→MBAのキャンパスは大学と同じニューヨークのセントラルパークの北西にあり便利だ。だが、エグゼクティブ・プログラムは、通常60キロ北にあるコンファレンス・センター、アーデン・ハウスで行われる。
→私はNYCが大好きで、時間があるとセントラルパークからColumbia大のキャンパスあたりまで散歩したりする。毎年ブローシャーを取り寄せてはいるが、まだプログラムに参加する機会がない。どちらかというとNYCは、私にとってアーバン・リゾートの街なのだ。
→BSのランキングはBWが6位、USニューズ誌では6位だ。エグゼクティブ・プログラムについては、BWが10位、FTが2位にランクしている。分野別ではマーケティング、ファイナンス、人的資源などの評価が高い。
FUQUA(Duke):
→Fuquaはノース・カロライナのダーラムにある有力大学の一つDuke大のBSだ。ダーラムは、City of Medicine として全米に知られ、病院やヘルスケアなどの医療機関が充実している。また、リサーチ・トライアングル・パークは世界有数のリサーチ.コンプレックスで、世界最大の医薬メーカーGlaxo(グラクソ)を始め多数の医薬系企業が集積している。
→Fuqcaはこのような環境下で、ビジネス・エリートのためのエグゼクティブ・プログラムを提供している。ちなみに、MBAのランクはBWが7位、USニューズ誌が8位、エグゼクティブ向けはBWが8位、FTが11位と最近ランキングが上昇している。
→主なプログラムは次の通り。
a.上級ジェネラル・マネジャー向けの4週間プログラム"Advanced Management Program"
b.新任ジェネラル・マネジャーやマネジャー向け2週間プログラム"Program for Manager Development"
c.その他ロンドン・ビジネス・スクールとの提携による"Marketing Leadership Forum"がある。
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HBS:
→HBSはケネディ・スクールやロー・スクールなど他の大学院のキャンパスとは異なり、チャールズ河の対岸にある。地下鉄の駅を降りてハーバード・ヤードの方へ歩いていくと、何故か寛いだ気持ちになる。友人がMITに客員として滞在した際案内してもらったのが、MITのサミュエルソンとソローの両名誉教授の研究室と、ハーバード・ヤードの傍のメキシコ料理の店だった。その時のリラックスした印象が強いせいか、HBS側はピーンと張り詰めた雰囲気が伝わってくる気がする。
→HBSに関しては書籍も数多く出版されており、ミステリーまがいのものまである。MBAのランキングでは、最近StanfordやWhartonにトップの座を譲っているが、エグゼクティブ・プログラムでは依然高い評価を得ている。ランクを抜きにして、世界を代表するBSであることは確かだ(この3月の発表されたUSニューズ誌のMBAランキングではStanfordと並び1位でした)。
→米国経済が不調であった10年ほど前には、マスコミを始めビジネス・スクールの功罪が議論され、HBSも批判の対象になった時期もある。だが、BSもマーケットの声に合わせて変化する。企業倫理を取り入れる他、戦略的意図、中核能力、チーム制など日本企業の成功要因を研究し、また米国企業の失敗の研究から新たなマネジメント・パラダイムを創造する。この創造プロセスとそのビジネス社会への定着化に果たすBSの役割が改めて見直されている。BSの存在が米国の経営ファンダメンタルズに寄与しており、USインクの(ジャパン・インクに比べ)競争優位の源泉の一つだからだ。HBSはHBR(Harvard Business Review)とともに、この点に大きな役割を果たしてきた。
→HBSの主なプログラムは次の通りです。
a.上級役員向けの9週間プログラム"AMP:Advanced Management Program"
b.海外法人や事業部の責任者向け6週間プログラム(ほぼ3週間ずつ2回に分けて実施)"TGMP:The General Manager Program"
c.ジェネラル・マネジャー育成のための10週間プログラム"PMD:Program for Management Development "
(上記のプログラムには、三井物産、三菱商事、三菱電機、日立、松下、東芝、NTTなどの日本企業が参加している。)
d.その他、企業戦略、リーダーシップ、マーケティング、ファイナンス、人事など6日間程度の短期プログラムがある。
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INSEAD:
→INSEADは、パリ近郊のフォンテンブローにある、欧州を代表するBSだ。米国のBSがいくらグローバルに参加者を募っているといっても、やはり米国が中心である点は否めない。グローバル・スタンダードとは実はアメリカン・スタンダード(有名な衛生陶器会社もこのような名前だが)である、とある人がいっていた。しかし、米国のやり方で全てがOKというわけでもない。欧州は経済圏として統合されたといえども、個々の国の文化、生活様式まで変わらない。グローバル社会が多様性社会であるとすれば、真にグローバルな視点からマネジメントを学ぶには欧州がよいと思う。この意味ではINSEADはお薦めだ。
→INSEADは、シンガポールや香港でもエグゼクティブ・プログラムを開催するので、日本からも参加しやすい。特に2000年10月には、シンガポールにビジネススクールの新施設がオープンするので一層便利になる。INSEADから毎年ブローシャーを取り寄せているが、今だに参加する機会がない。そこで、この機会にシンガポールでのプログラムに参加するかといえば、個人的にはやはりフォンテンブローの方がいい(何せフランス語の響きは、まるで歌を聴くように美しく、食事は美味しいし・・・)。
→先日、2000年のスケジュールが送られてきたが、AVIRA(下記を参照)は欧米とアジアで開催されることになり、参加者にとっては便利になった。5日間プログラムなので、物足りないと思う向きもあるかもしれないが、多忙なエグゼクティブにはちょうどよいと思う。
→INSEADのエグゼクティブ・プログラムは、BWでは9位、FTではトップにランクされており、やはりヨーロッパでの評価が高い。
→主なプログラムは次の通りだ。
a.上級役員向けの4週間プログラム"Advanced Management Programme"
b.役員、幹部社員向け6週間プログラム"International Executive Programme"
c.トップ向け5日間プログラム"AVIRA−Awareness, Vision, Imagination, Responsibility, Action"
d.アジアの役員、幹部社員向け2〜4週間プログラム"Asian International Executive Programme(2 Weeks)" & "CIM−The Asia Course in International Management(4 Weeks)"
e.その他、戦略経営、マーケティング、ファイナンス、テクノロジー・マネジメント、人的資源管理・組織などの3日から5日のプログラムが多い。
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KELLOGG(Northwestern):
→Kelloggは、私達の世代にとってマーケティングのコトラー先生を抜きに語ることはできない。MBAコースにおいて、BWのランキングで2位、USニューズ誌では5位、エグゼクティブ・プログラムでもBWで3位にランクされる一流BSになった。これもコトラー先生の貢献が大きいことは衆目の一致するところだ。KelloggのMBA2年生Minaさん(こちらへ)によると、先生は今は授業をもっていないとのことだが、HPを開くとまだ先生の品良い顔写真がトップに出てくることから、現在でも看板教授であることには変わりはなさそうだ。
→Kellloggは美しいエバンストンという町にあることは、かって何人かの友人が留学していたこともありよく聞いていた。そのため、私にとって親近感があるBSの一つだ。先ほどのMinaさんによると、エバンストンの町は今も変わらず美しいとのことだが、友人達の時代と比べて何が変わったのだろうか。
→Kelloggも毎年ブローシャーを取り寄せているが、まだ参加する機会がない。考えてみれば、私はまだアイビーリーグに属する大学と西海岸にある大学以外は、足を踏み入れたことがないのだ。私がKelloggのエグゼクティブ・プログラムに参加するとすれば、やはりマーケティング関連を選択すると思う。
→上述したように、最近Kelloggの評価が高まっている。エグゼクティブ向けランキングでもBWで4位、FTでは6位に位置している。分野別評価もマーケティングは無論トップだが、ジェネラルマネジメント、製造、ファイナンス等の評価も高くなっている。
→主なプログラムは次の通り。
a.上級役員向けの4週間プログラム"The Kellogg Advanced Executive Program(AEP)"
b.役員、ライン・マネジャー向け3週間プログラム"The Kellogg Executive Development Program(EDP)"
c.その他、企業戦略を始め機能別テーマに関する4日から1週間のプログラムがある。お薦めはマーケティングや販売関連のプログラムで、販売部隊の生産性向上やインセンティブの仕組みづくりなどはKelloggらしい。
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SLOAN(MIT):
→MITはハーバードに比べて殺風景なキャンパスだという印象が強い。経済学部のある古びた建物のエレベータを上がって研究室のあるフロアで降りると、目の前にサミュエルソン、ソロー両教授の大きな研究室が目に入る。友人の研究室はそのずっと奥だったが、どうもこの時の寂れた印象が強過ぎたのかもしれない。
→だが、キャンパスの東の端にあるSloan Schoolは、Tag Centerなどの新しい建物もある活気あるゾーンだ。更に幸いなことに、主なエグゼクティブ・プログラムはボストンから約27キロのところにあるエグゼクティブ・カンファレンスセンター、Endicott Houseで行われる。広大な田園ムードあふれるハウスの景観デザインは、NYCのセントラル・パークを設計した有名なデザイナーの手によるという。
→Sloanのエグゼクティブ・プログラムは、5日間、1週間、2週間そして2日間の4つのパターンがある。2週間のエグゼクティブ・プログラムはアメリカ人向けであり、日本人を含む非米国人にとっては、役員クラス向け教育プログラムとしてあまり使いやすいとはいえない。むしろ、マネジャークラス向けに、情報技術やシステム・ダイナミックスなどのテクニカルなテーマが良いと思う。
→ちなみに、MITのランクはMBAでは、BW、USニューズ誌それぞれ15位、4位だ。エグゼクティブ向けでは、BWが12位、FTが9位にランクされている。
→主なプログラムは次の通りだ。
a.役員向けの1週間プログラム"Executive Program in Corporate Strategy
"
b.起業家向け5日間プログラム"Entrepreneurship Development Program "
c.技術担当、IT担当役員向け1週間プログラム"Managing the IT Infrastructure for Global Competitiveness"
d.その他、IESEと組んでバルセロナで行われる1週間プログラム
“ Strategic Management in the Information Age”がある。
2日間プログラムとしてはインターネット戦略、技術・製品戦略、組織などがある。
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MICHIGAN:
→ミシガン大はミシガン州の南東部にある人口約11万人の町アナーバー(Ann Arbor)にある。エグゼクティブ・プログラムはキャンパスのほぼ中央に位置する、エグゼクティブ・エデュケーション・センターで行われる。キャンパスを散歩するにも街を探索するにも絶好の場所にある。
→ミシガン大のエグゼクティブ・プログラムは、BWのランキングによると、HBSに次いで2位にランクされている。MBAコースもBWでは4位、USニューズ誌では9位にランクされており、トップクラスのビジネススクールであることは間違いない。特に、人的資源マネジメントと総合マネジメントの評価が高い。最近ではリーダーシップ育成に力をいれている。
→主なプログラムは下記の通り。
a.上級役員向けの4週間プログラム"The Executive Program"
b.ジェネラル・マネジャー育成2週間プログラム"Management Development Program"
c.マネジャー・リーダーシップ育成プログラム"The Managerial Leadership Series:新任マネジャーから中堅まで3日〜1週間のプログラム"
d.その他、人的資源、マーケティング、ファイナンスなどの3日から5日のプログラムがある。
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STANFORD:
→スタンフォードはサンフランシスコから南東へ約50キロ、パロ・アルト市にある。シリコンバレーとの産学協同は有名で、新技術やベンチャービジネスの人材の供給源でもある。古くは30年代のヒューレット・パッカードに始まり、スタンフォードの大学院生2人が創立したYahooまで多彩な人材を提供している。また、シリコングラフィックス社の創業者ジム・クラークは助教授から転身したものだ(逆に、優秀な人材を集まるために教職についたと見る向きもあるが)。なお、BSは、広大なキャンパスの中央正面にある、オーバルと呼ばれる楕円系の緑地の東側、フーバータワー前の噴水のすぐ傍に位置している。
→周知の通り、スタンフォードは、よく西のハーバードといわれる。MBAコースの評価を見ても、BWでは9位(HBSは5位)だが、USニューズ誌ではトップ(HBSも1位)にランクされている。また、エグゼクティブ・プログラムのランキングでも、BWで5位、FTでは10位と安定した評価を得ている。
スタンフォードのBSの特色は、HBSのケースメソッドに対して、レクチャーとケースとの併用にある。ケースメソッドは時々の最適な意思決定にとっては有益であるが、体系的にマネジメントを学ぶといった点はやや弱い。スタンフォードではこの欠点を補うため、レクチャーを取り入れている。なお、エグゼクティブ・プログラムは、HBSと同様にジェネラル・マネジメントに対する評価が高く、R&DやITも高評価だ。
→特長は、成長企業、つまりベンチャー企業向けやアジアのエグゼクティブ向け(シンガポール国立大学と連携)プログラムが充実している点だ。また、最近、交渉力に関するプログラムを強化している。
→主なプログラムは次の通り。
a.上級役員向けの6.5週間プログラム"Stanford Executive Program (SEP)"
b.成長企業の役員向け2週間プログラム"Stanford's Executive Program for Growing Companies (EPGC) "
c.アジアの上級役員向け3週間プログラム"Stanford-National University of Singapore Executive Program (SNUSEP)"
d.マネジャー向け向け5日間交渉力プログラム"Negotiation and Influence Strategies(NIS) & Advanced Negotiation Program(ANP)
"
e.その他、IT&技術戦略、製品開発、ファイナンス、マーケティング、人的資源、サプライ・チェーンなど1〜2週間のプログラムがある
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WHARTON(Penn):
→ペンシルベニア大はベンジャミン・フランクリンが創立した大学で、8つのアイビーリーグの一つだ。ウォートン・スクールは、1881年に米国で最初のBSとして誕生した。校舎は西フィラデルフィアにあるペン大キャンパスのほぼ中央に位置する、スタインバーグ・ホール−ディートリッヒ・ホールを使っている。ちなみに、2002年には現校舎の南東側に、マネジメント教育の最先端施設、ハンツマン・ホールが完成する。
→ペン大は経済学では計量経済学のメッカだし、ウォートンは昔からファイナンスで定評がある(そのせいか経企庁や大蔵省などの官僚がよく留学している)。だが、MBAのランキングを見ると、BWではトップ、USニューズ誌では3位と実質的にトップランクだ。エグゼクティンブ・プログラムでも、BWは3位、FTは4位にランクされており、ファイナンスの他、マーケティング、ジェネラル・マネジメントの評価が高い。最近ではリーダーシップ教育にも力を入れている。
→主なプログラムは次の通りだ。
a.上級役員向けの5週間プログラム"Advanced Management Program"
b.役員、シニア・マネジャー向け2週間プログラム"Executive Development Program"
c.シニア・マネジャー向け5日間チーム・マネジメントプログラム"Executive Team Dynamics:
Harnessing the Power of Collaboration "
d.その他、リーダーシップ、ファイナンス、マーケティングなどの3日から5日間のプログラムが揃っている。
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