【コラム・６】 オキアミのパワー 　オキアミと言えば、本州方面では欠かせない釣りエサで、投げ釣りを除けば、磯釣りでも船釣りでも、万能エサとしてもっともポピュラーなものです。 　しかしながら、これが北海道ではちょっと事情が変わってきます。 　近年、ホッケのウキ釣りなどがブームになってからは、オキアミが付けエサやコマセに使われるようになりましたが、それ以前はあまり使われることが無く、小さな釣具店では在庫の無いところも珍しくなかったように思われますし、今でも３ｋｇブロックを在庫している釣具店はあまり見かけません。 　また、チカ釣りなどに使うアミエビとオキアミを混同している人も少なくなく、現在でも認知度は決して高いとは言えません。 　普及率が低いせいなのか、本州方面にくらべオキアミの価格も高く、店によっては１ｋｇブロックが６００円以上するところもあり、本州方面にくらべ５割り増しくらいの価格設定と思われます。 　これがさらなる悪循環となっているのか、オキアミはますます身近なエサとは言い難い状況になっているのです。 　ではなぜ、これだけ集魚力が高く、あらゆる魚に効果があるオキアミが、北海道で普及してこなかったのでしょうか？ 　一番の原因として、北海道ではオキアミをもっとも多用するウキフカセ釣りがあまり盛んではなかったことや、船釣りでもオキアミを使う釣法がポピュラーでなかったことが上げられます。 　本州方面でオキアミで釣る魚といえば、クロダイやメジナといった磯魚や、マダイ、アジ、イサキなどといった、北海道ではあまり馴染みの無い魚が多く、北海道に生息する魚種の問題もあると思われます。 　ただ、ホッケに限らず、多くの魚がエビなどの甲殻類を食べているということを考えると、北海道でオキアミが通用しないということは考えにくく、事実、ベタ底のウキ釣りでオキアミにカレイが食ってきたという経験もありますから、北海道での釣りにもオキアミが有効なのは明らかです。 　ただ、オキアミにも大きな問題があって、冷凍ブロックで販売されているために、冬季間は極めて使いにくいということです。 　付けエサ用としては添加剤入りの凍結しないものが数多く出ていますが、コマセ用のものはアミエビのような添加剤入りのものをほとんど見かけません。 　私の知る限りではマルキューの「サッとオキアミ」くらいのものですが、これも置いていない釣具店も多く、決して入手し易いとは言えません。 　もともとはアミエビも冷凍ブロックで売られていたものが、冬季間のチカ釣りに対応を迫られ、「凍らない」モノが広く普及したわけですから、オキアミの需要が増えればこちらのほうもいろいろなメーカーから出てくる可能性は十分にあります。 　北海道では決してポピュラーとは言えないオキアミですが、私自身、クロダイ狙いのウキフカセ釣りでカレイか釣れたということも経験していますので、今後需要が増えて行く可能性も大いに残されています。 ものぐさ釣り日記 へ戻る