asktakaの北京便り





  • 三泊四日(02年3月8日〜11日)の短い間でしたが北京を訪問しました。asktakaは中国本土は初めてで、マイレージ消化を兼ねて珍しく観光のみの旅でした。では、帰国後にまとめた北京便りをどうぞ!

  • 北京便り・ビジネス雑感

    昨年は欧米を周って、ベルリンのポテンシャルを強く感じました。東西統一後10年余、ベルリンがドイツのみならず欧州の経済の拠点として大きく変貌しようとしています。ベルリンはこの数年で世界で最も変化する街であることは確かだと思います。では、アジアはどうかということで、今年は公私共に「アジア」をテーマに海外を見ようと思っています。

    そこで、先ずは中国ということで北京を訪れたわけです。無論この政治の中心地のみを見て全中国を語ることはできません。しかし、ベルリンで感じたような、確かなポテンシャルは感じました。

    北京の中心部、王府井(ワンフーチン)に、東方新天地というホテルとデパートそして専門店からなる商業施設が誕生しました。この中には吉野家、ケンタッキーフライドチキン、スタバなどお馴染みの店が出店していました。ちなみに、この施設は香港資本が開発したそうです。そういえばasktakaの泊まった王府飯店(The Place Hotel)も香港のペニンシュラホテル系ですね。このホテルには、ルイ・ヴィトン、シャネル、ゼニアなどの有名ブランドがテナントとして入っています。早速ゼニアで春物のタイを買いましたが、レートを換算すると日本で購入するよりも高くついたことに気付きました。ヴィトンの値段も、ものによりますが概して日本で購入するよりも割高な印象を受けました。

    しかし、ゼニアやシャネルなどは現地の人達に大変な人気で、いずれの店も数人がスーツなどを注文していました。何年か前にゼニア・ジャパンの人から、中国のエグゼクティブの間でゼニア人気が高まっていると聞いていましたが、これほどまでとは思いませんでした。日本のゼニアショップでは見られない光景ですからね。もっともシャネルの店では、男性が女性にスーツなどを買ってあげるというパターンで、思わず中国の○金(○の漢字は想像してください)か、と大きな独り言が出てしまいワイフから顰蹙を買いました。

    中国では、北京や上海などで勤める20代後半から30代前半のヤングエグゼで月給にして約3千元から4千元だそうです。日本円で5〜6万円というところです。これも大都市のエリートの賃金で、地方の一般労働者はせいぜいこの10分の1、日給にして10元以下から5分の1だそうですからね。このような給与体系の中で、20万円以上はするスーツを買える人たちを大勢見かける光景は何とも不思議ですね。

    それから、天安門や故宮博物館、万里の長城などの観光地は中国各地からの観光客で満ち満ちていました。欧米人や日本人観光客も見かけましたが、8割以上は中国人のようですね。中国人も資本主義的な消費行動を着実に身に付けているといっては失礼でしょうか。

    これも経済成長の恩恵と、物価の安さが大きく貢献しているように思います。経済成長率は90年代の前半は2ケタ成長だったし、最近でも7,8%の成長率を維持しています。ちょうど日本のS30年代後半の高度成長期後期あたりのイメージでしょうか。

    故宮博物館内のお土産屋(清韻堂The Hall of Rhythem Serene)では、ラストエンペラーの愛新覚羅溥儀の甥っ子がボランティアで書を書いていました。本人が目の前で書く以上偽物ではないので(甥っ子ということ自体が偽であれば別ですが)、安心して(?)買いました。ただ、逆向きで書いたり、二刀流ならぬニ筆流で書いたものですから、お遊びではあります。別に最初から書いてもらうつもりはなかったのですが、何となくそんな気にさせられた感じです。それと、値付けの仕方を見ると商売は上手いですね。当方は、どこまで値段を下げるかどうか、交渉の過程をエンジョイしました。

    第一日目の夕食後、オプションで京劇を観賞しました。孫悟空ものともう一つの出し物でしたが、約一時間ちょっとの上演時間は瞬く間に過ぎました。飛んだり跳ねたり、騒々しくはありますが、中国茶と茶菓をつまみながらの観劇は、酔いも覚めて気分は爽快でした。それと上演前に、観客に役者の化粧姿を見せるという演出も、なかなかのものだと思います。こうしたプロセスを見せて、何でも商品にしてしまう逞しさは、最近の日本人は忘れているかもしれませんね。

    物価の安さといえば、街のレストランで昼食を食べると5〜6元かせいぜい10元です。1元約15円ですから、日本の6分の1程度でしょうか。中国の都会では収入も物価も日本の約6分の1とすれば、一般の生活レベルは実質では日本とさほど変わらないような気がします。

    WTOへの加入が本決まりになり、2008年には北京でオリンピックが開催されます。そしてショッピングセンター「東方新天地」の館内には、2010年の上海EXPOのポスターが至るところに張ってありました。こうした街の景色を見ると、21世紀の最初の十年は、中国が一層の国際化の道を歩むディケードであることを実感します。

    それにしても商魂のたくましさや値付けなどのビジネスの強かさは眼を見張るものがあります。ただ、筆などの書道の道具をはじめ正札から交渉次第で半額程度になりますから、先進諸国の感覚ではないですね。これが、MBA流のマネジメントで理論武装したあかつきにはどうなるか。背筋が寒くなる思いをするのはasktakaばかりではないでしょう。今度は、上海、大連、天津などを周遊して、当面はビジネスを抜きにして中国をもっと肌で感じてみたいと思います。では、北京便り・ビジネス編はこのへんで。

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    北京便り・グルメ雑感

    asktakaは香港で広東料理に馴染んだせいか、台湾へ言っても台湾料理というよりも広東料理の店を探してしまいます。もっとも米国ではちゃんとした広東料理は、甘味が勝って敬遠しますけどね。北京では北京ダックは美味でしたが、宮廷料理は今一つピンときませんでした。「食は広州にあり」を再確認したというのは言いすぎでしょうか。

    先ず、北京での第一夜は北京料理、といっても北京ダックの全聚徳という北京で一番有名な店に行きました。BBSにも書きましたが、日本では、北京ダックは皮だけを包んで食べるのが一般的です。だが、北京のお店では皮のみでなく身も一緒に包んでいただきます。以前から、皮だけでは物足りなく思っていましたから、これは本場の味の方が勝ると思います。それと、焼きたての北京ダックを丸ごとテーブルまで運んで、その場で身付きの皮をそいでくれる演出もなかなかです。日本では身の方は他の料理に使うようですが、その割には皮だけの北京ダックは高いですね。

    二日目のお昼は、万里の長城に行く途中のドライブインでいただきました。このレストランは日本からの北京ツアーで、万里の長城コースの 定番だそうです。料理は日本人向きになっているとは思いませんが、結構asktakaの舌には合いました。まぁ、日本で食べる普通の中華料理屋よりもややましといったところでしょうか。

    夜は広東料理だということで、工人体育場東門のそばの「錦都久縁」という店に案内されました。ここでasktakaは、老酒も飽きてきたので、ワインの選定に時間を費やして料理の方はガイドにお任せでした(この夕食まではツアー料金に含まれていたので、飲み物の代金だけ支払うシステムです)。そうしたところ、出てきた料理は広東料理というよりも四川料理のようでした。店内を見渡すと、広東料理の名物である鮑の煮込が土鍋で提供されているではありませんか。オプションでオーダーすればよかったと思っても後の祭りで、昔のようには食べられませんからね。

    広東料理といえば鮑以外では蒸し魚料理がお薦めですね。例えば、香港の福臨門でいただくガルーパ(日本では「あいなめ」だそうです)などの白身魚の蒸した料理は、asktakaの知る限り、大げさかもしれませんが世界一だと思います。値段も国際価格ですがね。

    三日目(10日(日))はホテルでゆっくり朝食をとって、瑠璃廠(リュリチャン)という書店、工芸品店などが並ぶ清朝時代の街並みを再現した商店街に出かけました。主に筆やお手本などの書道の道具を見に行ったのですが、中国書店がやっている博物館などは見ごたえがありました。お昼はこの街の中のレストランで麺類を食べたのですが、周囲の中国人の食べている料理と値段を見ると、ビジネス雑感で述べた通りです。味は慣れないせいか、asktakaの口には合いませんでした。

    夜は北海公園内にある正統派宮廷料理の仿膳飯荘へ行きました。この店は、紫禁城御用達の厨房後に作られたもので、清朝の女官姿で給仕してくれます。料理は一人400元のコース料理とワインその他を頼んで、締めて二人で1200元、日本円で2万円弱ぐらいでした。料理は、鮑、燕の巣、フカヒレの姿煮などの他、ラクダの手のひらが出ました。これはasktakaにとって初体験で、ややゼラチン質で不思議な食べ物でした。

    宮廷料理は、見た目の美しさはさすがだと思いました。だが、味はとなると、期待したほど洗練されたものではありませんでした。もしかすると、もっと本格的な宮廷料理の店があるのではないかと思って、翌日ガイドさんに聞いてみましたが、答えは?でした。そうそう、ワイフによると、西太后が愛したといわれるデザートに出たお菓子類は、とても美味だったそうですが、asktakaはいただきませんでした。

    四日目は帰国日で正午過ぎには空港へ向けて出発です。最後のビュッフェ形式の朝食をホテルでとったのですが、欧州のホテルとは違って、スモークサーモンはないし、ハム・ソーセージ類の品揃えが少なく、不満足だったですね。もちろん点心類は揃っていましたが、シャンペンはなかったですからね。香港のペニンシュラはほとんど欧州と同様だと思いましたが、最近は変わったのでしょうか。

    この日の昼食は、ワンタン専門店でいただく予定でしたが、朝食が遅かったせいでパスしました。この店は、ホテルの近所にある夕方から屋台が並ぶ一帯にあり、中に入って店内を覗いてみましたが、現地の人達で賑わっていました。シンプルなワンタンで10元程度でしたが、やはり都心部の王府井あたりでは周辺部に比べて割高です。結局昼食は北京空港のラウンジ富士で軽くつまんだ程度でした。asktakaにはホテルの中華粥よりも、こちらの方が美味に感じました。

    今回は初めての北京なのでANAマイレージ会員向けの特選パックに参加しました。中国語が全く駄目で、英語もホテル以外でどこまで通じるか不安だったからです。ツアーといっても、asktakaとワイフの二人に日本語専攻の短大を出たガイドと運転手付きですから、さほど違和感はありませんでした。旗を持ったガイドの後についてゾロゾロ歩く自分の姿は、想像したくないですからね。こんなわけですから、随分皮相的な北京便りになってしまい、また、とりとめのない話になりました。またの機会にリカバー出来ればと思っているのですが・・・・。

    ではでは、再見(ツァイ チィエン)!!

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