れなBieさんの「ソフトな話」

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《ご挨拶》

当HPのお客様れなBieさんはソフト開発者として多忙な日々をお過ごしです。だが、asktakaがお願いして、コンピュータ全般についての四方山話「ソフトな話」をゲストブックに寄稿中です。このページではそれらをまとめて転載致しました。ご感想やご意見、激励の言葉などはゲストブックにお願いします。なお最新のお話は(こちら)へ。



第1話:パスワード(1)

asktakaさんのご要望により、ソフトウェア開発等についての 書込みをさせて頂くことになりました。不特定多数向けに コンピュータ全般について四方山話をするつもりですので、 識者の方には物足りないかとも思いますが、ご了承ください。

ということで、asktakaさんからのリクエスト「パスワード」に ついて、そのセキュリティー面における重要性についてのお話。

皆様はプロバイダへのログオンや電子メールのパスワードを どのように設定しているでしょうか? まさか、ユーザ名と同じなんてことはないですよね? パスワードは人に知られないようにわかりにくいものを 設定することは常識です。もし電子メールのパスワードが知られ てしまったら、メールのやりとりを全て覗かれてしまうだけでなく、 SPAMや匿名メールなどに悪用され、犯罪者の片棒を担ぐようなことに なりかねません。

では、どのようなパスワードを使えば安全性が高まるのでしょうか? これをパスワードを盗み出す方法(パスワードクラック) の実例から考察しようと思います。

ところでパスワードクラックですが、ネットワークやサーバに 詳しくなければ出来ないことだと思っていませんか? 実はパソコンとインターネットがちょっと使えれば簡単に 出来てしまうんですよ。まあ、ある程度のレベルまでですけど。

ということで、続きは次回に。

(2000年6月12日)




第2話:パスワード(2)

コンビニエンスストアのサンクスでGatewayのパソコンを販売する ことになったそうです。コンビニはこれからますます多用化して いくのでしょうが、それに伴ってレジの混雑も増していくような 気がします。コンビニのレジはそろそろ考えた方がいいんじゃないかなぁ、 なんて思います。

さて、本題の「パスワード」についての続き。 パスワードクラックについて、電子メールのパスワードがサーバから 盗まれる例を考えてみます。

クラッカー(パスワードを盗もうとする人)はまずサーバに侵入 し、パスワードを管理しているファイルを探し出します。 通常、パスワードは復号化できないプロセスで暗号化されて いるので、パスワードファァイルを参照するだけではパスワードを 盗み出すことはできません。

ここでクラッカーは「辞書」を用います。「辞書」とは、 パスワードとして使用されやすい文字列の一覧表のことです。 クラッカーはこの「辞書」にあるパスワードを一つ一つを暗号化し、 パスワード管理ファイルにある暗号化されたパスワードと比較します。 もしパスワードの中に「辞書」に書かれているものと同じ物が あれば、そのパスワードは盗まれてしまうわけです。

ここからがさらに重要なのですが、これらの一連の作業はほぼ全て あらかじめ用意したプログラムで行います。手作業で1つ1つ パスワードを打ち込んだりするわけではありません。 さらに、このようなプログラムや「辞書」はインターネット上に 置かれていて、フリーソフトやシェアウエアをダウンロードして 実行するのと同じように簡単に出来てしまうのです。 これで、パスワードに簡単な文字列を使ってはいけない理由が 明確になったかと思います。

おっと、終電間近なので、今回はこの辺で(^^;

(2000年6月13日)




第3話:パスワード(3)

いやはや、前回はちょっと尻切れになってしまいました。 気になって仕方がないので早速続編です。

サーバに不正アクセスするためのツールがある事を前回お話しましたが、 巷に出まわっているようなツールによる攻撃への対策は、 管理の行き届いたサーバであれば既に対策をしてあります。 逆に、何の対策も行っていないサーバであれば、大した知識が なくても簡単に不正アクセスを許すことになります。 要するに、サーバの安全性は、サーバの運用側のセキュリティ 意識によって大きな差があるということです。

もう2年くらい前でしょうか?某ニュース番組で「ハッカー」の 特集を放送していました。私は見ていないのですが、番組に出てきた 「ハッカー」なる男はパスワードを手で一つ一つ打ち込み、生年月日 か何かを打ち込んでクラックに成功したそうです。 インターネットに精通する人達はこれを「お笑い番組」として 楽しんだそうです。理由は前回の書込みを読んで頂ければお分かりですね? 古い話とはいえ、世間がいかにインターネットのセキュリティに 無知、無学であるかを露呈したといっても過言ではないでしょう。

また、「2000年 情報セキュリティ調査概要報告」によると、 (http://www.iaj.or.jp/iaj/iajnews/news/2000security.html) 情報セキュリティ専門の社員が部門にいない企業が68.1%だということ です。他の業務のついでにサーバの管理を行うような体制で、 毎日のように報告されるセキュリティ情報を追い、 自社のサーバの対策をするようなことが可能でしょうか?

さらに、サーバにどんなセキュリティをかけてもそれを打ち破ろうとする 者が存在するのですから、インターネットで扱われる情報は常に 危険にさらされているわけです。

というわけで、次回は個人レベルでできるパスワード管理についてです。

(2000年6月14日)




第4話:パスワード(4)

パスワードクラックに使用される「辞書」をダウンロードしました。 (「簡単に入手可能」であることの証明にもなりましたね。) 中を見てみますと、あるわあるわ、約16万語。しかし、正直、 「こんなのでヒットするのかなぁ」と思うものばかりです。 「辞書」にも出来、不出来があるので何ともいえませんが、 やはり単純なパスワードを設定する人が多い、ということでしょう。

さて、お待ちかね(?)の、パスワードの管理について。 パスワードの決定における鉄則は、

「なるべく長く、大文字、小文字、数字、記号を混ぜて」

これに尽きます。 これだけで終わってしまっては元も子もありませんので(^^;

まずパスワードを設定する際に犯しやすいミスについて例示します。 名詞やら英和辞典に載っている単語などの類は論外ですので 今回はとり上げません。

初心者にありがちな失敗は、一言で言えば「単純な規則による 暗号化」を施したパスワードをつけてしまうことかと思います。 "ユーザ名:abu07b"で例えると、

b70uba → ユーザ名を左右を逆にする
bcv18c → ユーザ名をアルファベット順に、または数字を1つずらす
sni-8n → ユーザ名に対しキーボードの右隣に位置する文字を使用

等でしょうか。これらの中には一見して分かりにくいものも ありますが、プログラムレベルでは逆にとても分かりやすいのです。

また、記号や数字を混ぜるのは良いのですが、"1abu07b1"のように ユーザ名の前後に付け足しただけのものも発見されやすいです。 (辞書ファイルの中にも"1***1"等の形式が多く見受けられました。)

次にパスワードの保守について。 パスワードは頻繁に変更することが望ましいです。万が一 パスワードが漏れたとしてもパスワードを変更してしまえば 前回のパスワードは無効なのですから当然のことですね。 個人レベルでの対策はこれが一番重要かつ有効です。 あと、パスワードをメモするのは好ましいことではありませんが、 メモする場合にも何か工夫を凝らしてください。例えば、 パスワードの偶数列と奇数列で分割し、別々の紙にメモして、 別の場所に保管する、とか、パスワードを暗号化して保存する、 などです。 付箋紙にメモしてモニターに貼り付けるなんてもってのほかです。

如何でしたでしょうか?これを読んで、「面倒だなぁ」と思った あなた、セキュリティに対する意識が不足しています。 肝に銘じておいてください。

とまあ、偉そうなことを言ってしまいましたが、今回は自戒の意 も多分に含まれている、ということで、ご容赦ください。(^^;;;

P.S.ちなみに、私のパスワードは無事でしたが。(^^)

(2000年6月15日)




第5話:パスワード(5)

>asktakaさん 「もっと書け!」と言わんばかりのレス、有り難うございます。(^^) そろそろ締めようかと思っていましたが、asktakaさんのレスを基に セキュリティ意識について触れておこうと思います。

>知恵比べで何とかなりそうな気がしてきました。 う〜ん、話がパスワードの設定方法に特化しすぎてしまったようです。 たとえ知恵を絞ってどんなパスワードを考えても、パスワード そのものが知られてしまったら何の意味もありません。従って、 ユーザーはパスワードを考える以前に、まずパスワードが 自分以外の人間に知らてしまうことのないようにすることを 考えなければなりません。

さらに、私が言うまでもありませんが、「知」である事象の解決を 試みると、まわりが見えなくなることがあります。ソフトの開発を していると、頭で考えたロジックにこだわるばかり、ちょっとした ところに盲目になってしまうような「罠」に陥るケースが多々 あります。「辞書」に引っかからないパスワードを設定すること ばかり考えてしまうのは危険かもしれません。 せっかく思考を凝らして難解なパスワードをつけたとしても、人 目に付く所にメモ書きし、全く変更しないようではちょっと。。。

1ユーザーが知恵を使うべきは「覚えやすいパスワードを設定すると 単純なものになってしまう」ことと「ばれにくいパスワードを設定 するとメモをとっておかないと忘れてしまう」ことのジレンマを いかに解決するか、ではないでしょうか?いたちごっこは専門家に 任せて、ユーザーレベルでは基本に忠実であるべきだと思います。

あと、「辞書」を使ったクラックはほんの一例に過ぎないことを 併記しておきます、念のため。

>私は付箋紙を愛用しておりまして、時々画面に貼り付けています。 これはまずいですねぇ。パスワードは自分以外の何者にも知られては いけません。たとえ家族、恋人、友人、信頼できる同僚であっても です。「信頼している人々を疑えるか!」と思う方もいらっしゃる かと思いますが、良く考えてみてください。

パスワードの漏洩は必ずしも悪意によるものとは限りません。 「過失」という事も十分ありうるのですから。。。 また、「彼なら絶対大丈夫!」というようなある意味一人よがり な信頼感より、お互いがセキュリティの重要性を理解し、 パスワードを知られない様にすることを尊重し、指摘しあえる ような関係こそ、知的で素敵な信頼関係だと思いませんか?

今回もなんだか自分で自分に言い聞かせなくてはならない 内容になりました。次回こそ総括の予定です。 では!

(2000年6月16日)




第6話:パスワード(6)

体はデカいがTシャツが似合わないれなBieでございます。 学生の頃は暑いと必ずTシャツだったんですけど、今や体を 隠さずに表にでることが出来なくなってしまいました。(_ _) 運動したいなぁ。。。

ところで、Geoは専用のCGIしか使えないようですね。改行の件では 私も何度もご迷惑をおかけしてしまっているのでヒマをみて自前で CGIを組んでasktakaさんにプレゼント(押し付け!?)しようかなぁ、 なんて思っってたのですが、ダメですね、残念。(メ,メ)

さて、パスワードの漏洩とその防止について述べてきましたが、 最後に、まとめのようなものを書込んでおきます。

情報セキュリティはいたちごっこだと言われています。 「ハッカー」がテレビで紹介されると必ず「俺達に侵入できない サーバなどない!」というような事を言いますが、実際どうでしょう? 実はどんなに優秀なハッカーであっても、高度な技術を導入すれば そうやすやすとセキュリティの壁を突破できるわけではありません。 (参考:http://www.glbex.com/)

ネットワーク犯罪はそのほとんどが無知な個人やレベルの低い ネットワーク管理の穴を突いてくるものなのです。 従って、情報セキュリティはその技術云々より利用者の意識の 問題がとても重要になるわけです。我々はこの事をしっかりと 理解しておかなければなりません。

あと、偉そうに書込みしている私ですが、別に情報セキュリティ の専門家でもなければ、ネットワーク管理の経験があるわけでも ありません。皆様と同じで、パソコンやインターネットを利用する 1ユーザーに過ぎません。つまり(強引ですが)、今回紹介 した話は全てインターネット利用者の「常識」であると捉えて ください。事実、専門的技術にはほとんど触れていないはずです。

情報インフラの整備の急務が叫ばれておりますが、それに ともなってセキュリティー意識も高めていかなければなりません。 IT革命が目先の利益にばかりとらわれずにバランス良く進行して いくことを切に願うばかりです。


(2000年6月19日)




第7話:カジュアルデー

ビジネスマンの服装の話が盛り上がっていますので、 ソフトウェアエンジニアの服装についてお話します。

スーツ着用で勤務する理由は一言で言ってしまえば「顧客に対して 失礼の無いように」ということになるかと思います。 ソフトウェア業界は派遣業を生業としている会社が多いためか、 スーツ勤務のところが多いようです。しかし、失礼云々という意味で、 スーツ勤務が効果をなしているとは思えないのが現状です。

服装は大雑把に分けると次のような傾向がみられます。

・大手メーカー → カジュアル
・派遣会社 → スーツにネクタイ
・中小のソフトハウス → まちまち(ややスーツ多し?)

また、ソフトウェア開発は主に大手の会社から下請け、孫請け、 曾孫請け、、、という風に仕事が流れていき、下請会社は 請け負いまたは派遣という形で仕事を引き受けます。

ここで、大手メーカーが派遣会社から開発者を補強するケース を、上記傾向を前提に考察すると妙なことがおこる場合があります。 カジュアル勤務のメーカー側は派遣されたスーツ着用の技術者に カジュアル勤務を推奨するでしょう。 「まあ、そういうことであれば、」てなことで、派遣の技術者も 大抵の場合、カジュアルな服装で勤務することになります。 すると、当該派遣会社では、

自社勤務 → スーツ
派遣先勤務 → カジュアル

ということになるわけです。これではまさに本末転倒ですね。

プログラマは論理的思考を究極的に求められるので、リラックスできる服装で仕事に臨むのがベストだと思います。 個人的には、スーツ(というよりネクタイ)は首の圧迫感が 集中力を阻害するので、あまり良い服装だとは思えません。 ただ、スーツのほうが良いと考える技術者がいるのも事実です。 ということは、今求められているものはただ単に「カジュアル」 なだけでなく、ビジネスにおける服装の新たな標準ではないでしょうか?

昨今のカジュアルブームが、「フォーマルでなくカジュアル」 という域にとどまらず、フォーマルとカジュアルの概念を抽象化 することで、新しいビジネス服飾モデル(?)を創造する ことに期待したいです。

ちなみに、私の場合、派遣先では集に1度カジュアルデーがありますが、 自社では試験導入の末、廃止になりました。。。 今度、どうして廃止になったのか、取材がてら質問してみます(笑)

P.S.
ファイト!さん、おめでとうございます。\(^o^)/


(2000年6月27日)




第8話:35才定年説

ソフトウェア業界には「35才定年説」というのがあります。 読んで字の如く、ソフトウエアエンジニアの寿命は35才まで、 という意味です。この様に言われる理由は、

・技術の進歩の速さについていけなくなる。
・激務についていけなくなる(体力的な問題)
の2点だと推測できます。まあ、何となく分かるような気もしますが、 私にはピンと来ません。

まず技術の進歩の速さですが、プログラム言語も確かに日々進化 していますし、情報技術も次々に新しいものが考案されています。 ただし、これらは全て応用技術です。コンピューターアーキテクチャ の基本部分は何ら変わってはいません。大雑把に言ってしまえば 同じ物を如何に利用するか、という方法論が変化しているだけです。 35才くらいでついていけなくなる技術者は基礎的な理解が不足 しているだけではないでしょうか?。コンピューターの何たるかを 全く理解せずにプログラムだけを覚えようとしても所詮付け焼き刃 、新しい言語を覚えるときにはまた1からやり直すのと変わらない 労力を使うことになります。基礎がしっかりしていれば、35才 くらいでついていけなくなるようなことはありません。

次に体力的な問題ですが、これは確かにあるかもしれません。 忙しくなれば2、3日の徹夜など当り前のようになります。 しかし、論理的思考を求められる前に体力を求められるというのは あまりにもナンセンスです。豊富な経験や長い時間をかけて培われた 技術はソフトウェア開発においてもっとも大事なものであり、かつ 欠かすことのできないものです。いくら体力があってもソフトウェアに 対する理解が少ない若手ばかりで良いも開発が出来るはずもありません。

「35才定年説」はしっかりした技術力を身につければ必ず克服できる、 と私は考えます。逆に、生半可な知識や態度で臨んでいると半ばで 淘汰されるということです。「35才定年説」という言葉が生まれた のは、それだけ「なんとなく」仕事に取り組んでいたえせ技術者が 多いことの表れなのではないでしょうか?技術者はやはり技術が命です。

う〜ん、何だか説得力の無いつまらない駄文になってしまいました。 次回はちょっと面白い企画を考えていますので、請うご期待!


(2000年7月4日)



第9話:未踏ソフトウェア創造事業

前回予告した「面白い企画」はボツとなりました。。。(^^;
そんなわけで、今回は時事ネタをご紹介です。

IPA(Information-technology Promotion Agency、情報処理振興事業協会) http://www.ipa.go.jp という通産省の外郭団体が「未踏ソフトウェア創造事業」という事業を 開始するそうです。これは、http://www.ipa.go.jp/NBP/12nendo/12mito/ によると、

「本事業は、優れた能力を有する個人又は数名のグループによる市場性、 研究開発要素の独創性等に秀でたソフトウェアの開発 を支援するもので、 IT分野における有識者の方々からなるプロジェクト・マネジャーに、 独自の視点からテーマの選定等を行って いただきます。」

だそうです。

概要を説明すると、12人のプロジェクトマネージャーがそれぞれ 提示するプロジェクトに該当する提案を個人及び団体に対して公募し、 良い物にはお金を出しましょう、ということです。 この様な試みは国家プロジェクトとしてはなかなか面白いかなあ、 とも思いますが、実際に上記ページの案内を見てみるとどうも しっくりこないです。

このプロジェクトの公募期間ですが、たったの1ヶ月しかありません。
#いつ頃からこれに関する情報が流出したのかは不明ですが。 その間に12(以上?)もの「未踏ソフトウェア創造事業」などと 言うほどの極めて優れた開発が募れるのでしょうか?もっと長期間の 公募期間を設定して、本当に優れたものと判断できるものに対して 支援を行うのなら分からないでもないのですが。。。

詳細が分からないので何ともいえませんが、これって結局、凡庸な プロジェクトに対して援助するだけに終りそうな気がします。 で、大した成果を挙げられない、なんてことに。。。(^^; まさか、既に決められた所に資金繰りするためのプロジェクト だったりするわけでは。。。(^^;;;;;

そもそも、このプロジェクトはIPAの手詰まりを暗示しているような 気がしないでもないです。情報処理産業の現状の問題点を分析、 抽出してそれを基に施策を練るようなことはしていないのでしょうか? IPAのこれまでの成果を見ても、業界が要望することやその問題点 について分析するような姿勢は感じられません。

#形だけはやっているようですが。
#http://www.ipa.go.jp/CG/cyousa99/ 国家プロジェクトもasktakaさんにコンサルタントしてもらわないと 駄目ですかね。(^^)

まあ、つべこべ言っても仕方が無いので、未踏のプロジェクトが 日本のIT産業をリードすることに期待しましょう。


(2000年7月18日)



第10話:「lynx」の話

突然ですが、懺悔します。。。(^^; 7/20に某戦略コンサルタントのHP内のBBSにカラ投稿をしたのは 実は私でございます、、、申し訳ございません。。。m(_ _)m なぜこのようなことになったのかと申しますと、会社のPCに「lynx」 を導入し、色々と試していたところ、誤操作に気付かずにカラ投稿 してしまった、というわけです。

さて、いきなり何のことやら訳が分からないかと思いますが、 今回はテキストベースのWebブラウザ「lynx」を紹介します。 「lynx」とは、元々、UNIX上で利用されているWebブラウザで、 テキスト形式のWebページ(画像のないWebページとお考えください) をブラウズするためのアプリケーションです。もちろんWindowsでも 使用することが出来ます。

このブラウザの特長を挙げると、(対IE・NN比)

・フリーソフトである。
・コンソール(DOS窓)で動作する。
・軽い(起動が早い、サクサク動く)。
・メモリの消費量が少ない。
・動作が安定している(ような気がする)。
・見た目が貧弱(グラフィカルではない)。
・操作方法が直感的ではない(キーボード主体)。
・機能が貧弱(フレーム未対応、JAVA、JAVAScript未対応
画像の閲覧は他アプリとの連動が必要、等)。

といったところでしょうか?

私はNNでもJAVA、JAVAScript、画像を全てOFFにしているので 「lynx」をメインで使い、必要に応じてNNを使うことにしました。 例えばasktakaさんの「今日の話題」は「lynx」で拝見しています。 この書込みも「lynx」でしています。

まあ、正直なところ、一般の人にオススメできるようなものでは ありません。Webの現状はIEとNNを中心に考えられているので 「Lynx」ではちゃんと見られないページも結構ありますので。 ただ、使い方によってはとても便利なツールであることは間違い ありません。そこで、「lynx」の有効な利用例を紹介しておきます。

会社で仕事中にインターネットを利用してWebしている方も 多いかと思います。(^^;;;

そのような皆様は一目を気にしながらIEを立ち上げたり しているのではないでしょうか?そんなあなたには「lynx」が オススメです。このブラウザを使ってWebしていても、周囲の 人々は恐らく誰一人としてあなたがWebしていることに 気がつかないでしょう。。。(^^;;;;;

・・・・・・・、とまあ、冗談はこのくらいにしておいて、 一応、日本語版lynxのホームページのURLを下記しておきます。 http://www.nurs.or.jp/~asada/lynx/index.html

今後も「ソフトなお話」で時折フリーソフトの紹介をしようと 思います。なるべく実用性の高いものを紹介するつもりですので (今回と違って?(笑))ご期待ください。

ところでasktakaさん、「lynx」だとこのHPはどのように 見えると思いますか?どう見えるんでしょうねぇ、フフフ。(?)

#上記文中の「IE」は MicroSoft Internet Explorer、 #[NN]は Netscape Navegater を表しています。


(2000年7月24日)



第11話:「IT業界の病理」の話

今回はとっても手抜きです。。。(ーー;
しかしながら、内容はとても根源的な物です。 IT産業に関わる企業の幹部の方々や、IT関連企業に就職希望の 学生さん達にぜひとも御一考頂きたいと思います。

日本のIT業界の病理を端的に指摘したコラムを紹介します。 IT産業に関わる企業の幹部の方々に是非とも読んで頂きたいです。 この中に出てくるインド人技術者のコメントが強烈です。

http://www.zdnet.co.jp/macwire/0007/18/c_kangaroo.html (こちら
#該当記事は後半部分のみです。

いかがでしょうか?少なくともこれを読んで「日本のIT革命はバラ色」 だと感じる方は恐らくいないでしょう。個人的には、この現状 (労働条件や優秀な人材の不足)はしばらく変わらないのではないか と思っています。
#日本人は「技術者を尊敬する」という発想が皆無らしいので。:-P

IT革命が叫ばれていますが、この様な業界の状況下で日本が今後 IT先進国として成熟できるのかどうか甚だ疑問です。日本の場合、 IT革命は「IT業界革命」と共に歩んでいかなければならないのでは ないでしょうか?

というわけで、電脳奴・れなBieがお送りしました。。。:-P


(2000年7月25日)



第12話:「視覚障害者に配慮したHP」の話

今回もとっても手抜きです。。。(ーー;;;
が、皆様にいち早く目を通して頂きたい緊急企画です。

ある方のホームページの紹介です。百聞は一見に如かず、 ということで、下記のリンク先を御訪問ください。

http://www.win.ne.jp/~katsuaki/(こちら

ご覧頂ければあえて私が語る必要も無いかと思いますが、一言。 進化、発展、サービスの向上等を考えるとき、福祉に対して盲目に なってしまうような気がします。仕方が無い部分もあるでしょうが、 不用意に福祉に対するサービスが退化するケースも多いのでは ないでしょうか?(JR東日本が採用しているタッチパネルの券売機は 視覚障害者の方には評判が悪いそうです。これは退化ですよね?) 進化が早いと言われるIT業界の一端を担っている者として いろいろと考えさせられました。

余談ですが、上記ページの作者である勝彦さんは「ソフトなお話」 で紹介したWebブラウザ「lynx」を使用しているとのことです。 ページをご覧になっていれば説明不要ですが、視覚障害者の場合、 テキストブラウザでないととてもWebできないようです。

そこでちょっと思うところを書いてみます。テキストブラウザは通常複数フレーム には未対応です。もしページにフレームが存在する場合、まず、 どのフレームに行くかを選択しなければなりません。フレームが トップページにある場合、まず訪問者が最初に来るはずの トップページの前に、訪問先を選択するページに行くことになります。 視覚障害者にとって、これはかなり不便ではないでしょうか?

というわけで、HP作成者の方々に提案です。ホームページは せめてトップページだけでもフレームは無しにしませんか? もちろん理想はフレームあり、なしを両方用意することです!(^^)


(2000年7月25日)



第13話:古典(?)からIT産業を学ぶ

今回も人様に頼ってみました。。。(-,-)y-~~~
今回はAsktakaさんの提言を真似て「古典?からIT産業を学ぶ」です。

お勧めの書籍は次の3冊です。

1.フレデリック・ブルックス 『人月の神話』
2.エドワード・ヨードン 『デスマーチ』
3.マキャヴェリ 『君主論』(^^;

まず、『人月の神話』ですが、これを読まずにソフトウェア開発は 語れない、と言っていいほどの歴史的名著です。この本にはソフト開発に おけるさまざまな「神話」がいろいろと取り挙げられています。 その中の1つが題名にも用いられている「人月」です。 ソフト開発の規模を示す言葉に「人月」というものがあります。

例えば「4人月」なら4人で開発して1ヶ月、2人で2ヶ月、 1人で4ヶ月、といった具合です。著者はこの「人」と「月」を数量的に 交換することが錯覚(神話)である、と指摘しています。 根拠の無い「常識」に惑わされないために、技術者のみならず、 間接的にでもソフトウェア開発に関わる全ての人々が必読の 1冊といえるでしょう。(とか言いつつ未だ読んでいない私。。。)

次に『デスマーチ』は、当然の如く行われる無謀なプロジェクトにおける 技術者の対処法について語ったものです。とはいうものの内容は上層部の 政治的問題やプロジェクトマネージャーとの交渉、人事問題、開発手法 などの話題に重点が置かれ、技術者よりむしろ管理側向けの内容に 仕上がっているように思います。ジョークもちりばめられていて、 (「フライドポテトが嫌いな政治家」のジョークは大笑い(^o^)) 肩の力を抜いて読めるのもGoodです。これを読んで「コストパフォーマンス に優れたシステム」について模索してみてはいかがでしょうか?

最後に『君主論』については、Asktakaさんの「8月の提言」の マキャヴェリについて述べられている箇所の「経営改革」を 「ソフトウェア開発」、「現代のビジネスリーダー」を 「ソフト開発のプロジェクトリーダー」と置き換えて読むとピッタリです。 事実、マキャヴェリを好む技術者は多いように見受けられます。

ちょっと手抜きをしてしまったのでもう1冊。

・藤原博文 『(コ)の業界のオキテ』

これは特にお勧め、というわけでもないのですが、非業界関係者向けに 日本のコンピューター業界の裏側について真面目に語ったおそらく 唯一のものです。書籍自体は絶版ですが、著者がWebページにて公開 (こちら)しています。
#かなり毒気が強いのでお取り扱いにはご注意を(笑)

というわけで、ビジネスマンの皆様、これらを読んで 21世紀のIT産業のあり方を考えてください、いや、ホントに。


(2000年8月15日)



第14話:ソフトな人々

先日、このサイトからリンクしている某常連さんのホームページに訪問 したのですが、トップページに「FLASH4やJavaScriptを使用しています」 と書いてあったのを見て私、「???、FLASH4って何!?(^^;」。

こんなこともありました。八重洲ブックセンターにWebを利用した 書籍検索のコーナーがあったので覗いてみると、「を、iMacだ!」。 iMacを触った事がなかったので、ちょこっと使ってみたのですが、 「IME(日本語変換)、どうするの?(^^;;;」。

職業でプログラマをしていると、パソコンやインターネットにあまり 詳しくない人から、それらのことなら何でも知っているかのように 思われる事があります。しかしながら、パソコンやインターネットの 知識は我々プログラマも一般の方と大して変わりません。 まあ、これは考えてみれば当然の事とも言えるでしょう。パソコンや インターネットはソフトウェア開発を行うための「道具」として 利用しているにすぎないので、パソコンの利用、という意味では その他の業種とさほど変わりないわけです。

ここで、私がプログラマになる前に描いていたプログラマ像と 違っていた例を紹介します。

1.パソコンを持っていない。
2.仕事意外でプログラムを作らない。
3.仕事のほかにコンピューターとの接点がない。

1は最初は驚きましたが、結構います。パソコンは今やプログラマの 必須アイテムくらいのイメージを持っていましたので。しかし、 いざ自分がなってみるとその理由が分かりました。私も家では ほとんどパソコンに触っていません。。。

2は一般の方はどう思われるのでしょうか?プログラマになる人は 「好きこそものなんとか」な人ばかりだと思っていましたが、 趣味でプログラムをする人は全体の5%にも満たないのでは ないでしょうか?

そして3ですが、プログラマはその多くがTVゲーム好きだったり、 キャリアのある人ならば趣味でマイコンをいじってたりするものですが、 単に「手に職」というだけで業界に飛び込んでくる人も結構います。 ただ私の類推ではそういう人はそのうちに、、、以下自粛(笑)

なんともとりとめのない話になってしまいましたが、プログラマ にも色々な人がいるということで、、、(?)

というわけで、3rdworldmanさん、FLASH4についてはとても勉強に なりました。勝手ながら、どうも有り難うございました。m(_ _)m(笑)


(2000年8月28日)




第15話:2進数

突然ですが皆様、両手の指を使って数をいくつまで数える事が出来るでしょう?「指は10本なんだから10に決まってる」と思った方、いらっしゃいますか?そう思った方は今一度よ〜〜〜く考えてみてください。:-D

今や猫も杓子も、総理大臣までもがIT、ITと騒いでいます。。。(^^;; そのITの技術の核となっているものが言わずもがなの「デジタル技術」です。 デジタルの世界では全てが「0」と「1」だけ、つまり2進数で表現されます。 したがって、今皆様がご覧になっているこの書き込みもコンピュータ内では 全て0と1で処理されているです。例えば「asktaka」は、

01100001:a
01110011:s
01101011:k
01110100:t
01100001:a
01101011:k
01100001:a

となります。さて、ここで2進数について少し触れておきましょう。 2進数とは簡単に言えば「2数えたら桁が繰り上がる数の表記」です。 これは我々が慣れ親しんでる10進数と比較すればとても簡単です。

10進数: 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 ・・・
2進数: 0 | 1 | 10 | 11 | 100 | 101 | 110 | 111 | 1000 | 1001 ・・・

10進数では9の次は繰り上がりますが、2進数では1の次が繰り上がる、 ただそれだけです。(^^)

では、本題に戻ります。今、指を立てている状態を1,曲げている状態を 0とします。両手の指は左右合わせて10本ですから、2進数で10桁まで表現 できることになります。つまり、

(2の10乗)- 1 = 1023

まで数える事ができます。え?↑の式の意味が分からない!? 本当に分からない方は「数」についての理解不足を疑ってくださいね。:-D


(2000年11月6日)



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