一年間待ち焦がれた秩父夜祭も、雨となれば屋台行事は中止となります。
秩父夜祭は、これまで何度となく雨を経験してきたのでした。

 昭和21(1946)年以降、祭りの日に雨が降った年の11月28日から12月4日までの一日の降水量と行事の実施状況をまとめると、下表のとおりになります。

 昭和24(1949)年から昭和38(1963)年までのわずか15年の間に5回の雨(うち1回は雪)を経験しています。実に3年に一度と、祭りの日に雨が降ることも決して珍しくない時期があったのです。

 昭和38(1963)年の雨以降に、雨になったのは、平成10(1998)年ですから、実に35年間雨はありませんでした(写真:昭和38年12月4日付埼玉新聞「いざ引き回しの屋台」とキャプション。この年、煙火は中止になりましたが、6台の笠鉾・屋台は団子坂を上ったのです。)。

 その後は、平成21(2009)年の11年ぶりの雨に続いて、平成22(2010)年には12月3日の朝方に雨。平成23(2011)年には、12月2日から降り始めた雨が3日6時頃からさらに激しくなり、午後1時過ぎまで降り続いたのでした。

 今後は、祭りの日が雨になってもおかしくない。そのような想定の下で、祭りの準備をする必要がありそうです。

秩父夜祭前後の降水量と行事の実施状況
年 代 \ 日 付
(11月)
28日

29日

30日
(12月)
 1日

 2日

 3日

 4日
12月3日の
雨の状況
行事の状況
―――――――
   団子坂|煙火
1949 (昭和24)年
16.6
24.6
5.4
0.9
朝から終日雨
 × | ×
1950 (昭和25)年
44.1
0.1
28.5
0.2
11月29日から雪と雨
 ○ | ○
1953 (昭和28)年
0.6
2.1
0.2
未明から小雨が続く
 ○ | ×
1959 (昭和34)年
28.5
8.3
朝土砂降り。正午頃止む
 ○ | ○
1963 (昭和38)年
4.0
3.0
1.6
朝から雨。午後から断続的
 ○ | ×
1998 (平成10)年
3.0
3.0
終日雨
 × | ○
2009 (平成21)年
1.0
1.5
12.0
11時頃から20時過ぎまで雨
 △ | ○
2010 (平成22)年
4.5
25.5
朝激しい雨。8時前に止む
 ○ | ○
2011 (平成23)年
4.0
6.5
46.5
激しい雨。13時過ぎに止む
 ○ | ○
※1 数値は一日の降雨量(単位:mm)
※2 ○・・・実施  ×・・・中止(煙火は延期)  △・・・一部(中近と下郷)中止
※3 1969(昭和44)年12月3日未明に0.5oの雨を観測したが、行事に影響がないので省略。
※4 気象庁気象統計情報〔観測地点:秩父〕、埼玉新聞及び秩父市中町町会文書により作成。
(2011年12月12日 中村 知夫)
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