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アルバム解説

FRIENDS

1991年2月21日発売

久松史奈のデビューアルバム。ビートの効いたダンサブルなナンバーと、
しっとりとしたバラードの両極に分かれる。

STARDUST
作詞・作曲:TOM、編曲:村上啓介
打ち込みらしいキレのいいリズムで、はずむようなヴォーカルが印象的。シングル発売ではないが、シングルにしてもいいような生きのいい曲。スタッカートが小気味よく決まっている。「STARDUST!」と歌い出す出だしが印象的で、私は完全に久松史奈の世界に引きずり込まれた。TOMが作った楽曲と史奈との相性はものすごくよく、このあとも数々のヒットを生み出すことになる。
KISS & DANCE WITH ME
作詞:久松史奈、作曲・編曲:村上啓介
史奈は『FRIENDS』中、4曲を作詞している。その中でも私はこの曲のサビ「僕が選んだ道 こわれそうでも いつだって輝いた 魔法を知ってる」のリフレインが大好きで、もうたまらない。いい歌詞。2番の「僕が選んだ星 くずれおちても 輝き忘れない かけらをもってる」もいい。Aメロ、Bメロの過度なほどのスタッカートとサビのリフレインのよく伸びていく高音が対照的で、効果をあげている。
FOR MY FRIENDS
作詞・作曲:TOM、編曲:村上啓介
シングル第2弾になったナンバー。早口の歌詞でロックンロールの黄金時代が来るぜ、と歌う。後半にはスタッフ全員の合唱が入り、掛け合いになる。「Hi!」とという史奈の声の入るタイミングが絶妙でかっこいい。
ON THE STREET
作詞・作曲:TOM、編曲:村上啓介
「FOR MY FRIENDS」とシングルでカップリングされた。久松史奈初期のバラード中の傑作。午前5時夜明け前の街の不安感とほのかにみえる希望の灯火を描いて感動的。私が最初に覚えた曲でもあり、愛着がある。ほんとうにいい曲で、サビを聴いていると涙が出そうになる。
LADY BLUE
作詞・作曲:TOM、編曲:村上啓介
シングルデビューを飾った曲。出だしの頭サビ「そこのLadyに告ぐ ただちに武装解除せよ」で聴く者をノックアウトする。迫力のヴォーカルをシンセサイザーを効果的に使ったサウンドが支えている。いかにもシングル向きの曲で、聴いた途端に「これはシングルカットだな」とピンときたほど。
NO WAY
作詞:久松史奈、作曲:安田信二、編曲:鷲巣詩郎
軽くレイドバックしたナンバー。ちょっと肩の力を抜いた感じ。
MAYBE LOVE
作詞:久松史奈、作曲:安田信二、編曲:村上啓介
ブレイクを多用。現代的なファッションの皮相の奥には切ない愛が隠れている。史奈の「Maybe Maybe Maybe Love こわれそうなの」という歌声を聴くと、たまらなく抱きしめてあげたくなる。
死ぬのはこわい
作詞:TOM、作曲:高垣薫、編曲:村上啓介
アップテンポのロックナンバー。疾走する車、若かったあの頃。史奈が「ヤンキーあがり」と言われる所以になっているのかも。スピードとドライブ感がよく出ている。結構好きな曲。
いつになっても
作詞:久松史奈、作曲:鴨井学、編曲:村上啓介
スローのバラード。史奈のバラード・シンガーとしての資質を感じさせる。語りかけるように、ささやくように、聴く者の心に沁み通る。
LADY BLUE2
作詞・作曲:TOM、編曲:鷲巣詩郎
デビューシングル「LADY BLUE」のカップリング曲(本当はローマ数字の「」ですが、インターネット上では表示されない場合があるので、「2」と表記)。冬の海の波涛が砕けていくような印象的なイントロで始まる。クリスマスの失恋を歌ってじめじめしていない、いかにも史奈らしい、強い女をイメージしてしまう。私は一時この曲にはまって、繰り返し繰り返し聞き続けたことがある。ライブではもうやってくれないのだろうか?


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text by (C)Takashi Kaneyama 1997