でいご(梯梧)



 宮沢和史率いる「ザ・ブーム」のヒット曲「島唄」の歌詞にも出てくる「でいご」というのがこの花です。
 インドやマレー半島が原産のマメ科の高木落葉樹で、日本では沖縄が北限とされています。
 木の高さは10mにもなり、毎年4月〜5月にかけて、真っ赤な花を付けます。
 昭和42年に県民の投票により「沖縄県の花」として選ばれ、街路樹としてもよく見られますし、各地の公園などでも見かけます。
 ただ、かなり大きくなるので一般家庭で庭木などにされることは向かないようです。
 また、この「でいご」、沖縄では「やしきこーさー(屋敷壊さー)」と言う別名があって、根の力がものすごく強いため、庭など家の近くに植えてしまうと、基礎を壊してしまい家を傾かせてしまうという話もあります。
 実際、街路樹などとして植えられているモノを見ても、根の部分のアスファルトなどが盛り上がってしまっていることがありますので、その力はかなりのものなのかもしれません。
 「でいご」の花は、毎年必ず咲くとは限らず、毎年花の量が違います。
 そのため、木によって満開のものもあれば、花一つ付けていないとうこともあり、なんとも得体のしれない雰囲気があります。
 沖縄では「でいご」がたくさん咲く年は台風の当たり年になるという話もありますが、実際のところはどうなのでしょうか?琉球大学あたりで検証されたことはないのでしょうかね(笑)
 さて、この「デイゴ」どうにも写真には撮しにくい花で、それというのも葉を付けた木には花が少なく、まさに枯れ木に花が付いた状態で、しかも房状の花が根元のほうから咲き始め、先のほうが咲くころには根元の方が汚く枯れてしまっているのです。
 そのため撮影の頃合いが難しく、房の根元の花弁が枯れて散る寸前くらいの木を探して歩くことになりますが、これがなかなか大変です。
 また、木が大きくなるため、花が上のほうに付いており、なかなかよいアングルで撮るのも難しいことが多いのです。
 真っ赤に咲き誇る「でいご」ですが、散ったあとは木の下がなんとも汚く、掃除が大変そうです。
 なお仲間には「アメリカデイゴ」と呼ばれる南米原産のモノもありますが、こちらは比較的低温に強く、本州などでも見かけることがあります。



葉だけのでいご 街路樹としても


枝の先に放射状に咲く 真っ赤に咲き誇る



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