごし、冬になると熱帯の地域や南半球に渡る鳥。
 冬 鳥 夏はシベリアなどの北方で繁殖し、冬は日本国内で越冬する鳥。
 旅 鳥 「渡り」の途中で日本を通過する鳥で、春や秋の「渡り」の時期にみられる。
 迷 鳥 本来は日本ではみられないが「渡り」の途中で迷子などになり、稀にみられる事がある鳥。



《 成長による分類 》

 鳥の成長による呼び名の変化は以下の通りです。

 ひな鳥 卵からかえって、羽が生えそろうまで。
 幼 鳥 羽が生えそろってから、一度目の換羽まで。
 若 鳥 一度目の換羽から、成鳥羽になるまで。
若鳥のうちは、成鳥と羽色の異なる種類が多く、種類の判別が難しい。
 成 鳥 成長による羽色の変化が起こらない年齢に達した鳥。
ちなみに、成鳥になっても換羽により夏羽と冬羽の羽色が変わる種類は多い。



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