ライラック



 「ライラック」は英語名で、フランス語で「リラ」と言います。
 和名では「ムラサキハシドイ(紫丁香花)」と言いますが、北海道ではこちらよりもむしろ「リラ」のほうが聞き覚えがあるくらいです。

 北海道では庭木としても街路樹としてもごく普通に見られる木です。
 昭和35年には市民の投票により「札幌市の木」として選ばれたほど身近な木で、毎年5月の下旬には大通り公園を会場に「ライラック祭り」が開かれます。
 私たち道産子にとっては、街中にこの花が咲き誇るようになると「そろそろ初夏も近いかな・・・」といった感じで、ライラックが咲き誇っているのを見ると、なんとなく嬉しい気持ちになってしまいます。

 モクセイ科ハシドイ属の落葉低木で、耐寒性に優れているため寒い地方ではよく見られますが、暖かい地方ではあまりよく育ちません。
 一般には3〜5メートルくらいですが、最大では8メートルほどにもなるそうです。
 原産はヨーロッパ東南部のバルカン半島で、日本へは明治の中期にアメリカから持ち込まれました。
 花の色は白系と紫系が一般的で、紫系は色の淡い物から濃い物までさまざまですが、どちらかといえば淡い紫の花をよく見かけるように思います。

 枝の先に小さな花が房状に集まっており、ひとつひとつの花は筒状で、先が4つに切れ込んでいます。
 中には5つに切れ込んだ花も見られ「四つ葉のクローバー」のように幸せを呼ぶものとして喜ばれています。
 香りが大変すばらしく、香水の原料としても使用されます。
 多くの園芸品種が作出されていて、一般的な一重咲きのほかに八重咲きのものもあります。



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