沖縄の信仰

沖縄では仏教やキリスト教なのど宗教があまり浸透してはおらず、先祖崇拝や沖縄独特の信仰が見られます。

先祖崇拝

沖縄では「先祖崇拝」が広く浸透しており『トートーメー』と呼ばれる「位牌」そのものが崇拝の対象となるそうです。
「先祖崇拝」の気持ちから「お盆」は沖縄の年中行事では重要視され、遠く本土などへ働きに行っている者は「正月には帰らなくともお盆には帰る」という者が少なくないようです。
『トートーメー』は、基本的に長男が継ぎますが、居ない場合は血縁の男子が継ぎます。場合によっては継承者をたどって、ブラジルに移民した一家に行き着いた、などという例もあるそうです。
父系の男子しか継ぐことができず、『トートーメー』を受け継ぐ事は土地財産も受け継ぐ事にもなります。これが「男女差別」であるという議論もあり、財産問題が絡むため問題を一層複雑にしています。


御嶽(ウタキ)

古くからある集落には、かならず御嶽があるそうです。御嶽とは神々が下って来る、といわれる神聖な場所であり、集落の森や小高い丘、岬などにあります。
御嶽の形態はさまざまですが、御神体や建造物が無いのが本来のかたちだそうですが、近年ではコンクリート製の拝所を作るところも多いようです。線香をあげ、塩や花米などの供え物をしてさまざまな祈願をするそうです。
御嶽には女性しか立ち入る事ができず、男子が立ち入って神罰が下ったという言い伝えもあるとのことです。また、御嶽の木を折ったり、石を持ちかえったりすることは厳しく禁じられています。
御嶽の中でも、最高の聖地とされているのは、本島南部の知念村にある「斎場(セイフア)御嶽」です。


ノロ(神女)

ノロとは琉球国時代に、各村々に置かれた「司祭者」の事だそうです。
ノロは農耕儀礼の祭祀を司り、村人から尊敬され、畏敬の念をもって崇められました。ノロは独身主義者ではないので、恋愛もすれば結婚もします。ノロは代々血縁によって受け継がれるそうです。


ユタ(巫女)

ユタとは祭司、お告げ、占いなどを行う巫者での事です。つまりは恐山の「いたこ」のような一種の呪術師とも言えます。
病気や家庭内の不幸、旅行や受験など、沖縄の女性はなにかにつけてユタのところに出掛け、吉凶や不幸の原因を占ってもらう習慣があり「女のユタ買い」という言葉があるくらいです。
ユタは神霊から授けられた霊能力を持ったものが修行を積んで、初めてユタとして認められます。


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