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煮干し喰ってるか!情報過多

 

「風が吹くとおけ屋が儲かる」っていう言葉が昔からあることからも分かるように、世の中のすべての物や出来事は何かしらのつながりを持っています。
それは私たちが、毎日の生活の中で、見たり、聞いたり、感じたりすることが、ジャンル別けをしなかったら元々ひとつのものだからです。
そのひとつのものを分類してジャンル分けしたほうが、理解しやすかったり、便利なことが多かったから別けたのでしょう。
学者や研究者、企業もそのジャンルから何かを選んで、それを、他人にはまねのできないところまで深く追究することで、プロとして飯を喰っています。
今も続くこの流れは、細かく別けられたジャンルをさらに細分化することになり止めどなくすすんでいます。
そうなってくると、それらの細かい情報を、もともと基本となっていた核になるジャンルで区分けした場合、その1つのジャンルが持つ情報量はぼうだいに膨れ上がってきます。
個々のジャンルに情報という肉があまりに付きすぎて、プロじゃない人が、”これだけは知っておくべき”という大切な骨格の部分、本当に必要な部分がどこまでなのかが見えづらくなっているように思うんです。
例えば「新幹線は東京と新大阪を約三時間で行き来できる」ということが私たちにとっては必要な情報で、何年に開通して、どのような原理で動いていて、何時何分に三河安城を通過するかなんて情報は必要ないように、カルシウム不足の私たちに必要なのは骨の部分、給食に出たあの「さかなっつハイ」や「濃縮牛乳」なんです。
社会人でもクビを切られないための知識武装がなんたらかんたらって勉強しようとする人が多いみたいですけど、例えばそういう人が本屋さんにいって、たくさん並んでいる本を見たりなんかすると、これもやっておいたほうがいい、あれもやっとかなくちゃ、それも、その隣もって感じで、自分が自由に使える時間を考えたらとても無理なのに、それでもやらなくてはいけないような強迫観念に襲われるみたいです。
偉そうに書いている私自身も、安定した生活がしたいという思いが強い時には、何か資格でもって真剣に考えたことがあります。
これだけ情報が多いと、自分が必要とする情報だけを取り入れる取捨選択の技術、バサッと切れる人が優秀なのかもね。
携帯電話なんかも最近はいろんな機能がついてるもんだから、友達の電話番号を新しい番号に変えたいだけなのに、前の番号をどうやったら消せるのかわからない。
昔みたいにその人の名前の画面にして、クリアボタンを押しても消えてくれない。結局、同じ人の名前でふたつ登録されて、しばらく電話をかけてないと、どっちが今の番号なのかわからなくなってしまいます。
携帯電話でやりたいことは、「電話がかけられて受けられればいい」と、いたって単純なのに、いろんな機能が付くことによって操作が複雑になってしまいます。
あのぶ厚い説明書を見ればわかるように、携帯電話ひとつをとっても情報量が多すぎますよ。
受験の参考書も同じで、ぶあつくて、細かいことまで書いてあるものがいいということではありません。